新型コロナウイルスの影響で変わるアジアの食習慣

 

新型コロナウイルスの感染拡大はとどまることを知らず、2020年4月時点で世界の感染者は260万人、死者は18万人を超えました。多くの国や地域で外出禁止もしくは自粛要請が発令され、多くの人が自宅で過ごすことを余儀なくされています。その結果、私達はこれまで経験したことのない、未曾有の変化に直面しています。

その1つが食習慣の変化です。外出禁止・自粛に伴って、外食を控える人(控えざるをえない人)が増え、ここ日本でも「3食ともに自宅で食べる」という人が急増しています。自炊回数が増えたことによって、食材を扱うスーパーマーケットは大盛況。東京都ではスーパーマーケットへの混雑緩和のため、入店規制の検討を始めています。自炊が増えた分、激減したのが飲食店での外食です。休業を余儀なくされる飲食店もある中、4月に入ってからはお弁当や惣菜のテイクアウトを始め、客の「自宅で食べたい」という要望に応えつつ、この困難な時期を乗り越えようとする店が急増しています。ミシュランガイド掲載店のような有名店・高級店も相次いでテイクアウトやデリバリーに参入し、話題を呼びました。

こういった食を取り巻く状況の変化は、日本人をはじめアジアに住む私たちの食習慣に対する意識を、大きく変えつつあります。

「どこで食べるか」よりも「何を食べるか」を意識する人が増える

ニールセンが2020年3月に世界70カ国で行った調査のうち、アジアの消費者を対象とした調査では、「新型コロナウイルス感染拡大前よりも自宅で食べる頻度が増えている」と回答した人は、中国では全体の実に86%に。香港では77%、マレーシアとベトナムでも62%に上りました。

出典: Nielsen “COVID-19 Where consumers are heading?” Study March 2020

新型コロナウイルスの収束にはまだ1年近く、もしくはそれ以上かかるだろうという予測もあります。収束までの時間がかかればかかるほど「なるべく自宅で食べる」という習慣が定着する傾向が高くなるため、結果として恒久的に人々の食習慣を変えてしまう可能性があるのです。

ニールセン東南アジア総責任者のヴォーン・ライアン氏は、「多くの人にとって、外食のような古い習慣は、新しい習慣に恒久的に取って代わられ、消費者は新たな環境にさらに適応していくようになります。消費者は自分がどこで食べるかを再考するだけでなく、自分が何を食べているのかをこれまで以上に意識するようになっていくのかもしれません」と指摘しています。

Eコマースの普及と健康意識の向上が食生活の変化を後押し

この動き(外食減少、テイクアウト・デリバリー・自炊増加)を後押ししているのがEコマースの普及、そしてコロナウイルスがきっかけとなった健康意識の向上です。

特にウイルスの最初の感染拡大国となった中国では、外出を控える人の増加によりオンラインショッピングの習慣がこれまで以上に浸透し、ニールセンの調査では89%の消費者が「感染拡大終息後も積極的にオンラインで日用品や生鮮食品を購入する」と回答、80%は「終息後も健康的な食事に注意を払う」と回答しています。健康の大切さを世界中の人々が痛感している今、その基本である食生活を見直すし、健康的な食事をしたいと考える人が増えれば、食習慣や食に対する意識の変化はさらに加速していくでしょう。

では、この変化に食に関連する事業を手掛ける企業やブランドはどのように立ち向かえば良いのでしょうか。一口に食に関連する事業と言っても、食材の製造・販売、飲食店の経営、デリバリーやテイクアウト商品の販売、その配達などさまざまな分野がありますが、どの分野にも共通して言えるのは、人々の健康意識の向上に応えうる、高品質で安全・安心な商品を提供しなければならないということです。「どこで食べるか」よりも「何を食べるか、いかに健康的なものを食べるか」に注意を払う人が増えていることを常に念頭においてください。

そして人々が商品やサービスを利用するにあたっての利便性を高めることも欠かせません。特に今回のパンデミックによる外出自粛をきっかけに、これまでオンラインで買い物をする習慣がなかった人たちにもオンラインショッピングの習慣が急速に浸透したことに注目すべきです。自社のサイトがオンラインショッピングに慣れていない人たちにとっても使い勝手の良いものになっているかどうかを、今一度見直してみてください。

新型コロナウイルスの猛威は、今後も私たちが思っても見なかったような変化を世界中で引き起こし続けるでしょう。しかし、その変化に柔軟に対応し、「人々が本当に必要としているもの」を確実に届けることができる企業なら、この困難な時代にあっても生き残ることができるはずです。Criteoは豊富なデータと最新のテクノロジーを駆使して、皆様の挑戦を全力でサポートいたします。

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