2025年サイバー5レポート:世界の購買トレンドから見える消費者行動の変化

2025年のブラックフライデーシーズンは、世界中で活発な購買活動が展開されました。Criteoは、感謝祭からサイバーマンデーまでの5日間(11月27日~12月1日)における購買行動を分析し、「サイバー5」レポートとして発表しました。

本レポートは、年間消費支出1兆ドル超の実購買データと、世界5,877社の小売業者から抽出したデータに基づいています。今年の大型セールスシーズンを牽引したのは、より情報に精通し、購買に対してより慎重な買い物客でした。

グローバルで見る購買トレンド

世界全体の消費者支出は前年比9%増を記録し、サイバー5期間を通じて活発な購買活動が確認されました。ただし、購入行動には地域ごとに明確な差が見られています。

  • 欧州が世界の成長を牽引
    欧州市場は今年のサイバー5で最も力強い成長を見せました。トラフィックは25%増、購入数は18%増となり、世界の成長を牽引する結果に。特にドイツはトラフィック25%増、購入数17%増と、この期間で最も好調な成長率を記録しています。
  • 南北アメリカ:トラフィックは堅調、購入は慎重に
    米国ではトラフィックが14%増加した一方で、購入額は3%増に留まりました。これは消費者がより選択的に購入していることを示唆しています。
    中南米でもトラフィックは13%増加しましたが、購入の伸びは5%と緩やか。消費者の関心は高いものの、価格比較を行いながら慎重に購入を決定している様子がうかがえます。
  • アジア太平洋地域:勢いを増すサイバー5
    APAC地域では、トラフィックと購入がともに12%増加しました。国別に見ると、韓国ではトラフィック20%増、購入15%増と急成長。日本ではトラフィックが緩やかに3%増加した一方で、購入は堅調に7%増加しています。

注目を集めたカテゴリ

今年のサイバー5で最も力強い伸びを示したのは「スポーツ&アウトドア」カテゴリです。トラフィックは前年比34%増、支出は前年比15%増となり、世界の主要業種の中でトップの成長率を記録しました。

その他、トラフィックの大幅な伸びを示したカテゴリは以下の通りです:

  • フラワーギフト&グリーティング:29%増
  • ライフスタイル&健康グッズ:26%増
  • ホーム&ガーデン:23%増

定番商品も堅調に推移しています。家電・テクノロジーはトラフィック11%増、購入13%増、購入額16%増。消費財(CPG)はトラフィック13%増、購入11%増、購入額9%増となりました。

 購入までの検討期間に見る各国の特徴

ブラックフライデー期間(金曜~月曜)に購入した新規顧客が、初めて商品詳細ページを見てから購入を完了するまでの平均期間を調査したところ、国ごとに特徴的な傾向が見られました。

  • 日本:25日(前年比+1日)
  • フランス:19日(前年比-1日)
  • ドイツ:19日(前年比+3日)
  • アメリカ:17日(前年比+3日)
  • イギリス:12日(前年比-1日)

日本の消費者は最も長い検討期間を経て購入を決定しており、慎重な購買行動が特徴的です。

慎重さを増す世界の消費者

2025年のサイバー5は、世界中で成長を続けながらも、地域ごとに異なる消費者行動が明確になった年となりました。共通して言えるのは、消費者がより情報に精通し、価格比較や検討を重ねながら、慎重に購入を決定しているということです。

今後のホリデーシーズンに向けて、こうした消費者行動の変化を理解し、適切なタイミングで関連性の高い情報を届けることが、これまで以上に重要になっていくでしょう。

データソース:Criteoコマースデータ

  • サイバー5期間中(2025年11月27日~12月1日)の全小売業における購買データ
  • 世界5,877社の小売業者から抽出したパネルデータ