顧客理解を深める新しいオーディエンス戦略:Agentic Audiencesのご紹介

2026年2月18日更新

オーディエンス設計の現場には、「お決まりの手順」があります。

複数のモニターを並べ、スプレッドシートや管理画面を行き来しながら、条件を組み合わせていく、そんな光景に心当たりがある方も多いのではないでしょうか。

ブリーフ資料には「ハイキングが好きで環境意識の高いミレニアル世代」と書かれているのに、選べるセグメントは「スポーツ愛好家」か「エコ志向」といった大まかなドロップダウン項目に限られていることもあります。結局、一番近そうと思うセグメントを選ぶことでしょう。深掘りすれば精度は上がると分かっていても、そこに数日かける余裕はありません。

ただ、ここで一度問い直してほしいことは、この「十分それらしい」セグメントは、本当に十分といえるのでしょうか。

貴社(または顧客)の予算を預かる立場で、手探りで判断するのはリスクが高い一方、オーディエンス設計は手作業が多く、粒度も限られ、実際の購買行動から距離があるのが実情です。

そこで Criteo は、オーディエンス設計をより迅速かつ効率的に進められる新たな方法を用意しました。Commerce Growth 向けのAudience Agentと Commerce Grid 向けのAudience Plannerです。

ここでは Commerce Growth 向けの Audience Agent と Commerce Grid 向けの Audience Planner についてご紹介します。

推測から確信へ:オーディエンス設計のギャップを埋める

新しいツールを紹介する前に、なぜ開発に至ったのか、その背景についてご説明します。

これまでは、「購入につながる新規顧客獲得」という目標起点ではなく、「購入者はきっとこの属性に当てはまるだろう」といった仮説で施策を始めがちでした。

このようなターゲット層に関する推測と実際の的確な属性のギャップは、主に次の2つの課題を生みます。

  1. 関連性のない広告はスルーされる:パーソナライズで本当に効果を出すには、表面的な属性ではなく、実際の行動からユーザーを理解することが欠かせません。
  2. 無駄な配信コストが発生しやすい:購入意欲のない層に配信しても、成果には結びつきにくいからです。

それでも従来のワークフローが続いてきた理由は明快で、スピードと確度の間で板挟みになりやすいからです。

  • 手作業の負担:スピードを損なう落とし穴です。セグメント定義、データ整形、タグ付けなどに時間が取られ、本来注力すべき戦略業務が後回しになります。こういった単調な仕事により、大きなインパクトのある戦略的な業務から遠のいてしまいます。
  • デモグラフィック頼みの限界:業務を早く進めるために、年齢や閲覧傾向などの代理指標を購入意向と同一視してしまいがちです(例:25〜34歳=住宅購入層、ラグジュアリーブログ閲覧者=富裕層 など)。

これまでは、仮説ベースで早く進めるか、時間をかけてゆっくり分析するかの二者択一でした。

Agentic Audiences を取り入れれば、どちらかを諦める必要はありません。

AIが複雑な分析を高速に行うことで、推測ではなく目標から施策を組み立てられます。AIが購買につながりやすいユーザー層を自動で抽出するため、迷いの少ない運用が可能になります。

消費者のように思考する AI

Criteo は、従来の仕組みを少しずつ改善するのではなく、別のアプローチを選びました。

Criteo は既に世界最大級のオープンコマース・データセットへの独占的なアクセスを持っています。一方で、膨大なデータから目標達成に役立つセグメントに落とし込むには、これまで煩雑な作業が必要でした。

弊社では、約7.2億人のアクティブユーザーの購買行動を捉え、日用品から家電まで約3,700カテゴリーにまたがる45億の商品SKUを対象に分析しています。さらに、17,000社超の広告主(約4,100ブランド)や200以上のリテールメディア・ネットワークを含む大規模なエコシステムにまたがるデータが含まれています。こうした行動データは、デモグラフィックだけでは捉えきれない、購買のニュアンスまで反映します。そして、重要なのはこの膨大なデータをきちんと使いこなせることです。

Criteo AI Lab のおかげで、エージェント型AIを活用して、オーディエンス設計をより速く、より分かりやすく、そして勘ではなく根拠に基づいて進められるようにしました。 Criteo の Agentic Audiences は数十億のデータをもとに、実行可能なプランに落とし込み、最適なオーディエンス戦略づくりを支えます。

実際にメディアを購入する場所・方法に合わせて、2つの使い方をご用意しています。

パフォーマンス・マーケター向け:Audience Agent

Commerce Growth を活用するブランドマーケター/メディアバイヤーにとって、成果は最優先事項です。購入につながりやすい層を、できるだけ早く見つける必要があります。

Commerce Growth の Audience Agent は、オーディエンス設計における迷いと単純作業を減らすための AI アシスタントです。属性を手作業で選ぶのではなく、文章で伝えるだけで進められます。

ターゲット層が「アウトドア愛好家」の可能性が高いなど、大まかな予測を立てるのではなく、「ハイキングやキャンプ用のリュックを販売するうえで役立つオーディエンスを作成してください」といった目的ベースのプロンプトを入力します。

これまでは、このようなセグメントを構築するには分析や相互参照に20分かかっていたような作業も、 Audience Agent なら数秒で完了します。 Audience Agent は最新のコマースデータを参照し、要望に合致する行動パターンを特定して、目的に沿ったオーディエンスを構築してくれます。

このようなエージェントの役割は、単なるリスト作成にとどまりません。プラットフォームの使い方をサポートする伴走型アドバイザーとしても機能します。

エージェントに「インマーケットと行動データに基づくオーディエンスの違いは?」や「関連性スコアの使い方は?」といった質問をすれば、必要な答えがすぐに得られるため、戦略を練っている際に上司や顧客にも根拠を示すことができます。

また、人の思い込みに左右されないことで、見落としがちな相関関係を明らかにすることがあります。例えば、オーディエンスがあまりにニッチな場合には、Lookalike オーディエンスを活用した拡張を提案することもあります。加えて、従来の常識では想像しにくいものの、高いコンバージョンを促進するカテゴリー間のつながりが浮き彫りになることもあります。

要するに、消費者がこう動くであろうという想定ではなく、消費者による実際の行動に基づいて戦略を立てられるようになります。

Audience Agentは現在、日本をはじめ、世界各地域でご利用いただけます。

Commerce Growth  Audience Agent のデモを見る

代理店のバイヤーおよびキュレーター向け:Audience Planner

次に、サプライサイドの視点です。

Criteo Commerce Grid をお使いの代理店のバイヤーやキュレーターの皆さまは、デマンドサイドのツールを利用している方々と優先順位が異なるかと思います。クリック数よりも、取引のパッケージ化を重視しているでしょう。そのためには、高品質なサプライに加え、具体的なオーディエンス・データを組み合わせて、複雑なRFPに短期間で応える必要があります。

課題になりやすいのが、ブリーフ資料の読み解きです。要件が細かく盛り込まれた3ページのPDFを受け取り、短い納期で分かりやすいメディアプランに整理する必要が生じることもあります。

こうした場面でも、 Commerce Grid の Audience Planner があれば安心して対応できます。

要求がびっしり書かれたPDFのブリーフ資料を直接ツールにアップロードできます。AIが文章を解析して目的を抽出し、サプライパッケージに最適なコマースセグメントを提案します。さらに、取引の想定リーチや潜在的な支出も即座に予測します。

これにより、PMP取引の形へとまとめ上げるまでの時間を大幅に短縮できます。

Audience Plannerがあれば、豊富で正確なデータに基づいて、RFP対応の幅を広げられます。また、文脈によって意味が異なるあいまいなキーワードではなく、実際の購買意欲に基づいて高度にカスタマイズされたサプライ取引を構築できます。

結果として、スプレッドシートに向き合う時間を減らし、バイヤーにとって魅力的な取引条件の整備に時間を費やせます。

Audience Plannerは現在、日本、米国、英国、ドイツ、イタリア、スペイン、フランス、韓国で利用可能で、2026年より順次、提供地域を拡大する予定です。

単調な作業と手探りの運用に終止符を打ち、戦略に集中できる毎日へ

Agentic Audiences は、ストラテジストの仕事を置き換えるためのものではありません。むしろ、オーディエンス設計に伴う雑務からストラテジストを解放し、戦略的な業務に集中できる環境を提供しています。

単純作業が減れば、クリエイティブの検討や競合獲得、中長期の成長戦略にこれまで以上に時間を費やせます。

感覚に任せる必要はもうありません。オーディエンスは、実際の取引データや AI を活用した商品レコメンドに関する20年の専門知識をもとに構築されています。

Agentic Audiencesを使って、オーディエンス設計を「推測に頼る」状態から「確信を持てる」状態へ切り替えませんか。

デモのご依頼・ご相談は、Criteo の担当チームまでご連絡ください。現状の課題を伺ったうえで、最適な導入・運用プランをご案内します。コマース AI ソリューションの詳細もぜひご確認ください。

ロブ・テイラー

晴れの日が少ないイギリス、ロンドンを拠点に活躍する Criteo のグローバル・コンテンツ・マネージャー、ロブをご紹介します。 アドテック業界に11年携わり、SEM ...

グローバルコンテンツ マネージャー