Uber Japan×コカ・コーラ ボトラーズジャパン×Criteo、 担当者が語る「リテールメディア」の魅力、課題と今後の展望 【登壇報告】 Retail Media Summit 2025 – DAY 2

2025年10月16日更新

去る2025年10月8日・9日の2日間、日本最大規模のリテールメディアイベント「Retail Media Summit 2025」が開催され、Criteoからは社員2名がスピーカーとして登壇しました。本ブログでは2日目に行われたCriteo、Uber Japan、コカ・コーラ ボトラーズジャパンによるトークセッションの概要をご紹介します。

左から CRITEO 松尾、コカ・コーラ ボトラーズジャパン 井上氏、Uber Japan 村田氏

トークセッションには、Uber Japanの村田和紀氏、コカ・コーラ ボトラーズジャパンの井上茂太氏、そしてCriteoの松尾友直が登壇、「リテールメディアの進化と未来 ~リテーラー・メーカー・プラットフォームの視点から~」をテーマに意見交換を行いました。

ROAS 3,750%を達成!Uber Japan×コカ・コーラのリテールメディア広告

今回のセッションで取り上げられたのは、Uber Japanとコカ・コーラ ボトラーズジャパンがCriteoのリテールメディア・ソリューションを活用して2025年夏に展開した、統合キャンペーンです。同キャンペーンは夏の最盛期に売上最大化を目標に行われ、Uber Eatsのプラットフォーム上でショッパブルディスプレイ広告とスポンサードアイテム広告、オファー(値引き)を展開、以下のとおり、期待以上の成果を実現しました。

  • ショッパブルディスプレイ  ROAS 3,750%
  • スポンサードアイテム    ROAS 1,370%
  • オファー          +23.4%

Uberの村田氏は、同社のプラットフォームが高い広告効果を上げた理由について次のように説明しました。
「Uberのアプリは、ユーザーが『今すぐ食べたい・ほしい』という強い購買意欲を持つタイミングで開かれます。アプリを開いてから実際に購入に至るまでの平均時間はわずか3〜6分。そのうち約7割のユーザーは、開いた時点で何を注文するかまだ決めていません。この意思決定直前の瞬間にリテールメディア広告を届けられることが、高いターゲティング効果につながったと考えています」。

また、コカ・コーラ ボトラーズの井上氏は、今回の結果を以下のように評価しています。

「キャンペーン期間が真夏ということもあり、もともとドリンク類の需要が高まる時期ではありましたが、正直、ここまでの成果は予想していませんでした。Uberさんが持つ圧倒的なタッチポイントの規模と、多彩なコンテンツ力があってこそ実現できた結果だと思います。今回の取り組みを通じて、リテールメディアの持つポテンシャルの大きさを改めて実感しました」。

リテールメディア戦略は長期的視点で

また、今回の結果を受けて井上氏は、リテールメディア活用の課題として「ターゲティングの精度」と「継続的な取り組み」の2点を挙げました。

「広告を届けるべきは、すでにコカ・コーラを購入している人ではなく、まだ手に取っていない人たちです。全員に広告を配信するよりも、購買の可能性がある層に的を絞ることで、投資効率を高めることができます」と井上氏。

さらに今後に向けては、短期的な成果にとらわれず、長期的な視点でブランド価値を浸透させていく姿勢が重要だと強調します。

「日本では、アメリカに比べてコカ・コーラを飲む人の割合が低いという現実があります。それを変えていくには、一度の広告施策で行動を変えようとするのではなく、継続的なコミュニケーションを積み重ねることが欠かせません。単発のキャンペーンで一喜一憂するのではなく、長期的なパートナーシップのもとで取り組むことが大切だと考えています」。その上で、今後の展望については、「Uberさんとは、JBP(Joint Business Plan)という正式なパートナーシップの枠組みを設けています。これは『来年も頑張りましょう』というような抽象的なものではなく、来期の事業計画を両社で具体的に策定する取り組みです。たとえばマーケティングカレンダーをもとに、どの時期にどのようなキャンペーンや広告施策を展開するかを年内にすり合わせ、会社間で正式に合意します。こうした体制を取ることで、短期的な事情に左右されず、長期的な視点で安定的にビジネスを推進できる点が大きなメリットだと考えています」。

リテーラー、メーカー、プラットフォーマの三者一丸で、さらなるリテールメディア市場の成長を

一方、Uberの村田氏は、今後の課題として「市場理解の促進」を挙げます。
「ECの初期段階と同じように、クイックコマースも今後テクノロジーの進化とともに確実に拡大していく領域です。Uberとしてもすでに複数の取り組みを進めており、今後はリテーラー、メーカー、ソリューションパートナーの皆さまと連携しながら市場の成長を共に牽引していきたいと考えています。クイックコマースは、生活者の“今すぐ欲しい”というニーズに応える新たなライフスタイルインフラになりつつあります。メーカーには消費者との接点拡大の機会を、リテーラーには新しい収益源を提供できる可能性があると感じています。」

両社のコメントを受けて、今回、同キャンペーンでリテールメディア・ソリューションを提供・運営したCriteoの松尾は「リテールメディアは、単なる広告の新しい枠ではなく、消費者の“買いたい瞬間”にブランドが自然に寄り添うための重要な接点だと考えています。Criteoとしては、パートナー企業の皆さまとともに、より精緻なターゲティングと継続的なブランド育成の両立を支援し、消費者にとって価値ある購買体験を創り出していきたいと考えています」と述べ、トークセッションを締めくくりました。

Criteoでは過去10年以上にわたるグローバルでのリテールメディアに関する知見や、AIに基づいた高度なテクノロジー、そして豊富な消費者関連データを生かして、皆様のリテールメディア戦略を成功に導きます。

今回のトークセッションの詳細やCriteoのリテールメディア・ソリューションについてご興味のある方は、以下のフォームからお気軽にお問い合わせください。担当者より折り返しご連絡いたします。新規のお問い合わせ | Criteo