複数のリターゲティングキャンペーンの同時展開がもたらす弊害とは?

更新日 2019年04月09日

デジタルマーケティングで最優先すべきゴールは、言うまでもなくROIの最大化です。これはどの企業でも掲げられている共通の目標ですが、一方でマーケターがリターゲティングキャンペーン戦略の検討に際して直面する疑問もいくつかあります。例えば「キャンペーンは、いくつ用意すれば十分なのか?」、「できるだけ多く実施した方が効果的なのか?」、「FacebookやAdRoll、Googleで同時に広告を配信した方が良いのではないか?」といった疑問です。

結論から言うと、複数の広告キャンペーンを同時に展開する必要はありません。その理由は、次の3つです。

1.  入札で自社と競うことになる

デジタルマーケティングプロバイダーの多くは、「広告を多数展開した方がより優れた成果を達成できる」と主張します。しかし、そうした主張は特定のオーディエンスに限定してリーチするスキル、つまりユーザに合わせてカスタマイズされた効果的・効率的なアプローチが行えないことの裏返しでもあります。たとえば、買い物客が自社のWebサイトを訪問し、さまざまな商品をカートに投入したまま、サイトから離脱したとします。その後、別のサイトに移動した同じ買い物客に対して、自社が利用するリターゲティングベンダーがAdRollとGoogleの両方で広告を配信していたとすれば、この買い物客には両方のキャンペーンで広告入札が行われることになります。要するに、同じ訪問者に対して、自社が設定した金額よりもさらに高い金額で広告入札を行わないと勝てなくなってしまうということです。これでは全く意味がありません。こうした状況に陥らないためにも、現在利用できるデータを効率的にマイニングし、1つのキャンペーンのみでROIを最大化できるリターゲティングパートナーを選択するようにしましょう。

2.  混乱を招くアトリビューション

キャンペーンが1つの場合ですら、アトリビューション分析は複雑ですが、キャンペーンが複数ある場合はさらに困難を極めます。リターゲティングベンダーはそれぞれ独自のアトリビューションモデルを持っているため、複数のキャンペーンを同時に展開した場合、複数のダッシュボードを操作しながら別々のサマリーでクリックの発生元を確認しなければならなくなります。さらに、あいまいなアトリビューションの結果を行き来しながら確認する作業も当然、混乱の原因となります。自社特有のニーズに対応でき、かつ明瞭な分析結果をレポーティングできるリターゲティングパートナーを選択するのが賢明です。

3.  ユーザの広告疲れの原因に

誰もが同じ広告を何度も目にしています。これはリターゲティングベンダーが複数のネットワークで広告を配信することによって起きるものであり、双方向のコミュニケーションを考慮せずに、一方的に広告キャンペーンが展開されたために、同じ人に同じ広告が何度も表示されてしまうのです。この問題を解決するには、単一のキャンペーンでパフォーマンスを最大化できるデジタルパートナーと連携する必要があります。そうすれば、自社に最適な高品質のオーディエンスに必要な数と頻度で広告を表示できるようになります。

パートナーとして理想的なのは、カスタマイズされた効率的なキャンペーンを、広告の「数」ではなく「質」を重視して配信しているリターゲティングベンダーです。

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