2020年初頭から続くコロナ禍は、私たちの働き方に大きな変化をもたらしました。最も劇的な変化は、何と言ってもテレワークの一般化でしょう。テレワークによって、企業は通勤中や仕事中に社員が新型コロナウイルスに感染するリスクを下げることができましたが、皮肉なことにテレワークは企業に新たな健康課題をもたらしました。

在宅ワーカーの4割がコロナ太り、5割がメンタル不安も

1つ目の課題は、運動不足です。緊急事態宣言などによる外出自粛に加え、リモートワークで通勤がなくなったとことにより運動不足になり、体重増加やそれに伴う成人病リスクの増加が懸念されています。

ヘルステック企業の株式会社リンクアンドコミュニケーションが行った調査によると、1日の歩数が3000歩未満だった人は2020年1月には全体の8.8%でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大とともに、その割合が増加。2020年4月には全体の24.6%、5月には28.7%に上りました。「3000歩未満」の割合が、特に増えたのがフルタイム勤務で、緊急事態宣言後に在宅ワークとなり、労働時間が増加した人で、+3.6ポイントも増加しています。

こういった運動不足の影響で体重が増え、いわゆる「コロナ太り」に悩む人も増えています。株式会社アイスタットが2021年5月に行った調査では、「コロナ禍で(この1年で)体重が増えた」と答えた人が全体の41.3%に上り、テレワークをしている人の方がコロナ太りを自覚している傾向が高いこともわかりました。運動不足による活動量の低下と体重の増加は、糖尿病や高脂血症、高血圧などさまざまな成人病の引き金となることが知られており、社員本人にとってはもちろん、企業にとっても、コロナ禍による社員の運動不足対策は喫緊の課題となっています。

2つめの課題は、メンタル面での不調を訴える社員が増えていることです。株式会社リンクアンドコミュニケーションが2020年4月~5月に行った調査によると、フルタイムで働いている人の42.7%が、パートタイムで働いている人の46.3%がメンタル不安を感じていると回答しました。特にフルタイムワーカーで、かつ在宅勤務をしている人のうち、コロナ禍で仕事時間が増えた人はメンタル不安を感じている割合が高く、全体の50%に。自宅で仕事をすることによって人と会って話す機会が激減、外出自粛で友人や離れて暮らす家族にも会いづらい状況が続いていることで孤独感やストレスが増し、メンタル面に不調をきたす人が増えていると考えられています。こういった在宅で働く社員のメンタルケアも、企業にとって大きな課題となっています。

デジタルでの健康管理に注目

このようにコロナで社員の健康問題に注目が集まっていること、そして世界的にESG投資が活発になり、持続可能な経営目標を持たない企業は、消費者はもちろん投資家にも支持されない風潮が高まっていることからも、これからは健康経営に力を入れていく企業は増えていくものとみられています。

そんな中、経済産業省は2021年6月、社員の健康に配慮した経営を行っている「健康経営優良法人2021」の評価サマリーを公表、特に先進的な取り組みを行う企業を業種別に分類し、計48社を「健康経営銘柄」に認定しました。

経産省が健康経営に関する調査を始めたのは2014年、初回認定の2015年から今年まで7年連続で「健康経営銘柄」に選出されたのは花王株式会社、テルモ株式会社、TOTO株式会社、東急株式会社、SCSK株式会社、株式会社大和証券グループの計6社でした。

健康長寿産業連合会が2020年に行った調査「新型コロナウイルス流行下における健康経営の取り組み状況に関する調査」(http://www.kk-kaigi.com/archives/1475)によると、全体の81%の企業が「新型コロナウイルス流行下において新たに生じた健康経営の課題がある」と回答。経産省の「健康経営有料法人2020」に認定されている企業では91.7%が「課題がある」と回答、具体的な課題として「リモートワークなどで働き方が変化する中において生産性、身体的健康、精神的健康を維持すること」などが挙げられました。一方、認定されていない企業で「課題がある」と回答したのは58.3%にとどまっており、すでに健康経営に積極的に取り組んでいる企業の方が、より高い問題意識を持っていることが伺える結果となりました。

では、課題解決のために、どのような取り組みに注目が集まっているのでしょうか?まだしばらくの間はwithコロナの生活が続くことを考えると、リアルでのイベントや講習会の開催、健康指導の実施はあまり現実的ではありません。そこで、考えられるのはWebを通じた健康情報の共有やオンラインセミナー、アプリを使った健康イベントの開催、またウエラブル機器の使用や健康管理アプリの導入、オンラインでの医師や保健師への相談の実施など、デジタルを活用した取り組みです。ただし、こう言った取り組みは企業側からの強制では決してうまくいきません。社員自身が自主的に取り組みたくなるような仕組みや環境を整え、モチベーションを上げるにはどうすればいいのか。すでに社内にCHO(Chief Health Officer)を配置して健康経営に積極的に取り組んでいる海外企業の事例から学ぶのも良いかもしれません。

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