コロナウィルスの流行で消費意識に変化

 

新型コロナウィルスの感染拡大を受け、消費のあり方が大きく変化しています。外出自粛やリモートーワーク、在宅学習による影響で人々の消費マインド、そして実際の消費傾向にはどのような変化が見られるようになったのでしょうか。

日本で金融サービス等を手掛けるフィンテック企業・株式会社カンムは2020年3月に「巣ごもり消費に関する意識調査」を行い、次のような興味深い結果を公表しました。

新型コロナウィルスの影響で66%が生活のスタイルの変化を実感

まず、「新型コロナウィルスの影響で生活スタイルは変わりましたか?」という問いに対して、全体の約24%が「大きく変わった」、42%が「少し変わった」と回答。全体の実に66%が新型コロナウィルスの影響で生活に何らかの変化を感じていることがわかりました。特に休校で自宅学習を余儀なくされている学生でこの傾向が顕著であり、全体の実に83%が変化を感じていると回答しました。

新型コロナウィルスの影響で増えた支出は・・・?

では、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、実際の消費活動にはどのような変化が現れたのでしょうか。同じくカンムの調査によると、支出が増えた分野として回答した人が多かったのは、「薬・衛生用品(マスクやペーパー含む)」と「内食・中食(テイクアウトやデリバリーなど)」でした。特に実際に衛生用品や食品を購入する機会が多い主婦・主夫の間で、消費増の実感が強くなっているようです。また、同調査では保護者層から「自宅にいる時間が増えて光熱費が上がった」「子供の学校が休校になって自宅にいるので、間食や食事の費用が増えた」など、間接的な支出の増加を指摘する声も寄せられています。

また、自宅で過ごす時間が増えていることを受けて、自宅で楽しめるエンターテインメントへの支出、たとえば「ゲーム・書籍・コミック」や「動画・音楽の配信サービス」への支出が増えていることもわかりました。

同様の傾向は海外でも顕著に見られています。感染者が日本を上回るペースで増え続けているアメリカでは、除菌ジェルやマスクなどの感染対策用品の需要が急増しており、アドビの調査では2020年2月の感染対策用品のネット経由の売上が前月の約9倍に達し、トイレットペーパーの売上も同じく前月比約3倍を記録しています。

新型コロナウィルスの影響で減った支出は・・・?

また、同じく株式会社カンムの調査によると、新型コロナウィルスの影響で支出が減った分野としては、予想通り「外食」「旅行やイベント」との回答が目立ちました。外食への支出を減らしたと回答した人、旅行やイベントへの支出を減らしたと回答した人ともに36%に上りました。

このほか、ジムやプールを含む「運動」でも支出は減少傾向、外出の機会が減った専業主夫・主婦では、化粧品やヘアカットなどの「身だしなみ・美容」費用の減少が目立ちました。

ECが好調、供給体制に課題も

このように、消費意識・傾向に大きな変化が見られる中、消費を下支えしているのがECサイトです。自宅から出ずにECで買い物をする、いわゆる「巣ごもり消費」による需要が増え、Amazonやロハコなど日用品を扱うECサイトが売上を増やし続けています。今回は背景に外出自粛や感染への懸念があることから、普段からECショッピングをしている人だけでなく、これまでECを利用する習慣がなかった人も、ECを使い始めていると考えられており、一部のサイトでは送料無料や商品の割引オファーなどを使って、新規顧客獲得に乗り出す動きもみられています。これまでECに馴染んでいない顧客を獲得するためには、わかりやすいサイトデザイン、決済のしやすさ、購入から商品受け取りまでの時間短縮を重視したサイトづくりが欠かせません。通常以上に使い勝手の良さに気を配り、微調整を加えていく必要があります。

また、一部ECサイトやネットスーパーでは、注文の急増を受けて、注文受付中止や配達遅延が出たケースも報告されています。商品や配達人員の確保など、供給体制の見直しが急がれます。

また、同じく新型コロナウィルスの被害が続く中国を初めとした東南アジア諸国からの越境購入への対応に動き出す企業も。この機会に、「自社の商品が、どのような立場の人に、どのようなシーンで求められるのか」という視点で自社サイトを見直してみると良いのではないでしょうか。

Criteoでは、今回の新型コロナウィルス感染拡大による市場への影響に関するインサイトを公開しており、今後も随時更新して行く予定です。皆様のビジネスにぜひお役立てください。