2019年01月09日
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プログラミング必修化でマーケットに起こる変化は?

 

2018年は90億円市場に急成長!

2020年度から小学校でプログラミングが必修化されることが決まりました。親世代にとっては、IT関係の仕事にでも就いていない限り、プログラミングって全く身近な言葉ではないので、「??」と戸惑う人も多いかもしれません。しかし、IT系人材の需要がますます増えるこれからの時代、プログラミングのスキルをもっていることは、就職や転職の場面で有利に働くことはまず間違いないはず。となると、「我が子にもプログラミングが得意になってほしい」と願うのが親心というものですよね。最近では、そんな親心をくすぐる新たなプログラミング関連ビジネスが次々に登場。GMOメディアと船井総合研究所では、2018年の子供向けのプログラミング教育市場は約90億円に急拡大し、2023年には、約226億円にまで達すると予想しています。

 

入門は玩具で、親しみやすく

プログラミング教育市場の急成長をけん引しているのは、小さな子供でも遊びながらプログラミングを学べる玩具やツール、プログラミングを教える教室や塾の存在です。例えばセガトイズが発売した「マジカル・ミー・パッド」(希望小売価格税込2万1,600円)は搭載されている迷路遊びなどのミニゲームを通じてプログラミングが学べるタブレット型の玩具で、小学校低学年の子供にも十分楽しめるのが魅力。 一方、タカラトミーが販売する「COZMO」(希望小売価格:税込2万9,138円)は人工知能を搭載。スマートフォンのアプリで起動し、端末の画面上で命令コードを組み合わせることによってロボットを操作することができる本格派です。他にも二足歩行のロボットや小型無人機・ドローンを操作できる玩具なども登場しています。いずれも「玩具」と呼ぶには、少々値が張りますが、その教育効果を考えて購入する人も多く、従来の玩具=単なる遊び道具とは一線を画す商品だといえそうです。小学校の入学祝のプレゼント、誕生日やクリスマスのプレゼントとしてプログラミング関連の玩具が選ばれるケースも増えてくることでしょう。

 

より実践的な内容を学べるプログラミング教室

また、子供向けのプログラミング教室も次々に誕生しています。ピアノや書道のような「習いごと」の一つとして、プログラミングを検討する保護者が増えているのです。月謝の目安は概ね1万円~2万円。こちらも決して安くはありませんが、Java等のプログラミング言語を学んでアプリケーションを開発できるコース、コーディングを学べるコースなど、より実践的で将来仕事に役立つスキルを習得できるコースを用意している教室も多く、長い目で見るとコストパフォーマンスは高いのかもしれません。そもそも、小学校で必修化されるといっても、プログラミングは独立した教科として導入されるのではなく、他の教科の授業に組み込まれる形で導入されることになっていて、教えるのも専任講師ではなく、原則としてクラス担任の教師です。一般的な小学校教師がすべてプログラミングに詳しいとは考え難く、教師によってはプログラミングに関する知識・経験が浅く、指導内容も限定的になってしまう可能性も十分に考えられます。「必修化される=プログラミングの基本が身につく」と期待している保護者にとっては、物足りない結果に終わってしまうかもしれないのです。事実、日本マイクロソフトなどIT関連企業の業界団体「ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム(WDLC)」が行った調査では、これまでにプログラミング学習を行ったことがない小学校のうち6割が、未実施の理由として「教員にプログラミング知識が不足している」を挙げていることが明らかになりました。その意味でも、学校での学習内容+αをカバーしてくれるプログラミング教室の存在は、今後、教育関連市場において一定の存在感を持つようになる可能性があります。

一方、2018年秋に、小学校におけるプログラミング教育の推進を目的にLINEと連携協定を締結した京都府長岡京市のように、教員の知識・経験不足を民間企業等の協力でカバーしようとする動きも。もし企業と教育機関との連携が進めば、新たな事業分野の創出にも繋がります。

 

「プログラミング学習」にシェアを奪われる業界は?

このように、プログラミング学習用玩具や子供向けプログラミング教室が市場規模を拡大しつつあることは、今やまぎれもない事実です。しかし、それはつまり、市場でのシェアを奪われるかもしれない商品やサービスがあるということも意味します。プログラミング関連ビジネスにシェアを奪われるのは、どんな商品やサービスなのでしょうか?従来型の知育玩具でしょうか?それとも子供向けプレゼントの定番だったゲームの類でしょうか?

もしくは、プログラミング学習が盛んになることに乗じてビジネスチャンスを得られそうな業界はどこなのでしょうか?そもそも本当にプログラミング学習は日本の教育現場に定着し、教育や就業の在り方に影響を与える結果となるのでしょうか?

小学校におけるプログラミング学習の必修化スタートまであと2年。マーケットの変化をしっかりと観察し、変化の波に乗り遅れないようにしたいものです。もちろん、子供たちに負けないように、自身がプログラミング学習に挑戦してみるのもいいかもしれません!