このほど、Catalyst と Kantar は共同で「Eコマースとリテールメディアにおけるブランドと広告主のママーケティング活動」を探る包括的な調査を実施、その結果をまとめたレポートを公開しました。この調査レポート「Eコマースの現状2021」オンラインショッピングの購入者と業界プロフェッショナルを対象とする広範なレポートで、全38ページにわたって興味深いデータポイントやインサイトが数多く取り上げられています。今回は、その中で Criteo が特に注目したリテールメディアに関する4つの発見についてご紹介したいと思います。

消費者のショッピングジャーニー全体でカギを握るのは、小売業者のウェブサイトとアプリ

Kantar のレポートでは、消費者が購入を検討する上で重要なカギを握るのが、小売業者のウェブサイトとアプリであることが明らかになりました。実際、本レポートによると、オンラインで購入に至る消費者は、検索やソーシャルを含む他のどのタッチポイントよりも、小売業者のウェブサイトやアプリを訪れる割合が高く(37%)なっています。

また、以下のグラフからも単に商品や価格の比較にとどまらないことがわかります。つまり、小売業者のウェブサイトやアプリは、商品のリサーチを開始してから新しい商品やブランドと出会う段階で重要な役割を担っているということです。

Consumer journey across leading sites

この調査に参加した Criteo の Sherry Smith(南北アメリカ地域担当リテールメディア管理ディレクター)は、次のように説明しています。「オンライン購入の過程において、小売業者のサイトが重要であるのは当然のことです。また、オンラインで商品をリサーチして実店舗で取引を完了させる消費者が、かなりの割合を占めていることも忘れてはなりません。小売業者には、最大のメディア資産ともいえるデジタルオーディエンスが存在します。つまり、ブランドは小売業者のサイトに広告を配信すれば、購買意欲の高い消費者にリーチすることができるということです。そして消費者は、自宅への配送やクリック&コレクト、実店舗での受け取りなどのオプションを選択することができます」

「ブランドは小売業者を、小売業者はブランドを必要としている」

コラボレーションを求めるニーズの高まりも、このレポートで注目すべきポイントです。調査では、複数のEコマースの専門家が「ブランドと小売業者はもっと理解を深め、データと指標を共有すべきだ」と指摘しています。

レポートでは、ブランドが小売パートナーとの連携強化を求めていることが強調されています。「Criteo と取引のあるブランドと小売業者は、協力関係を強めてもっとスムーズに連携できる方法はないかと考えています。ブランドが必要としているのは、異なるタイプのメディア購入に利用している複数のプラットフォームを連動できるツールや、主要な小売パートナー間でリテールメディアの実行を効率化できる機能です」と Smith は言います。この期待に応えるため、小売企業は、広告構築、ターゲティング最適化、パフォーマンス測定のための高度なツールを提供でき、かつ業界標準の広告フォーマットとレポーティング機能を備えたリテールメディアエコシステムを構築できる、優れたテクノロジーパートナーを求めるようになっています」

ブランドが小売業者とのパートナーシップを通じて得られる機会については、「パフォーマンスの追跡、測定、レポートの出力と分析」、「オンラインの買い物客に関するインサイト」、「スポンサードプロダクト」が上位3つに挙げられています。

biggest opportunity for partnering with ecommerce retailers

広告費用対効果(ROAS)に限らず、幅広い指標を検討 

このレポートによると、多くのマーケターが基本的に成果の測定をROASに依存しがちであると認めていますが、ROASのみで全体像を把握できるわけではありません。  GSKのコマースマーケティング担当ディレクターを務める Steve Kinsey氏は、次のように述べています。「ROASはまだ処理されていない不完全なデータポイントです。算出しやすい数値だからという理由でROASに着目し、測定・監視してはいますが、判断を誤らせる可能性も決して低くはありません」このレポートでインタビューに回答した複数のプロフェッショナルは、他の指標も幅広く検討し、パフォーマンスをより包括的に捉えるべきだと勧告しています。

リテールメディアを背後で支える本質的な価値の1つは、根拠に基づいて成果を評価できるアカウンタビリティにありますが、標準的なメディア指標以上の役割を期待するブランドが増えています。ブランドが洗練されるにつれ、売上やROASだけでなく、顧客生涯価値(CLV)などの指標も把握したいと考えるようになっているようです。また、先見性のあるブランドはカテゴリー単位のシェア率や、シェアオブボイス(SOV)といった指標にもフォーカスしています。 

「推進力重視のマインドセット」への注力

またこのレポートでは、Eコマースのプロフェッショナルが採り入れるべき「推進力重視のマインドセット」も強調されています。概ね意見が一致しているのは、変化の激しい業界において「戦略を完璧に仕上げている時間はない」ということです。完璧になるまで待っていては、勢いが衰え、進行が遅れてしまいます。

Eコマースのプロフェッショナルにとっては、完璧な戦略を仕上げることよりも、継続的にテストを行い、失敗から学習しながら俊敏性を維持していくことが重要です。その好例がブランドによる直販(DTC)モデルの試行です。DTCのメリットは大きいですが、このレポートでも指摘されているとおり、注意が必要な側面もあり、実際、DTC計画の撤回や変更を繰り返しているブランドもあります。製紙会社ジョージア=パシフィックのブランド構築リーダーを務めるRicky Busby氏は、「早い段階からDTCモデルを採り入れた企業は、現在実店舗で販売するようになっています。というのも、オンラインで販売できる量には限界があるからです」と述べています。またBusby氏は、成長と収益の限界を踏まえて、ある種のハイブリッドモデルを選択するブランドが多くなるのではないかと予測しています。

確かにブランドは今後も小売パートナーに依存し続けるでしょう。そして、まだ成熟していないリテールメディア領域では、テスト・学習のアプローチが特に喫緊の課題となっています。サードパーティークッキーは今後段階的に廃止されますが、リテールメディアはこれらの追跡メカニズムに依存することなく、価値あるオーディエンスのセグメントにリーチするチャンスをブランドに提供します。メディアを活用して進化するブランドは、未来のEコマースで有利なポジションを得られるでしょう。

レポートは次のようにまとめています。新たなプラットフォームやサービスという未知の領域を進むのは容易なことではありませんが、長い目で見れば、その経験を通じて持続的な競争優位を生む洞察や学習、専門知識を身に付けることができます」

Kantar「Eコマースの現状レポート2021」にアクセスする


※この記事は英語版ブログ掲載の「Kantar’s State of Ecommerce 2021 Report: 4 Retail Media Insights to Know」をもとに、日本語版グログ編集チームが翻訳、編集しました。

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