GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)に代表される巨大IT企業が、ユーザーの個人情報を独占的に収集・利用して巨額の収益を得ていることへの批判が高まる中、欧米各国を中心に個人情報の利活用に関する法律の見直しが進んでいます。

ご存じのとおり、EUでは2018年5月、企業がユーザー本人の同意なくパーソナルデータを収集することを禁じる「GDPR(一般データ保護規則)」の運用が始まり、違反企業には巨額の罰金が課されることになりました。また、米カリフォルニア州では2020年7月、州内の住民が自身の個人情報の開示や消去、第三者への販売禁止などを企業に請求できるようにするCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)が制定されています。

こういった世界的な個人情報保護強化の流れを受けて、日本でも政府主導で議論が行われ、日本独自の個人情報管理・利活用の新たな仕組みとして提唱されたのが「情報銀行」です。

情報銀行とは、個人から任意で個人情報を預かり、本人の希望に応じて企業などの第三者に提供、その対価を個人に還元するサービスのこと。企業からのオファーが来ても本人が許可しない場合、情報は提供されないため、本人が知らないうちに個人情報が企業などの営利活動に利活用されることを防ぐことができます。

出典:総務省「令和2年版情報通信白書」

政府では2017年2月の「AI、IoT時代におけるデータ活用WG 中間とりまとめ」の中で、官民連携して情報銀行の社会実装に向けた積極的な取組を推進する必要性を示すなど、総務省・経産省主導で情報銀行の促進に取り組んでいます。2020年には銀行法が改正され、銀行の情報銀行への参入も認められました。

こうした流れを受け、すでにいくつかの企業や銀行が情報銀行サービスへの参入を表明しています。たとえば三菱UFJ信託銀行では、2021年春に独自の情報銀行プラットフォーム「Dprime」の運用開始を予定しており、「本人情報」「生活・趣味・趣向」「資産状況」「行動履歴」などの個人情報をアプリ上で管理・利活用できるサービスを提供することにしています。

また、電通グループのマイデータ社では2019年7月に情報銀行の運用を開始。アプリ上で個人情報を企業などに提供するとアマゾンギフト券などに交換できるポイントが付与されるサービスを提供しています。

まだ情報銀行自体の知名度が低く、広く普及するまでには、しばらく時間がかかりそうではありますが、日本でも2020年6月に個人情報保護法が改正されるなど個人情報保護への関心が高まっていることから、情報銀行へのニーズは今後大きくなっていく可能性があると考えられています。個人情報の新たな収集・利活用の手段として、情報銀行が企業と消費者との関係をどのように変えていくのか、注意深く見守っていく必要がありそうです。

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