新生活といえば、家電や家具など“モノ”の需要を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかしデータを見ると、春にはもう一つの需要が高まっています。それが「自己投資」です。
新年度という節目は、多くの人にとってリスタートのタイミングです。環境が変わるからこそ、自分自身を変えたいという気持ちが学びやスキルアップへの行動として表れています。
Criteo では、日本国内300以上のブランドおよびリテーラーの購買データと1,000名以上を対象とした消費者調査をもとに「新生活」に関するトレンドレポートを作成しました。本シリーズでは、その分析から見えてきた動向を皆様にお届けします。
第二弾では、自己投資の中でも、知識・能力への投資に焦点を当てます!
春に立ち上がるリスキリング需要
新年度に向けて約半数(49%)が「新しい教育プログラムを開始する予定」と回答していることから、春にリスキリングの動きが活発になることがうかがえます。内訳を見ると、ビジネススキル(14%)、その次に金融スキル(13%)、語学(12%)、そして専門教育(10%)と続いており、実用性の高い分野が上位を占めています。これらはキャリアや収入に直結しやすい領域であり、自己投資の目的が単なる興味関心ではなく、将来の可能性を広げるための実践的な学びへ向かっていることが読み取れます。
リスキリングが注目されている背景には、物価高騰による家計意識の変化に加え、 AI の普及によって学び直しがより身近になっていることが考えられます。
オンライン学習が主流に
Criteo の消費者調査によると、新年度に開始予定の教育プログラムについて、希望する学習形式を尋ねたところ、オンライン(53%)が最も支持を集めました。これは、日本のリスキリング市場がすでにデジタル前提へ移行していることを示しています。次いでハイブリッド型(26%)、対面(21%)となっています。
仕事や家庭と両立するには、いつでも・どこでも学べる柔軟性が求められるため、オンライン学習はスキマ時間を活用しやすい形式として選ばれているとみられます。 さらに、オンライン学習は受講までのハードルが比較的低く、興味を持ったタイミングで学びを始めやすい点も特徴です。こうした利便性が、学び直しの裾野を広げていると考えられます。
すでに動いている自己投資層
さらに注目すべきなのは、約30%の人がすでに教育プログラムに毎月投資していると回答している点です。つまり、継続的に学習へ投資している層が一定規模で存在しており、春には新年度を機に学習を検討する層が加わることで、需要がさらに拡大します。
月額の支出は1万円未満(11%)が最多で、次いで1万円〜2万9,999円未満(8%)、3万円〜5万円(5%)、5万円以上(3%)と続いています。高額帯は限定的で、比較的始めやすい金額帯から学習を始めている層が多いことが分かります。これは教育市場が一時的なブームではなく、継続的な支出領域として確立しつつあることを示しています。
マーケティング設計に求められる視点
本調査のデータが示しているのは、「新生活」のタイミングで自己投資への関心が高まりやすいことです。マーケターにとって重要なのは需要が立ち上がる前後で、生活者がどのように情報収集し、比較し、意思決定していくのかを前提にキャンペーン設計をすることです。
特にリスキリング領域では、学習形式・価格帯・時間の柔軟性など、検討時に比較されやすい要素をあらかじめ整理し、広告・ランディングページ・クリエイティブの中で一貫して伝えることが欠かせません。判断材料が整理されているブランドほど、検討対象として選ばれ続けやすくなります。
また、新年度に向けたキャンペーンは単発の接触で終わらせず、認知から比較、申込までのプロセスに合わせて接点を積み重ねていくことが重要です。春は新しい挑戦を考える人が増える季節であり、そのタイミングでいかに早く接点を持てるかが成果に影響します。
本調査の結果から、「新生活」の時期はモノの準備だけでなく、次の自分に向けた準備も動く季節であることが見えてきました。
今回はその一部をご紹介しましたが、 Criteo の「新生活」に関するレポートでは金融や不動産などの他領域の動向まで網羅しています。フルレポートはこちらからご覧ください!



