去る2025年10月8日・9日の2日間、日本最大規模のリテールメディアイベント「Retail Media Summit 2025」が開催され、Criteoはプラチナスポンサーを務めるとともに、社員2名がスピーカーとして登壇しました。本ブログでは、初日に行われたCRITEO株式会社日本リテールメディア事業責任者 牧野臨太郎による講演の概要をご紹介します。

リテールメディアサミットは、小売・流通・メーカー・広告業界のキーパーソンが一堂に会し、リテールメディアの最新動向や事例、今後の可能性について議論する国内最大級のイベントです。昨年に続き2回目となる今年は2025年10月8日・9日の2日間、ベルサール新宿グランドにて開催され、昨年を大きく上回る約5,000人が参加登録。業界を代表する企業が数多く登壇し、リテールメディアの最前線を共有しました。
初日8日には、CRITEO株式会社で日本におけるリテールメディア事業の責任者を務める牧野臨太郎が登壇し、「データドリブンなリテールメディアが拓く新たな消費者体験 ~消費者との心地よい接点を創る、広告を超えたデータドリブンなアプローチ~」と題して講演を行いました。講演の概要をかいつまんでご紹介します。
Criteoとリテールメディア
リテールメディアには、様々な定義がありますが、Criteoではリテールメディア=「小売業が保有するデータと接点を最大限に活用し、消費者に快適なショッピング体験を提供しながら、小売業者とブランド双方の売上を伸ばす広告・販促の仕組み」と捉えています。
Criteoは10年以上前からリテールメディアの可能性にいち早く着目し、事業として継続的に取り組んできました。現在では、膨大な消費者データと高度なAI技術を強みに、独自のリテールメディア・ソリューションを展開。世界22か国で225社を超える大手リテーラーにサービスを提供し、リテールメディアを通じて企業のビジネス成長を支えてきました。
リテールメディア参入を阻む、デジタル広告の課題とは?
Amazonやウォルマートといった大手リテーラーがリテールメディアで大きな成功を収めたことを機に、世界的に注目が高まっているリテールメディアですが、デジタル広告が抱える課題への懸念から、参入を躊躇するリテーラーも少なくありません。
【デジタル広告の主な課題】
- 広告疲れ(何度も同じ広告が出てくることによるユーザーのネガティブな反応)
- ブランドセーフティの低下(不適切なコンテキストでの広告表示)
- MFA(Made For Ad:広告収益のために作られた低品質なウェブサイト)
- IVT(Invalid Traffic:ボットなどによる不正トラフィック)
リテーラーの本業は広告業ではなく、あくまでも小売業です。したがって、リテールメディアによる新たな収入源(広告収入)に期待しつつも、リテールメディアへの参入については「自社のホームページやECサイトを広告だらけのページにしたくない」、「顧客体験を悪化させたくない」、「ユーザーに合う商品を適切に提案できないのではないか」という懸念を抱いています。
しかし、適切な運用をすれば、リテールメディアは顧客のショッピング体験を大きく向上させ、結果としてリテーラーにもブランドにも大きなメリットをもたらす広告手法です。では、リテールメディアの効果を最大限に生かすにはどうすればいいのか。この問いの答えを探るためのヒントとして、Criteoが最近行ったオンラインショッピングに関する調査結果をご紹介しましょう。

なぜ、オンラインショッピングは楽しくなくなったのか?
Criteoが世界中で6,000名以上を対象に行ったサーベイでは、回答者の86%が「オンラインショッピングはエキサイティングではない」と回答、30%が「オンラインショッピングには思いがけない発見がない」と回答しました。また、71%が「五感を活用した経験や体験のために実店舗でショッピングする」と回答、50%が「オンラインショッピングは便利だから利用する」と回答、実店舗とオンラインではショッピングの目的そのものに大きな違いがあることも明らかになりました。つまり、消費者にとってオンラインショッピングは、残念なことに、どんどん無味乾燥な効率重視のものになってきつつあるのです。
なぜ、オンラインショッピングがつまらなくなってしまったのか。
Criteoは、その理由の一つはオンラインショッピングが「消費者の求める新しい商品との出会い・発見の場」となっていないからだと考えています。そして、この状況を打破するためのソリューションこそが、リテールメディアなのです。リテールメディアがリテーラーのファーストパーティ・データを活用して消費者体験を改善し、適切なタッチポイントでレコメンドすることで、あたかも実店舗での優秀な店員のようにユーザーの興味を推測し、適切な商品をレコメンドすることで、オンラインでも実店舗と変わらない、あるいはそれ以上に楽しくて快適なショッピング体験を提供できます。
消費者、リテーラー、ブランドの3者にメリットをもたらすリテールメディア
実際、Criteoが行った調査では、40%以上の消費者が広告経由で新しいブランドや商品を発見しており、Criteoのレコメンデーションによるコンバージョンの50%以上が、ユーザーが以前見ていなかった商品によるものだということが示されました。また、広告を見たユーザーは広告されたブランドの他の商品も購入する「ハロー効果」が確認できたほか、広告をクリックしたユーザーは2.2倍以上の確率でサイトを再訪問して複数回購入するという結果も得られました。
【リテールメディアのメリット】
- 消費者:自分の好みに合った、新しい商品やブランドと最適なタイミングで出会うことができる
- リテーラー:ショッピングの楽しさをオンラインでも提供できる。実店舗の優秀な店員のように、ユーザー好みの商品をレコメンドし、購買を強力に後押しできる
- ブランド:信頼性の高いメディア上でマーケティングを展開できるため、顧客トレンドを把握しながら効果的な広告配信が可能。ユーザーが信頼して利用しているリテーラーのメディアという安心感がある。また、ファーストパーティ・データを活用することで、顧客動向や市場シェアといった貴重な情報をメーカーに提供し、戦略的な意思決定を支援できる。
Criteoとともに、「For the love of commerce ~コマースに愛を」
Criteoはリテールメディアを活用して、リテーラーとブランドをサポートし、オンラインショッピングを再びエキサイティングで楽しいものにしていきたいと考えています。その決意を象徴するものとして、Criteoではこのほど、新タグライン 「For the love of commerce」 を掲げました。消費者、リテーラー、ブランドのすべてに向けて価値あるコマース体験を届けることを使命とし、Criteoはデータドリブンなリテールメディアを通じて、オンラインショッピングをより魅力的で発見に満ちたものに進化させていきます。

今回の講演の詳細、Criteoのリテールメディア・ソリューションについてご興味のある方は、以下のフォームからお気軽にお問い合わせください。担当者より折り返しご連絡いたします。新規のお問い合わせ | Criteo




