マイナポイントも追い風に。国民総キャッシュレス時代へ

キャッシュレス決済で最大5,000円相当のマイナポイントを付与

政府は2025年までに、国民総支出に対するキャッシュレス決済の比率を現状の2倍にあたる40%にまで引き上げる目標を掲げています。2019年は消費増税に伴って開始されたポイント還元施策などにより一気にキャッシュレス決済が普及した、いわば「キャッシュレス元年」ともいえる年でした。2020年は夏にサービスが開始される「マイナポイント」が追い風になって、さらにキャッシュレス化が進むと言われています。

マイナポイント事業は、マイナポイントの活用によって消費の活性化、マイナンバーカードの普及促進、官民キャッシュレス決済基盤の構築を目指して、国が2020年秋ごろから期間限定で実施される予定です。民間のキャッシュレス決済サービスを利用してチャージ(前払い)またはキャッシュレス決済をした人に、購入額の25%(上限5,000円)相当のマイナポイントが付与されるというもの。2020年1月現在、マイナポイントの申込ができるキャッシュレス決済サービスはまだ発表されていませんが、マイナポイントの獲得を目的にキャッシュレス決済を始める人、キャッシュレス決済で買い物をする人が増えることは、想像に難くありません。

「お得さ」よりも「便利さ」で選ばれるキャッシュレス決済

とはいえ、消費者はポイント還元などの「おとくさ」のみを重視してキャッシュレス決済を選んでいるわけではありません。個人資産管理アプリ「Moneytree」を運営・管理するマネーツリー株式会社が2019年11月に公表した調査によると、

「キャッシュレス決済を利用したきっかけ」については、「ポイント・マイルが貯まるなど、日常的にお得」と回答した人が最も多く、全体の約60%を占めましたが、「キャッシュレス決済の利用が習慣化した理由」については、「便利だから」と答えた人が78%にも上りました。つまり、お得なプロモーションやキャンペーンに惹かれてキャッシュレス決済を始めた人が、その後も継続してキャッシュレス決済を習慣的に使い続けているのは、キャッシュレス決済の便利さによるものだということです。

キャッシュレス決済に対応していない店を避ける人も

実際、同調査で「キャッシュレス決済に対応していない店舗を避けることはありますか?」との質問に対して、全体の9%が「常に対応していない店舗は避けるようにしている」と回答、32%が「対応していない店舗を避けることがある」と回答しました。

また、キャッシュレス決済に対応している店舗であえてキャッシュレス決済を利用しなかった理由については、「使いすぎが怖い」と答えた人が最も多かったものの(全体の37%)、一部には「決済金額が少額なため、カードを使うのに気が引ける」や「店の雰囲気的にセキュリティ環境に不安があったから」、「店員が端末の操作に慣れておらず、時間がかかりそうだったから」との意見もきかれたと報告されています。

キャッシュレス決済が習慣化したユーザーの来店や購買を促すには、単にキャッシュレス決済サービスを導入するのみでは十分ではなく、スタッフの教育などを通じてキャッシュレス決済をしやすい環境づくりに取り組むことが大切だということがわかります。

国民総キャッシュレス時代に備え、今一度、サービス業者の選定を含め、キャッシュレス決済への取り組み方を見直してみてはいかがでしょうか?

Criteoでは、キャッシュレス決済に関する独自のインサイトを公表しています。ぜひ、こちらからお読みください。