新型コロナウイルスの感染拡大による食生活の変化を受け、今、家庭用冷凍食品市場が大きく伸びています。

一般社団法人日本冷凍食品協会の調査よると、2020年の家庭用冷凍食品の国内生産量は77万1,265 トン(前年比111.4%)、生産額は 3,749 億円(前年比118.5%)と大幅に増加し、いずれも調査開始以来最高値を記録しました。

背景にあるのは、コロナ禍による外出&外食自粛の影響で、家で食事をする機会が増えたこと。冷凍庫で長期間ストックでき、調理も簡単な冷凍食品はリモートワークやリモート学習中のランチや軽食として重宝され、一気に需要を増やしました。日本冷凍食品協会によると、生産量が大きく増えたのはスパゲッティやうどん、グラタン、餃子やチャーハンなど「食事」として家庭で食べられる冷凍食品でした。

こうした冷凍食品の需要増を受け、様々な企業が冷凍食品市場に参入しています。特に、コロナ禍による売り上げ減少が著しい飲食業界では、店舗での飲食による売り上げ減少を補う事業として冷凍食品事業に参入する例が相次ぎ、ファミレス大手のサイゼリヤやロイヤルホールディングスでも独自商品を開発、店頭、ECサイトでの販売に力を入れています。

ロイヤルホストの味を家庭で楽しめる「ロイヤルデリ」

ロイヤルデリ「ヴェネチア風シーフード」と盛り付け例

このうち、2019年12月から本格参入したロイヤルホールディングスが手掛けるのは、家庭でもレストラン品質の味を楽しめるフローズンミール「ロイヤルデリ」。

自社のセントラルキッチンで作った料理を急速冷凍、レンジで温めるだけで本格的な料理を家庭で楽しめるのが醍醐味です。パスタやグラタン、カレーなどの単品料理のほかに、いろいろな味が楽しめる食べ比べセット、敬老の日など季節のイベントをテーマにしたセットなど幅広いメニューを取り揃え、ロイヤルホストの店頭や専用ECサイトで販売しています。

ロイヤルデリではセット販売も 出典:ロイヤルホールディングスプレスリリース

無印良品はカット野菜とミールキットを発売

無印良品のカット野菜(左)とミールキット

すでに冷凍食品販売を手掛けていた無印良品では、コロナ禍による冷凍食品需要の増加を受け、商品の拡充・刷新に取り組んでいます。2021年5月には新たにカット野菜やミールキットなど25アイテムを新発売し、2018年に約50種類だった冷凍食品のラインアップは90種類にまで増えています。

冷凍野菜は「手間がかかる」(生で買うと不便なもの)、「彩り」(少しだけほしい)、 「万能」(使いやすい)の3つをコンセプトに開発、手軽に使えて、料理を彩りよく仕上げる「カット野菜」は、少しだけ使いたいときに便利、時間のかかる下ごしらえ(皮むき、みじん切り)ができているのが特長です。

また、ミールキットは「一人前が手間なく作れる」(具材を切ったり、事前解凍したりする手間が不要)、 「フライパンだけで10分以内で作れる」(すべて3工程)、 「材料はすべて一袋に」の3つがコンセプト。キットには肉と野菜または魚介類と野菜のセットでソースもついているので、フライパンさえあれば調味料要らずで1品、作れてしまいますね。材料のカットや味付けが必要ないので、料理に慣れていない人でも気軽に「手作り」気分を味わえそうです。

出典:無印良品プレスリリース

フードロスの削減にも。広がる冷凍食品の可能性

しかし、冷凍食品市場に注目が集まっている理由は、単に「便利」だからではありません。冷凍食品は社会問題となっているフードロスを解決する食の楽しみ方としても、大きな可能性を秘めています。たとえば旬の時期に生産過剰になってしまった野菜も冷凍すれば無駄なく活用することができますし、食べきれなかった食品も冷凍すれば長期間保存でき、好きな時に解凍して食べることができます。

2021年9月には、冷凍食品の可能性に着目した企業11社が共同で、冷凍品の新価値を創造・発信するためのコンソーシアム「フローズンエコノミーラボ」を設立しました。フローズンエコノミーラボでは次の3つのミッションを掲げ、普及活動を実施していくこととしています。

① 食品の冷凍に関する正しい認知の拡大

食品のおいしさを保つための最適な保存手段の1つが冷凍であることを伝える

② 冷凍された食品が流通しやすい環境づくり

家庭や生活圏における施設での冷凍保存スペースの拡大や、流通コストなどの課題解決

③ 冷凍=フードロス削減の認知の拡大

冷凍により、保存期間や販売手法に変化をもたらすことで、社会課題であるフードロス削減に貢献できることを伝える

コンソーシアムでは、これら3つのミッションを成し遂げることによって、ともすれば、「手抜き」「美味しくない」と敬遠されがちな冷凍食品のマイナスイメージを払拭し、フードロス削減などサステナブルな暮らしに繋がるイメージの訴求を目指すこととしています。

美味しい食事を手軽に楽しめるという直接的なメリットだけでなく、フードロスの削減という社会的メリットの両方を実現できる冷凍食品。コロナ禍によって生まれた需要増をきっかけに、私たちの生活の中でますます存在感を増していくことは間違いなさそうです。

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