直接比較のベストプラクティス:投資効果を最大化する最適なリターゲティングパートナーの選び方

更新日 2020年07月30日

自社のビジネスゴールにマッチするマーケティングパートナーをみつけることは、ますます困難になりつつあります。マーケティングテクノロジーの提供を手掛けるベンダーは実に数千社にも上り、どの企業もこぞって自社こそが最適なパートナーであることをアピールしています。彼らの中から本当に自社にとって最も優れたマーケティング効果をもたらすベンダーと、単なるセールス上手なベンダーを見分ける方法はあるのでしょうか?

自社の売上を効果的・効率的に向上させることができる最適なパフォーマンスマーケティングパートナーを見極めるためには、パートナーの直接比較(H2H)を適切に行うことが重要です。直接比較で他のパートナーを評価することによって、新しいパートナーに切り替えるべきか、あるいは現在の体制を継続すべきかについての判断もしやすくなります。

しかし、そうは言っても比較テストには高額な費用やリソースの投入が必要です。なるべく費用をかけずに最適なパートナーを迅速かつ正確に選びだすためには、直接比較のベストプラクティスを参考にすることが極めて有効です。調査の精度を上げるために、極力、外部要因を排除して適切に測定や設定を行うことが、比較テストを成功のカギです。以下では、正確なテスト結果を得るために役立つ方法をいくつかご紹介しましょう。

同じ予算額で比較する

すでにご存じのとおり、リターゲティングキャンペーンの効果は予算規模や価格設定の方法によって大きく異なります。そのため、ベンダーの比較に際しては両者とも予算が同額であることを確認した上で、同一の基準で評価する必要があります。

オーディエンスを均等に切り分け、同じ時期でベンダーを比較する

正確比較を行うために重要なポイントがもう1つあります。それは、オーディエンスはベンダー間でランダムかつ公平に振り分けることです。そうすることによって、各ベンダーがターゲティングするオーディエンスの重複を防ぎ、特定の買い物客が複数のパートナーの広告を閲覧することを回避した上で、最終的なコンバージョンに貢献したパートナーを正確に判別できるようになります。また、各ベンダーに十分な数のオーディエンスを確実に割り振ることができるため、統計的にも貴重な調査結果を得ることができます。

さらに、季節や広告価格など時間の経過に伴って変動する要素もあるため、ベンダーは順番にではなく、同時期に比較する必要があります。これらを行うことで調査結果の正確性を高め、マーケターは自社に最高のマーケティング効果をもたらす最適なベンダーを見極められるようになります。

最適な比較期間を設定する

では、各ベンダーの成果を正確に測定するには、どのくらいの期間、テストを行う必要があるのでしょうか?Criteoでは通常、統計的に有意義な結果を得るために、少なくとも30日間のテスト期間を推奨しています。また、調査に先立って両パートナーには、数日分の準備期間を与えることも重要です。リターゲティングテクノロジーが、買い物客の行動を把握し始めるまでには多少の時間がかかるので、両パートナーはテスト開始の少なくとも数日前からシステムを稼働させておく必要があるからです。両パートナーのアカウント担当者には、最適な調査期間を設定するよう、事前に伝えておきましょう。

各ベンダーのソリューションの効果を最大化する

10%オフをアピールするCTAよりも、20%オフをアピールした方がより高いクリック率を得られることからもわかるように、クリエイティブやプロモーションはキャンペーンの成果に大きな影響を及ぼします。自社のクリエイティブが調査結果をゆがめる原因になってしまわないように、両ベンダーが同じCTAやクリエイティブを使っていることを確認しましょう。

各パートナーに同じ成功指標を適用する

広告主は同一条件のもとで、両パートナーのパフォーマンスを比較・評価する必要があります。特に、レポート用のダッシュボードに両パートナーが異なるアトリビューションモデルを使っていないか注意してください。たとえば、ラストクリックモデルを一方は30日間に設定しているのに対し、他方は7日間に設定しているケースなどが考えられます。また、独自のアトリビューションツールを利用している場合には、トラッキングを正しく設定し、両ベンダーが成功指標について明確に理解していることを確認しましょう。成功指標の設定は極めて重要です。両パートナーが目標を正しく設定し、各社がソリューションを最適化できるようにしてください。

Criteoでは第1にパフォーマンス指標、第2にボリューム指標を使用することを強く推奨しています。パフォーマンス指標は広告投資利益率(ROAS)や販売コストを表し、ボリューム指標は販売個数や総売上高などを表します。これらの指標によってパフォーマンスとボリュームの両面からの測定が可能になります。例えば、あるベンダーが30日間で1個しか商品を販売していないのに対し、別のベンダーは100個も販売している場合、単純にパフォーマンス指標だけを見て評価するのでは不十分です。必ずボリューム指標も併用するようにしてください。

直接比較によって最適なパートナーを選ぶ

直接比較は高額で、結果が出るまでに時間がかかることもありますが、行うだけの価値は十分にあります。テストを効果的に行うためのノウハウを社内に蓄積でき、自社にとっては有益な取り組みとなるからです。また、テストを実施する方法は、調査結果の妥当性を左右するだけでなく、社内リソースの活用方法にも大きく影響を及ぼします。

公平かつ効果的な比較テストによって選び出された最適なパートナーは、広告のリーチを最大化してキャンペーンを成功に導き、最終的には自社のビジネスの発展を大いに後押ししてくれるはずです。