そもそも「コマースメディア」とは?
消費者行動の多様化やプライバシー規制の強化、そしてAIの急激な発展と普及など、デジタル広告を取り巻く環境はめまぐるしく変化し続けており、マーケターや代理店の多くが広告戦略の見直しを迫られています。
【デジタル広告業界を取り巻く課題】
1. 消費者行動の多様化に伴い、広告効果の測定が困難に
消費者のショッピングジャーニーがオンラインとオフラインを横断するのが当たり前の時代。顧客とのタッチポイントが増加・多様化したことにより、広告のパフォーマンスの評価は困難になっており、多くの企業にとって最適な広告チャネルと投資のバランスを見極めることが、広告戦略を最適化する上での大きな課題となっています。
2. プライバシー規制強化によるターゲティング精度の低下
EUのGDPR(一般データ保護規制)やCCPA(カリフォルニア消費者プライバシー法)など国際的な個人情報保護規制強化に対し、各プラットフォーマーがサードパーティ・データの利用に関してバラバラに対応しているため、多くの企業がデジタル広告戦略の見直しを迫られています。 マクロミルの調査では、「プライバシー規制の強化がメッセージを大規模にパーソナライズすることを妨げている」と回答した企業は全体の58%、ブランド業界に限ってみると約61%に上りました。
こうした課題を解決する新しい広告手法として、世界的に注目を集めているのが「コマースメディア」です。
コマースメディアとは「コマースデータをAIで分析、その結果をもとに消費者に最適な広告を届け、それにより商品やサービスの売り上げを最大化し、収益化するデジタル広告の取り組み」のこと。媒体やプラットフォームを横断して分析したユーザーのデータを基に、より正確にパーソナライズされた広告を最適なタイミングで関連性の高い消費者に配信できるのが大きな特徴です。
日本でもコマースメディアへの関心は年々高まっており、Criteo が2024年11月に日本国内のマーケターを対象に行った「日本マーケターの意識調査」では、回答者の79%が「コマースメディアを知っている」と回答、69%が「コマースメディアを活用する意向がある」と回答しています。
コマースメディアを活用したい理由は?
コマースメディア活用意向を業種別に見ると、最も高かったのは「ブランド」で73%、次いで小売業が68%、代理店が58%でした。
コマースメディアを活用したい理由については、小売業・ブランド・代理店によって異なります。同じく Criteo の調査で、コマースメディア活用意向の理由として小売業で最も多く挙げられたのは「購買データやサイトへの訪問データを活用したターゲティングができるから」、ブランドでは「メディアに沿ったブランドイメージを与えることができるため」、代理店では「購買意欲を示す消費者にリーチできるため」でした。つまり、コマースメディアはデジタル広告に関わるすべてのプレイヤーに一定のメリットが期待できる手法だということができます。
コマースメディアについてさらに詳しく知りたい方は「コマースメディアの時代へ:データ×AIが拓く新たな広告戦略」をダウンロードしてご活用ください。
特集コマースメディア②「リテールメディアとコマースメディア、それぞれの特徴」に続く