必要は発明の母

優れたアイデアは、何かを「改善したい」、「生み出したい」というニーズから生まれるものです。

コマースメディアも、デジタル広告の在り方を変えたいというニーズから生まれました。

プライバシー保護を求める声の高まりを受け、デジタル広告業界は今、変革期を迎えています。これは消費者を広告エコシステム内の中心に位置づけるという好ましい変化ではありますが、プライバシー保護と効果的な広告配信の両立は容易ではありません。責任あるアドレサブル広告の在り方を巡ってさまざまな議論がなされており、解決策の1つとして注目されているのが「コマースメディア」です。

コマースメディアは「広告を通じて安全かつシンプルにビジネスの成長を支える」という、マーケターとメディアオーナー双方のニーズを満たします。

同時に、消費者にも好ましく、関連性に優れた広告を提供します。

さらに、商品との出会いやイノベーションの場であり、多様な選択肢が用意されている場でもあるオープンインターネットの発展にも、大いに貢献することができます。

これからのデジタル広告業界で生き残るためには、コマースメディアを正しく理解し、その流れに乗り遅れないようにしなくてはなりません。

ここでは、コマースメディアとは何か、なぜ注目を集めているのか、そして業界が抱える課題解決にどう生かすべきかを検討していきます。

定義:コマースメディアとは、小売業者および非小売業者(フードデリバリー、旅行業界など)の広告主が、オープンインターネット上の小売業者やパブリッシャーを通じて、効果的にオーディエンスとつながり、大規模なコマースデータを駆使して、より快適なショッピング体験を提供し、広告支出を成果に直結できるようにするものです。

コマースメディアを活用すると、マーケターとメディアオーナーはお互いが保有するファーストパーティ・データを相互活用できるようになり、消費者により豊かな体験を提供したり、オンラインとオフラインの購入にかかわるデータをシームレスに計測したりできるようになります。

コマースメディアは、プログラマティック広告とリテールメディアを接続し、小売業者以外の業種でも活用できます。一連の手続きはすべてオープンインターネット上で行われるため、マーケターとメディアオーナーは他社にコントロールをゆだねることなく、全てを自らの手で行うことが可能です。

重要なポイント #1
ファーストパーティ・データに基づくソリューション

さまざまな方法で利用可能な、プライバシーに配慮した大規模なファーストパーティ・データへのアクセスを提供します。

重要なポイント #2
オープンであること

コマースメディアは、コントロールと透明性が確保された場であり、発見とイノベーション、選択の場でもあるオープンインターネット上で、マーケターとメディアオーナーを結びつけます。

重要なポイント #3
インテリジェント

コマース向けに構築された人工知能(AI)による購入データと購入意欲に関する大規模なコマースデータを活用して、次のことを実現します。

  • オーディエンスに関するインサイトの獲得
  • オンライン上でのターゲティング精度の向上
  • 関連性に優れた体験の提供
  • オンライン上のアクティビティを、オンラインと実店舗での成果につなげる
重要なポイント #4
フルファネル対応

商品との出会いから検討、コンバージョン、さらに新規顧客獲得から顧客維持までのプロセス全体を通じて、オーディエンスとエンゲージします。各段階で計測可能な優れた成果が得られるようサポートします。

重要なポイント #5
メディアオーナーにとってのメリットも

コマースメディアは、メディアオーナー(パブリッシャーや小売業者)がファーストパーティ・データや広告在庫を充実させ、広告主向けにパッケージ化するためのツールとしても活用できます。

重要なポイント #6
オーディエンスファースト

マーケターは、すべてのチャネルやデバイス、フォーマットに向けて、価値の高いオーディエンスに的を絞った広告戦略を立てることができます。

重要なポイント #7
関連性の向上

大規模なデータとAIによって関連性を向上させ、より優れたユーザー体験とパフォーマンスを実現します。

重要なポイント #8
測定可能

デジタル施策の効果をしっかりと把握し、認知や検討のためのキャンペーンも含め、すべてのキャンペーンをオンラインと店舗でのKPI(売上、リード、訪問など)につなげます。

重要なポイント #9
アドレサブル

マーケターとメディアオーナーはファーストパーティ・データを接続してマッチングさせ、アドレサブルオーディエンスを構築・拡大・活性化することができます。

コマースデータとは?

商品の購入と購入意欲に関するデータセットのこと。消費者の行動やショッピングジャーニーに関するさまざまなインサイトをもたらし、優れた成果の実現をサポートします。コマースデータには以下に関するデータが含まれます。

  • ページビューおよび商品ビュー
  • カートに追加された商品
  • 購入履歴のある商品(オンラインとオフライン)
  • 広告クリック数
  • URL、コンテクスチュアル・カテゴリー、キーワードなどのパブリッシャーから提供されるコンテクスチュアルデータ
  • カテゴリー、SKU、価格、内容などの商品情報
  • ハッシュ化されたメールや電話番号、訪問者のID(ファーストパーティ・クッキーに保存されたランダムIDなど)などの識別子

大は小を兼ねる

コマースデータセットの規模が大きいほど、より多くのインサイトを得ることができます

ファーストパーティがベスト

継続的なアドレッサビリティや体験のパーソナライゼーションの実現には、ファーストパーティ・データに基づくコマースデータが不可欠です

マーケターにとって、コマースデータはどう役立つのか?

マーケターやメディアオーナーは、顧客が閲覧・購入した商品など、自社領域内でのインタラクションに関するコマースデータを既に保有しています。しかし、より大規模なコマースデータがあれば、さらに豊富な情報を得ることができ、消費者がオープンインターネット上やオフラインで何を探し、購入しているのかを把握することができます。

コマースデータとAIを組み合わせることで、広告の運用効率と効果を高めることが可能です。これによりマーケターには次のようなメリットが期待できます。

自社データだけでは得られない、オーディエンスの全体像を把握できます。消費者の興味・関心、購入意欲のパターンを特定することで、消費者が求めているものについて理解を深め、次に購入しそうな商品を的確に予測できるようになります。
例えば…

コマースデータをもとに4Kテレビとリビング用家具一式を最近購入した消費者を特定し、貴社の高級オーディオシステムの購入を積極的に検討する消費者を見つけます。

特定の商品の購入を積極的に検討する「インマーケットな」オーディエンスを構築します。
例えば…

フォードのトラック愛好家や、トラックに興味を持ちそうな属性にリーチするのではなく、フォードのトラックを今すぐ購入しそうなシグナルを出している消費者にリーチします。

レコメンドすべき商品や、エンゲージメントを最大化できる広告クリエイティブ、また各インプレッションにおける「価値 vs コスト」比に基づいて、入札単価を最適化します。
例えば…

さまざまな広告設定やCPCを提示します。

ビジネスを成長させながら、貴社のブランドや商品に新規顧客の関心を惹き付けることができます。
例えば…

大規模なコマースデータセットをもとに類似オーディエンスを構築し、多くの消費者をサイトに誘引するのに有効なコンテクスチュアル・カテゴリーと分野を設定します。

リアルタイムにパフォーマンスを測定してキャンペーンを最適化できます。
40%
のブランドが、メディアを利用してそれまでは手に入らなかったような顧客に関する豊富なインサイト(パートナーのファーストパーティ・データなど)にアクセスしています。そうして得たインサイトを活用して、関連性に優れたオファーやメッセージを提示し、オンラインと実店舗での販売実績を向上させています。1

 

 

メディアオーナーにとって、コマースデータはどう役立つのか?

メディアオーナーはコマースメディアとAIの活用によって以下を実現し、収益の拡大を図ることができます。

 
ファーストパーティ・データをさらなるインサイトで強化・充実させ、広告主のオーディエンスターゲティングの選択肢を増やすことができます。
例えば…

世界各国で、上位30%の価格帯に支出する家電製品の消費者オーディエンスを特定します。

高価値なコンテンツをユーザー向けにパーソナライズし、より充実したサイト上の体験を提供。これにより、リピーターと収益の拡大を目指します。
例えば…

前の例で特定した家電製品のオーディエンスに、ホームページにあるハイエンドな電子機器を紹介します。

73%
のメディアオーナーは、認知度向上と収益増加を促すためにメディアパフォーマンスを最適化したいと考えています。

 

 

「E」はどこへ?

コマースメディアを、「Eコマースメディア」と呼ばないのはなぜでしょう?

「Eコマース」は、今やオンライン小売と同義語になっています。しかし、「コマース」はオンライン小売業者や一般的な小売業のみを指す言葉ではありません。オックスフォード英語辞典は、「コマース」を「商品およびサービスの売買に関する活動」と定義しています。つまり、コマースメディアは、小売業のみならず旅行、金融、クラシファイド広告(求人、売買、賃貸、募集)など、小売以外のビジネスにも有効だということです。

ここでは、一例として、ヨーロッパ旅行情報収集サイトのコマースメディア活用例をご紹介します:

新規顧客獲得

ヨーロッパ旅行に行く可能性が極めて高い消費者に広告を配信

コンテキスト・シグナルをもとに適切な旅行商品を提示し、エンゲージメントを高める

商品に興味を示した人に、近隣の旅行代理店からの具体的な旅行商品に関する広告を配信

顧客維持

休暇から戻ったばかりの旅行者に、次の目的地についてのアイデアを提案

インタラクティブな広告体験を提示して、過去にオンラインで予約したユーザーとエンゲージしながら、彼らのサイト再訪を促すアプローチをテスト・最適化

ロイヤルティプログラムを提示し、コンバージョンを促進すると同時に顧客生涯価値(CLV)を高める

リテールメディア

小売業者のサイトでスーツケースを閲覧中の買い物客に対し、ヨーロッパツアーの広告でターゲティングする

測定

広告支出を予約と直結させる

コマースはオンラインのみで起こるわけではありません。

実店舗は2019年時点と変わらぬ集客力を維持しています。(Criteo のショッパーストーリー調査より)消費者10人のうち約6人が、時間のあるときに実店舗でショッピングすることを楽しみにしていると回答しています。2 さらに、オンラインから始まった取引が実店舗で完了するケースや、その逆のケースもあります。また、最近ではオンラインとオフラインの取引が同時に行われることも珍しくありません。Criteo の調査では、消費者の半数以上が実店舗内でスマートフォンを使い、その小売業者あるいは競合他社のウェブサイトから商品を購入しています。3 コマースメディアはオンラインでも実店舗でもオーディエンスを最優先に据え、オーディエンスに便利なオムニチャネル・ジャーニーを促しながら、広告支出を成果へとつなげます。

実店舗にいながらオンラインで購入する頻度は、確実に高まっています。

クリック&シップ
51%
が小売店舗にいるときに、携帯電話を使ってその小売業者が運営するショッピングサイトで購入しています(2019年の38%から増加)
スキャン&スクラム
58%
が小売業者のウェブサイトを閲覧中に、携帯電話を使って購入しています(2019年には42%だったが1.4倍に増加)

つまり…

消費者の多くは、購入を検討するプロセスの中で実店舗も重視しています。しかし、最終的にどこで購入するかとなると、実店舗は選択肢の一つでしかなくなってきています。

小売業者やマーケットプレイスだけでなく、オープンインターネット上のパブリッシャーもコマースメディアのインベントリを利用しています。

つまり、すべてのビジネスに新規顧客獲得や顧客維持の機会が開かれているということです。たとえば、コンテンツ配信の際に動画広告を使って新規顧客にリーチする、コンテクスチュアル広告を使って関連性の高い記事を閲覧している新規顧客に影響を与える、貴社のサイトや小売業者パートナーのサイトへの訪問後にリターゲティングする、あるいは顧客化した後に再エンゲージするといったことが可能です。

コマースメディア、リテールメディア、パフォーマンス・マーケティング、ブランド・マーケティングの違いとは?

コマースメディアは新しいカテゴリーなので、誤解されることもあります。リテールメディアと同じ意味で使われたり、リテールメディアの次の段階と考えている人れば、パフォーマンス・マーケティングの別名だと思っている人もいます。この機会に、コマースメディアの意味を明確に理解しておきましょう。

コマースメディアは、リテールメディアをモデルにしてさらに拡張したもので、小売業者に加えてオープンインターネット上の広範なパブリッシャー・ネットワークも含まれます。コマースメディアを使えば、小売業者の広告主だけでなく、非小売業者や非地域特化型の広告主もブリッシャーや小売業者のサイト上で、コマースデータとAIを利用してより効果的にオーディエンスとエンゲージすることが可能になります。また、動画やCTVをはじめ、コンテクスチュアル広告、スポンサードプロダクト広告など、各ファネルの目的に合わせたフォーマット/チャネルを、コマースメディアでひとつに集約できます。

 

コマースメディアリテールメディアパフォーマンスマーケティングブランドマーケティング
フルファネルYes: 商品との出会い、コンバージョン、リテンションに利用可能。 場合による: 一部のリテールメディアプロバイダーは、ブランドが認知度を向上させ、店頭販売を促進し、小売業者のオーディエンスをリターゲティングできる、多様なディスプレイフォーマットを提供している。No: 下位ファネル向けの戦術は主にコンバージョンの促進と最適化に重点を置いている。No: 上位ファネル向けの戦術は主に認知度の向上とリーチ、インプレッションの最適化に重点を置いている。
ファーストパーティのコマースデータYes: 大規模なファーストパーティのコマースデータは、コマースメディアの基盤となる要素である。Yes: データの規模がコマースメディアより小さく、他のパブリッシャー/ブランドサイトからの情報は含まれない。No: 通常、サードパーティ・クッキーと行動データを用いており、コマースメディアのような大規模なコマースデータは持っていない。使用するファーストパーティーデータは、サードパーティークッキーのマッチングに大きく依存している。No: 通常、サードパーティークッキーや統計・行動データを使用している。
多様なフォーマットとチャネル(動画、CTV、ディスプレイ、コンテクスチュアル広告、スポンサードプロダクト)Yes: これらのオプションはすべてコマースメディアで使用可能。場合による: オフサイト広告を提供するリテールメディアプラットフォームには、これらのフォーマットの一部が含まれる場合があるが、すべてではない。No: スポンサードプロダクトはオプションに含まれない。No: スポンサードプロダクトはオプションに含まれない。
オープンインターネット上のパブリッシャーの広告スペースYes: コマースメディアにはパブリッシャーや小売業者の広告が含まれる。場合による: 一部のリテールメディアプロバイダーはオフサイト広告を提供している。Yes Yes
非小売業者の広告主に有効Yes: コマースメディアは小売業者にも、クラシファイド広告、旅行、金融など他の業種にも有効。No: リテールメディアは自社の商品を小売業者経由で販売するブランドのサポートに焦点を合わせている。Yes Yes
クローズドループ型測定のために、サプライサイドとデマンドサイドを接続Yes: コマースデータはマーケターとメディアオーナーを直接つなぎ合わせる。Yes: 小売業者とそのブランドの広告主は、リテールメディアを通じて直接つながっている。No No

 

コマースメディアが今注目を集めている理由の一例をご紹介します。

Eコマースが活況を呈しているものの、消費者は実店舗でも買い物をしている:新型コロナウイルスの感染拡大によって増加したオンラインショッピングの習慣は、パンデミックの収束後も継続すると見込まれています。全世界のEコマースの市場規模は2025年までに7兆ドル(2019年の2倍以上)に達し、全小売売上高の約4分の1を占める(2019年の13.8%から大幅増)と予測されています。4

また、Criteo の調査によると、BOPIS(オンラインで注文した商品を実店舗で受け取る)のようなクリック&コレクト方式の利用頻度は高まっているものの、依然として実店舗の対面での体験を高く評価している消費者が多いこともわかりました。調査では、10人に4人が「実店舗で実物を確認してから商品を購入したい」と回答しています。5

変化し続ける、消費者とのつながり方:個人情報保護規則の強化とサードパーティ・クッキーに依存した手法が制限されることを背景に、マーケターとメディアオーナーは責任を持ってオーディエンスにリーチし、収益化する新たな方法を模索しています。

小売業者とパブリッシャーにとって、ファーストパーティ・データ戦略は最優先の課題:マーケターがファーストパーティ・データの収集と拡充に注力しているのは、そのためです。パブリッシャーはサードパーティ・クッキーの廃止によるCPMの低下に備えてファーストパーティ・データ戦略に取り組んでいます。小売業者もまた、価値ある自社のデータ資産を収益化する方法を模索しています。こうした取り組みをしているメディアオーナーとマーケターををつなげれば、すべてのステークホルダーがWin-Winになります。

「サードパーティ・クッキー廃止後のエコシステムで我々が優位を保てるのは、データを保有しているからです。ファーストパーティ・クッキーに基づいてリピーターを知り、理解しているのは、我々のみです」

— News Corp社 / アドバタイジング・テクノロジー・オペレーション担当上級副社長 / Stephanie Laser 氏6

デジタルに転換するトレードマーケティング:小売業の店頭起点で行うトレードマーケティングも、デジタルへとシフトしています。ブランド広告主はオンラインの消費者に向けて多くの予算を投じており、EUの92%7、米国の76%の広告主8が「今後の成長はリテールメディア広告にかかっている」と考えています。

消費者はこれまで以上にオープンインターネットを選ぶようになっています:消費者は Amazon だけでショッピングをするわけでも、Google だけで検索をするわけでもありません。Criteo の調査では、多くの買い物客が小売業者やブランドのウェブサイトで商品の検索をスタートしてることが分かっています。最初の主要なタッチポイントとしては、ウェブサイトがオンラインマーケットプレイスや検索エンジンを上回っています。

66%
の時間がオープンインターネット上で費やされています 9
10人中7人
(68%)の消費者が、購入したことのない商品や重要な商品を購入する前に、オープンインターネット上の情報記事を読むことがよくあると回答しています。10

代理店では、コマース責任者が新たな役割を担うようになっています:新しい役割とは、検索・ディスプレイ広告からマーケティング、リテールメディアまでのすべてを監督し、コマースに対する全方位型の取り組みを主導することです。組織や役割による縦割り打破し、チャネル単位や小売業単位ではなく、オーディエンスベースのアプローチを取ることが求められています。

69%
のマーケターとメディアオーナーが、デジタルマーケティングの最優先課題はチャネルの縦割りの解消だと回答しています。1

コマースメディアのエコシステムは、主にマーケター、メディアオーナー、消費者という三つの主要なプレイヤーで構成されています。各プレイヤーにはそれぞれの目的、課題、ニーズがあり、Criteo ではそれらすべてに応えるべく、さまざまな活動に取り組んでいます。

マーケター

ブランド、小売業者(具体的にはブランド/デジタル/グロース領域のマーケターと、メディアプランナーおよびバイヤー)、 およびマーケターをサポートするブランド、小売業者、代理店が、コマースメディアのエコシステムにおけるデマンドサイド(需要側)となります。彼らはアドレサブル広告のキャンペーンを展開し、商品との出会いから購入に至るすべての過程で、インマーケットな消費者に効果的にリーチしたいと考えています。その際に重要となるのが、キャンペーンの各段階における成果を高め、それを正確に測定する能力です。

マーケターのニーズ:
コマースデータとAIを活用した消費者理解の深化

グローバルなコマースデータセットを活用することで、マーケターは消費者の興味・関心、購入意欲のパターンを特定し、オーディエンス・ターゲティングやパーソナライゼーションを強化することができます。そしてコマースデータの規模が大きいほど、キャンペーンの成果は高まります。

マーケターのニーズ:
ファーストパーティ・データに基づく広告ソリューション

Googleによるサードパーティ・クッキーのサポート終了後は、ファーストパーティ・データに活路を見いだすのが賢い選択です。しかし、十分な量のファーストパーティ・データの確保は困難であり、マッチングや同期に多くの手間を要する現在のシステムでは、データロスにつながりかねません。そこでマーケターにとって必要となるのが、コマースメディア・ソリューションです。ファーストパーティ・データを活用するこのソリューションによって、セキュリティ対策とプライバシー保護の両面に配慮しながら、マーケティングファネルのすべての段階における目標に対応することができます。

マーケターのニーズ:
リーチの拡大とコントロールの向上を実現する、ウォールドガーデン以外の選択肢

Criteo が Forrester Consulting に委託して行った調査では、回答者のうち北米では80%8 、欧州では77%7 が「ウォールドガーデンへの依存を減らしたい」と回答しています。世界のEコマース活動の大部分がAmazon以外で行われていることも考えると、オープンなインターネットのコマースメディアには、圧倒的なニーズがあるはずです。

マーケターのニーズ:
広告支出と成果を結びつける能力

マーケターは、ファネル内の異なる段階にいる消費者に対して、認知度やトラフィック、リード、売上など、あらゆる観点からでデジタル広告の成果を測定できることを求めています。

マーケターのニーズ:

オープンインターネット上のコマースメディアは非効率的のため、デマンドサイドプラットフォーム(DSP)、サプライサイドプラットフォーム(SSP)、リテールメディア・プラットフォームなど、複数のプラットフォームが必要です。

メディアオーナー

コマースメディアのエコシステムを供給するパブリッシャー、小売業者、マーケットプレイスは、マーケターに広告やプロモーションのためのインベントリを販売したいと考えています。

メディアオーナーのニーズ:
ファーストパーティ・データとオーディエンスの収益化を支援するソリューションを活用して、広告収益を高める

小売業者にとって、パブリッシャーとして必要なテクノロジースタックをインハウスで確保するのは非常に難しいことです。パブリッシャーの中には、インベントリから獲得する収益を高めようと模索しているところもありますが、その場合も、外部のコマースデータやAIアセットの活用が不可欠となるでしょう。

メディアオーナーのニーズ:
広告主の支出をより多く獲得したい。

すべてが内部で完結するコマースメディアエコシステムなら、プロセスが簡素化され、メディアオーナーの収益の阻害要因となる手数料を削減できます。

メディアオーナーのニーズ:
ファーストパーティ・データの収集、権利、アクティベーションを管理するソリューション

プライバシーに配慮した、同意獲得済みのデータセットを構築するために、パブリッシャーは消費者に有益な情報を提供し、消費者の同意を得て、消費者自ら設定を管理できるコマースメディアソリューションを必要としています。

メディアオーナーのニーズ:
コントロール

メディアオーナーは、データへのアクセスや価格設定、そしてコンテンツの関連性を確保するためのコントロール機能を求めています。

消費者

消費者は、エコシステムの原動力としての役割を担う重要な参加者です。消費者が求めるプライバシーへの配慮やコントロール向上は広告業界の再形成を促し、コマースメディアという新たなカテゴリーを生み出そうとしています。マーケターとメディアオーナーの連携なしには、未来に向かって進む消費者に、高い信頼やロイヤルティにつながる体験を届けることはできません。

消費者のニーズ:
自分がデータの共有を許可したマーケターやメディアオーナーに対するコントロール

消費者は、自身のデータ利用に同意する対価として提供される価値について、より深く理解したいと思っています。また、その同意についても、いつでもオプトインとオプトアウトが可能な状態で管理したいと考えています。

消費者のニーズ:
関連性に優れた体験

消費者はコントロールの向上を求めていますが、関連性に優れた体験に対する興味を失ったわけではありません。消費者の欲求やニーズに対し、適切なタイミングで適切なコンテンツを届けることができれば、マーケターやメディアオーナーはエンゲージメントの向上を図れるはずです。

消費者のニーズ:
高品質なデジタルコンテンツへのアクセスと新商品の発見、自由な選択肢

現在、これらすべてを可能にしているのは広告です。そして、メディアオーナーにとって広告は、さまざまなオリジナル商品やコンテンツをオープンなインターネット上で提供するための資金を得る手段となっています。

現在、オープンなインターネットにおけるコマースメディアの多くは、デマンドサイドプラットフォーム(DSP)、サプライサイドプラットフォーム(SSP)、リテールメディアプラットフォームに細分化され、個別に運営されています。

実際、Criteo の委託で Forrester Consulting が実施した調査によると、マーケターの40%以上が610の異なるプラットフォームをメディアバイイングに使用しています。

データ管理とアドレサビリティのソリューションは流動的で、プライバシーに配慮したデータを相互運用可能にする方法について、さまざまな修正が生じています。対処すべき課題は多く、マーケターとメディアオーナーは安全なアドレサブル広告ソリューションを活用しながら成果を上げたいと考えています。また、この方法を合理化してプラットフォームの数を減らしたいとも考えています。

「ファーストパーティ・データの使い方や新たなオーディエンスの獲得方法、サードパーティークッキー廃止に向けた対処など、マーケターには理解・対処しなければならない困難な課題があります。そのため、マーケターはアドテクプロバイダーなどのテクノロジープロバイダーを求めています」

— Criteo社 / CEO / Megan Clarken
81%
のマーケターと(メディアオーナーとしての)小売業者は、今後12ヵ月の最優先事項は、すべてのコマースメディア支出とパフォーマンスを管理することだと回答しています。1

アンケートの回答者もまた、パフォーマンスの最適化と俊敏性の向上をサポートしてくれるコマースメディアパートナーを求めています。コマースパートナーを選定する際に最も重視する能力について Forrester Consulting が実施した調査では、63%がチャネル別で小売業者間のパフォーマンスを比較・最適化する能力を、59%がパフォーマンスの測定およびキャンペーン支出の調整をリアルタイムに行える能力と回答しています。また、回答者の半数近く(47%)が豊富なファーストパーティ・データを提供してくれるパートナーを求めています。

マーケターとメディアオーナーの協業を効率化することで、コマースメディアが急速に進化を遂げ、これらのニーズを満たすことができます。

目標は単一のインターフェースを介してオープンなマーケットプレイスで双方を結びつけることであり、ここではデータを共有してIDをリンクし、アドレサブルオーディエンスを作成・拡大して、さまざまなチャネル/フォーマットを通じてこれらのオーディエンスを活性化することができます。そしてチャネルと小売業者の全体像を把握した上で、一元的に測定・最適化できるようにします。

「企業はパブリッシャーと広告主が消費者の権利を保護できるようにするとともに、購入・販売の両サイドでファーストパーティデータを接続し、パーソナライズド広告の未来を形成していくでしょう」

— Criteo、最高プロダクト責任者(CPO)、Todd Parsons

データ、テクノロジー、コネクションなど、各プレーヤーが成功に必要なものを手に入れ、自立したシステムを構築し、全員が相互に利益を得る好循環を生み出しているのです。

マーケター
はアドレサブルオーディエンスへのリーチと測定可能な成果を十分に得て、キャンペーンを継続します。
メディアオーナー
は広告収入をもとに、オーディエンスを惹きつけるコンテンツを作成・改良します。
消費者
は信頼性の高いマーケターとメディアオーナーから、充実した体験を得ることができます。

未来に対応できる広告

デジタル広告業界は、プライバシー、クッキー、アドレッサビリティ、アカウンタビリティなどの課題に日夜取り組んでいます。その一方で、オンラインを利用する消費者は増加の一途を辿り、各人にパーソナライズされた体験を提供することがますます困難になっています。コマースメディアは、ファーストパーティ・データに根差しているため、こうした業界を揺るがす大きな変化の解決策になります。ファーストパーティ・データはデジタル広告の未来です。なぜなら、環境全体でIDをリンクし、アドレサブル・オーディエンスへのリーチを作成するカギとなるからです。

ゆえに、サードパーティ・クッキー廃止後にも十分なオーディエンスにリーチしたいマーケターは、今すぐにでも、ファーストパーティ・データへのアクセス強化に取り組まねばなりません。コマースメディアは、次の3つの方法でマーケターをサポートします。

1
自社のファーストパーティ・データをより大規模なファーストパーティのコマースデータで強化することによってリーチを拡大、新たなオーディエンスの構築を可能にします。
2
ターゲティングとパーソナライゼーションの効果を高め、個人データの共有をオプトインしてもらえる可能性の高いオーディエンスとエンゲージし、アドレサブルオーディエンスのプールを拡大します。
3
現在のシステムにおいて、マッチングや同期のステップで発生するデータロスを削減します。

サードパーティ・クッキーのサポート終了時に収益減が見込まれるパブリッシャーは、コマースメディアを獲得して新たな収益源を確保しましょう。自社のデータを広告主にとってより魅力的なものにするために必要な技術やデータが使えるようになり、損失を補う新たな収益の柱ができるはずです。

一方、小売業者はコマースメディアを使えば、独自のリテールメディア・プラットフォームを構築しなくても、データとオーディエンスを収益化できます。また、消費者を獲得・コンバージョンするのに必要なツールも得られます。つまり、広告ビジネスの成長と商品の売上拡大を同時に実現できるのです。

そしてパブリッシャーと小売業者は、コマースメディアを使うことによって、オープンインターネット上でオーディエンスにリーチしたいという広告主の需要に応えることができます。ファーストパーティ・データをデマンドサイドとサプライサイドでマッチングさせることで、インベントリのアドレッサビリティを高め、メディアバイヤーの支出を加速させることが可能です。

合理化とクローズドループ

コマースメディアによって断片化の課題が解消されと、マーケターとメディアオーナーはビジネスを成長させながら、使用するテクノロジーの数を減らせるようになります。

さらに、コマースメディアによってマーケターとメディアオーナーが直接つながることで、デジタルキャンペーンのKPI(セールス、リード数、訪問者数など)への影響を、オンラインとオフラインの両方で簡単に追跡できるようになります。  こうしてメディア支出と実際の購入データを結びつけることができれば、マーケターは広告予算から最大限の価値が引き出せるようになります。

10人中6人
のマーケターと(メディアオーナーとしての)小売業者は、コマースメディアのアプローチによって期待できる大きなメリットとして、顧客体験(CX)の向上(63%)、ビジネスの成長(65%)、収益の拡大(61%)を挙げています1
65%
ビジネスの成長
63%
顧客体験の向上
61%
収益の拡大

消費者を最優先する

消費者は個人データの権利が尊重されることを求めています。とはいえ、関連性に優れた体験に対する興味を失ったわけではありません。関連性と信頼性に優れた広告を重視するコマースメディアは、オーディエンス・ファーストのアプローチを取っており、消費者のニーズや進化に合わせて進化できるように構築されています。

さらに、多様なコンテンツや商品・サービスにアクセスすることを望む消費者のニーズに応えるべく、マーケターとメディアオーナーはコマースメディアを通じて、オープンインターネット上の多様性と選択肢をサポートする広告活動に注力しています。

 

コントロール、透明性、バランス

ウォールドガーデンの壁がますます高くなりつつある中、マーケターはファーストパーティ・データにアクセスしてコントロールできる選択肢を確保しておくことが重要です。コマースメディアは、オープンインターネット上のすべてのプレーヤーが自社のデータを利用・維持し、適切なパートナーと協力しながら価格決定や消費者体験のコントロールができるよう、サポートします。これによりウォールドガーデンへの依存を減らし、消費者が時間を費やすあらゆる場所で、バランスのとれた戦略を構築できるようになります。そのうちに、ショッピングジャーニーの視界を遮る壁はすべて取り除かれていくでしょう。

「顧客との関係を構築し、単に一度のコンバージョンだけでなく、ブランドと関わりを持つ全期間にわたって関係を維持することが、現代のマーケターにとって重要になりつつあります。ブランドが顧客と彼らのジャーニー全体を把握し、これに付随するデータを所有していれば、ウォールドガーデンは存在しなくなるはずです」11

— Publicis Media社 / チーフストラテジーオフィサー / Sean Peters 氏

コマースメディアのメリット

マーケターメディアオーナー消費者
ファーストパーティーデータによってオーディエンスとパーソナライゼーションを活性化し、スケーラブルなアドレサビリティを実現。 所有するファーストパーティーデータとオーディエンスを収益化し、広告収益を増大。興味・関心をもつ商品・サービスの広告と、承諾した広告主からの広告のみを配信。
インマーケットなオーディエンスに焦点を当てると同時に、奥深いコマースインサイトを活用し、無駄を削減しながらエンゲージメントとコンバージョンを向上。コマースデータをもとにコンテンツをパーソナライズし、リピート訪問者獲得と売上増を促進。より関連性に優れた体験と広告を享受。
使用するプラットフォームの数を削減。エコシステム全体にファーストパーティーデータを接続し、インベントリのアドレサビリティを向上。 オープンインターネットが提供する多彩なコンテンツと選択肢を継続的に楽しめる。
消費者が自分の時間の66%を費やし、マーケターにとってコントロールと透明性が完全に確保されたオープンインターネット上で消費者にリーチ。アドレサブルオーディエンスを探しているマーケターに直接つながり、データアクセス、価格設定、サイト体験をコントロール可能。

Criteo は独自のファーストパーティ・データをもとに、マーケターとメディアオーナーが責任ある未来のアドレサブルメディアを実現できる、オープンなマーケットプレイスを構築しています。エコシステムの両サイドに膨大なアセットを有する数少ない真のプラットフォームの1つとして、今後も、こうした連携や運用に積極的に取り組んでいきます。

Criteo のコマースメディア・プラットフォームでは、マーケターやメディアオーナーは世界最大のオープンコマース・データセットをオープンインターネット上のハイパフォーマンスなアドレサブル広告に変換することができます。ファーストパーティー・メディア・ネットワークとコマースに特化したAIを駆使して、Criteo 独自の有望なオーディエンスへのアクセスを、彼らを活性化するツールとともに提供し、オープンインターネット上で消費者に充実した体験をもたらします。

サプライサイドとデマンドサイドの統合

マーケターとメディアオーナーを統合するプラットフォームを通じて、両者はより多くのデータと透明性を確保し、同時にコスト削減も実現できます。

  • データの損失、手数料、「テックタックス」の削減
  • アドレサビリティの向上
  • オンサイトのリテールメディアインベントリへの独占的アクセス
  • ROIと収益の向上

ファーストパーティー・メディア・ネットワーク

貴社のファーストパーティ・データを、Criteo の高品質なファーストパーティ・データのネットワークに接続することによって、アドレッサビリティを増強します。

  • 参加者間でIDをリンクし、オーディエンス規模を拡大
  • コマースデータにアクセスしてパーソナライズ
  • 貴社のデータの安全性確保とプライバシーを遵守

購入意欲を考慮した独自のオーディエンス

Criteo の膨大かつグローバルなコマースデータセットと貴社のファーストパーティ・データをもとに、有望なオーディエンスをターゲット/キュレーションできます。

  • 「インマーケットな」消費者にフォーカス
  • 初回購入とリピート購入を促進します
  • 新規オーディエンスによって広告主を惹きつます

「オールインワン」のソリューション

計画、購入、パーソナライゼーション、測定、収益化のすべてを、単一のプラットフォームで実現します。

  • 多様なオーディエンス、広告フォーマット、メディアバイイングオプション
  • ファネル全体でキャンペーンを測定・最適化
  • 完全なデータとインベントリのコントロール

「将来、オープンインターネットが健在で、力強く活気に満ちていることを願っています。そして、Criteo の貢献によって消費者にオープンインターネットを楽しんでもらえたら本望です。新しいビジネスが生まれ、成功・発展し、イノベーションを中心に据える広告活動が優れた体験を生み出す場所―。それがオープンインターネットです。すべての人にとって活気あふれる場となることを、Criteoがお約束します」

— Criteo社 / CEO / Megan Clarken