2018年04月11日
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効果的なダークソーシャル戦略とは? WhatsAppなどのメッセージングツールを使って、お客様と新たなエンゲージメントを築こう

 

「ダークソーシャル」とは、インスタントメッセージングアプリやSNSのメッセージング機能を使ったユーザ同士のコミュニケーションを意味する造語です。ダークソーシャルでのコミュニケーションの内容は、従来のアナリティクス技術では追跡、測定することができません。たとえば、ブランドはFacebookのオープンなプラットフォーム上で自社の商品・サービスに関するコメントを追跡することはできますが、Facebook Messenger内で行われるユーザ間のコミュニケーションの内容までは把握することができません。

爆発的な人気を誇るWhatAppのようなインスタントメッセージングアプリの普及によって、マーケターはダークソーシャルをどう攻略すべきか、という新たな課題を抱えることになりました。実際、世界中に10億人を超えるユーザを擁するWhatsAppは、ブランドについての多くの情報や意見が飛び交うコミュニケーションツールの1つですが、ブランドには、そこでどのような会話がなされているのかを知ることができないのです。

ダークソーシャルの影響は極めて大きく、ソーシャルネットワーク上での情報共有の実に75%は、このチャネルを使って行われているとする報告もあるほどです。しかし、多くのブランドが、ダークソーシャル内のユーザとのエンゲージメントが難しいことを理由に、ダークソーシャル戦略を諦めてしまう傾向にあるようです。でも、それは実にもったいないこと。ダークソーシャル内のユーザの存在を無視することは、彼らとエンゲージできる貴重なチャンスを失うことを意味するからです。

そのため、数年前から、ダークソーシャルの潜在価値を見出したブランドが、ダークソーシャルを有効活用するためのクリエイティブ戦略の開発に取り組む動きもみられるようになってきました。

 

新たなコミュニティの創出

 

本質的に、ダークソーシャルチャネルはプライベートかつ自己選択型のコミュニティなので、ブランドはこの中に直接割って入ることはできません。しかし、だからといって諦める必要はありません。コミュニケーションの内部にまで影響を及ぼすことができるブランドは、自社の競争優位性を高めていくことができるのです。

こうしたスマートかつ革新的なダークソーシャル戦略によって、特に大きな成果を上げている企業の1つが、Adidasです。同社は2017年、世界15の主要都市に住むフットボール関係のインフルエンサー(=広い人脈を持つ熱烈なフットボールファン)を集めたグループ「Tango Squads」を立ち上げました。

さらに、このグループのメンバーであるインフルエンサー専用のモバイルコンテンツを用意し、その中で同社の新商品情報を公式サイトでの発表前に公開しています。

その後は、インフルエンサーが自身のネットワーク内でこれらのコンテンツをシェアすることによって、ブランドに関する多くの意見がダークソーシャル上で拡散していくという仕組みです。ここで注目すべきは、Adidas側はインフルエンサーの興味を喚起するコンテンツへのアクセスを促すだけで、その後の情報のシェアなどについては、あくまでインフルエンサーの主体性に委ねているということ。Adidas側では、インフルエンサーとの接触も有意義なものだけに限定し、彼らにストレスを与えないように抑制しているそうです。

もう一つ、Greggs Bakeryのダークソーシャル活用事例をご紹介しましょう。同社は新商品の正式発表に先立って最新情報を入手することを希望した顧客250人のために、専用のVIPグループ「Festive Bake Lovers」をWhatsAppに作成しました。

どのような方法でダークソーシャルにアプローチするにせよ、予算を無駄にしないためには、押えておくべき基本的なルールが4つあります。

 

1.    特別な専用コンテンツを用意する

ダークソーシャルチャネルにおけるプレゼンスを確立するためには、ブランドはユーザのプライベートかつより閉鎖的な領域にまで立ち入らなければならないことをよく認識しておく必要があります。そして、そこでは他のキャンペーンで使ったクリエイティブやメッセージを再利用してはいけません。そういったアプローチはユーザに「自分には関係ない」と捉えられてしまい、彼らの興味・関心を引き付けることが難しくなってしまいます。

 

2.    必要以上の宣伝を避け、自発的な会話を促す

自社からメッセージをユーザに届けるために、多くのブランドが次々と新しいチャネルを活用してコミュニケーションを図っています。Facebook MessengerやWhatsAppなどのダークソーシャルチャネルはパブリッシングプラットフォームではなく、むしろブランドについてのユーザ同士の会話を喚起・促進させるための場です。公開当初だけでなく、その後も効果が持続するようなインタラクティブなコンテンツを導入して、長期的な価値を生み出す源泉に育てましょう。

 

3.    従来のマーケティング目標の先を目指す

ダークソーシャルにおけるユーザのアクティビティは、通常の方法によって追跡/監視することができません。そのため、ブランドは別の方法でキャンペーンの成否を測定しなければなりません。

たとえば、ダークソーシャルではリーチ数を稼ぐことを目標とすべきではありません。その代りにインフルエンサーの「ソーシャルカレンシー(人に自慢できる価値ある情報のシェアによって得られる社会的価値)」を利用して、インフルエンサーの周囲にいる新しいオーディエンスに情報を届けることを目指しましょう。

 

4.    セールストークを避ける

今日の消費者は、セールスで使われる業界用語や目障りな広告にウンザリしています。そのようなセールストークは、たとえ他のチャネルでは受け入れられたとしても、ダークソーシャルの閉鎖的なコミュニティでは通用しません。ブランドはセールストーク以外の方法で、自社の存在意義をダークソーシャルのユーザに示す必要があります。たとえば、ユーザを集めて新たなコミュニティを作り、新商品やサービスを特別に披露したり、開発の裏側を限定公開したりするのは、良い方法です。こういった特別で限定的な体験を提供して、ダークソーシャル内でユーザの支持を獲得し、ブランドとしての付加価値を高めましょう。つまり、ダークソーシャル戦略の成功には、そこに集う人々の情熱をパーソナルかつ繊細な方法で刺激するアプローチが欠かせないのです。同時に、どこのコミュニティにどんなオーディエンスがいて、彼らがなぜそのコミュニティに参加しているのかを企業側が理解していることをオーディエンスに示すことも非常に重要です。