日本人の3人に1人が旅行関連のロイヤルティプログラムに加入
みなさんは、旅行商品やチケットの購入、ホテルの予約をする際に何を重視していますか?価格比較サイトを参考に一番安いプランやサービスが充実しているプランを選ぶ人も多いことでしょう。しかし、その価格やサービス内容だけを比べると、特別なバーゲン企画でもない限り、どのプランも似たりよったりで甲乙がつけがたい場合も多いものです。そんなとき、購入の決め手になるのが「ロイヤルティプログラム」です。特定の航空会社や旅行会社の会員になっていれば、商品やサービスの購入ごとにマイレージやポイントの付与、特別割引やサービスといった各種ロイヤルティが与えられるので、それを目当てに特定の会社での購入を決める人も多いはずです。
Criteoが実施した旅行業界に関する調査「Why We Book(予約する理由)」によると、日本は世界的にみても、ロイヤルティプログラムを重視する人が多い傾向にあり、全体71%が「ロイヤルティプログラムのおかげで、その企業 / ブランドへの好感度が高まる」、66%が「ロイヤルティプログラムは、利用する航空会社やホテルのブランドを選ぶ上で決め手となる」と回答しています。
また、ロイヤルティプログラムの加入率についても、お隣の韓国が全体の約19%にとどまっているのに対し、日本は約33%にのぼっています。
Z世代のロイヤルティプログラム利用率は低下傾向に
もっとも、日本においてもすべての世代がロイヤルティプログラムを重視しているかと言うと、決してそうではありません。同じくCriteoの調査では、日本人のロイヤルティプログラムの世代別加入率は次のような結果となりました。
- ベビーブーム&サイレント世代 37%
- X世代 33%
- ミレニアル世代 29%
- Z世代 22%
つまり、年齢層が下がるに従って旅行ロイヤルティの加入率が明らかに下がっていることがわかったのです。さらにZ世代は加入率だけでなく、「ロイヤルティプログラムを満喫している」と答えた人の割合も約40%と、全世代で最低に。しかも、Z世代はロイヤルティプログラムの中途解約率も高く、全体の約60%が「ロイヤルティプログラムを中途解約したことがある」と回答しています。
解約の理由として挙げられたのは、「送られてくるEメールの数が多いから」。Z世代をはじめとした若い世代は、Eメールが送られてくることを好まないため、頻繁にEメールを送ってくる会社やブランドのロイヤルティプログラムは解約されてしまう可能性が高いのです。いずれにせよ、既存のロイヤルティプログラムは、Z世代をはじめとする若者世代にとって、旅行商品を購入する際のリテンションドライバーであるとは言い難いのが現状のようです。
「ユーザーフレンドリー」がロイヤルティ獲得のカギに
とはいえ、Z世代が「旅行嫌い」というわけでは、決してありません。Criteoの調査で「2019年の旅行関連の支出は?」の問に、「増える」と答えた人の割合が最も高かったのが、Z世代でした(全体の約44%)。そう、Z世代はこれからの旅行業界を牽引していく世代。旅行関連企業は、Z世代のロイヤルティを獲得し、エンゲージメントを高める新たな方法を確立すべきときを迎えています。
では、ロイヤルティプログラムを重視しないZ世代を引きつけるには、どのような方策が有効なのでしょうか?Criteoの調査では、その答えのヒントになりうる興味深い結果が得られました。
「航空会社に直接予約する理由」、「ホテルに直接予約する理由」、「OTA(オンライン旅行予約会社)で予約する理由」について、それぞれ聞いたところ、いずれの場合も最も多かった回答は「この方法に慣れ親しんでいるから」と「価格が最も手頃だったから」だったのです。これはつまり、旅行者にとって、「予約方法に慣れていること」は非常に大きな決定要因であり、多くの人は1度購入して満足した旅行業者から購入し続ける、つまりリピーターになりやすい傾向にあることを意味します。したがって、旅行会社がロイヤルティプログラムにかわるリテンションドライバーとして重視すべきは、ユーザーフレンドリーなのです。
まずは既存サービスやサイトについて「予約方法はシンプルか」、「予約やキャンセルは無料で簡単にできるか」、「価格は適正か」「Eメールの回数は適正か?」を見直すことからはじめましょう。それが、Z世代のロイヤルティを獲得する第1歩であると言っても過言ではないはずです。
Criteoによる旅行業界に関する調査「Why We Book」について、詳細を知りたい方は、下記までどうぞお気軽にお問い合わせください。