コロナ禍で続々登場!「おひとりさま」サービス&アイテムをチェック

コロナ禍で大人数での会食や旅行を控えざるを得ない状況が続く中、「おひとりさま」にターゲットを絞ったサービスやアイテムが続々と登場しています。「自粛生活にも潤いが欲しい!美味しいものが食べたい!」というニーズに応える各業界の事例をいくつかご紹介するとともに、おひとりさま向けサービス増加の背景について考察しました。

① 自分に合わせてカスタマイズも可能~サウナおひとりさま貸切プラン

café utataneのサウナおひとりさま貸切プラン 出典:株式会社温泉道場プレスリリース

今、ビジネスパーソンの間で人気のサウナにも「おひとりさま」用のサービスが登場しています。このうち、株式会社温泉道場が運営する「おふろcafe utatane」(埼玉県さいたま市)では、2021年8月から、木のぬくもりを感じられる樽型の蒸気浴室「バレルサウナ」を独り占めできる、おひとりさま専用貸し切りプラン(100分、税込3700円)の提供をスタート。単に一人で利用できるだけでなく、自由に温度・湿度や香り(20種類のアロマオイルから好きな香りを3つセレクト可能)を設定して、自分好みにカスタマイズした状態でサウナを利用できるのが特徴です。一般のサウナでは周囲への遠慮もあってやりづらいストレッチをしたり、寝ころびながらの利用もOKなのだとか。感染症への不安からサウナの利用を控えていた人からのニーズも期待できそうですね。

詳細は、おふろcafé utataneのホームページで確認できます。

② おうちアイテムもおひとりさま用が好調!B5サイズの焼き肉プレートも!

自粛生活が続いて自宅で一人で過ごす時間が増えた人をターゲットにしたアイテムも、次々に登場しています。

たとえば、誰かと一緒に食べるイメージが強い焼き肉が1人で手軽に楽しめる、その名も「おひとりさま焼き肉プレート」(株式会社サンコー、3680円税込)は、ほぼB5サイズのコンパクトさが売り。これなら後始末や収納も楽で、一人暮らしでも負担なく使うことができそうです。

B5サイズのおひとりさま焼き肉プレート 出典:株式会社サンコーホームページ

③ 1人グルメが新定番に~Ozmall、「おひりとりさま貸切DAY」を開催

おひとりさま貸切DAYで利用できるレストランの料理例 出典:Ozmallプレスリリース

高級ホテル・レストランなどの厳選プランがWEB予約できるサービスを展開するOzmallでは、コロナの感染拡大が本格化した2020年3月以降、1名での予約が2倍以上に急増。「おひとりさま」でのレストラン利用が増えていることを受けて、2021年6月に高級レストランをひとり客のみで貸切る「おひとりさま貸切DAYプラン」をリリースしたところ、好評だったことから、9月以降、新定番プランとして継続販売することを決めました。

同プランを利用できるのは「おひとりさま」だけ。プランで利用するお店は月替わりで、Ozmallが厳選した人気店ばかり。店内では同プラン利用の「おひとりさま」だけの空間が用意されるため、グループ客と同じ空間で飲食をするリスクを避けられるようになっています。

ちなみに9月と10月はアフターヌーンティー、焼き肉、ビュッフェのおひとりさま貸切DAYプランを発売予定。いずれも、普段一人では行きづらいジャンルだけに、コロナ対策とは関係なく「行きたい!」という人、多そうですね。

プランの詳細はOzmallで確認できます。

④ クリスマスも「おひとりさま」で!リーガロイヤルホテル東京のクリスマス ステイプラン

ホテルのクリスマス ステイプランというとカップルや女子会、もしくは子連れファミリーでの利用を思い浮かべてしまいがちですが、リーガロイヤルホテル東京(東京・早稲田)では、2021年のクリスマスシーズン、おひとりさまをターゲットに限定したプランを打ち出しています。同プランは男性編と女性編の2タイプあり、それぞれ「自分へのごほうび」がコンセプト。

男性編はツイン、ダブルまたはジュニアスイートの宿泊(1泊朝食付)にプール・サウナ・ジムの1回ご利用券と、オードブルとワインをルームサービスで楽しめる特典付き。女性編は同じくツイン、ダブルまたはジュニアスイートの宿泊(1泊、ルームサービスの朝食付)にアフターヌーンティー、ボディまたはフェイシャルのエステが付く特別プランです。料金は男性が2万2100円(税・サ込)~、女性が3万7500円(同)~。おそらく今年も忘年会やクリスマスパーティも開催されず、帰省も難しいと思われる年末年始、ちょっぴり贅沢な自分へのご褒美をホテルでゆったり味わうのも良いかもしれません。

自分編へのご褒美~女性編で利用できるエステルーム 出典:リーガロイヤルホテル東京プレスリリース

自分へのご褒美~男性編で利用できるプール 出典:リーガロイヤルホテル東京プレスリリース

おひとりさま需要の取り込み、サービス業の生き残りに不可欠

このように各業界が、おひとりさま需要の取り込みに力を入れている背景にあるのは、「コロナ禍による1人時間の増加」だけではありません。

厚生労働省の国民生活基礎調査(2019年)によると、日本の全世帯のうち単身世帯が占める割合は、28.8%と過去最高に。18.2%だった1986年に比べると10%以上も伸びています。この傾向は今後も続くと見られており、国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2025年の単身世帯(1人暮らし)は、1996万世帯になり、総人口に占める1人暮らしの割合は16%、つまり「6人に1人強が1人暮らし」という状況になるとみられています。1人暮らしのいわゆる「おひとりさま」が存在感を増していく中、特に飲食や旅行などのサービス業界では、おひとりさまのニーズに応えられない体制では、需要を大きく取り逃がしてしまうおそれがあります。