コロナ禍でファンが拡大。楽しみ方が多様化

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界的に多くのスポーツイベントが中止・延期が相次いだ2020年。野球やサッカーといった人気種目でさえ、試合ができない・観戦に行けない状況が続きました。そんな中、逆に注目を集めたスポーツが、「eスポーツ」です。

「eスポーツ(esports)」とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、コンピュータなどの電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称としても使われています。

「eスポーツ」のルーツは1980年代のコンピューターゲームブーム。当時はまだインターネットが普及していなかったため、対面でのゲーム大会が各地で盛んに行われました。その後、1990年の格闘技ゲームブーム、インターネットの普及を経て、オンラインゲームのプロ化が加速。2000年代に入ると「eスポーツ」という言葉が定着し、プロゲーマーの参加やライブストリーミング配信を通じたイベント観戦が人気を博するように。2010年代になると、ゲーム関連企業がトーナメントなどのイベントを相次いで企画、開催資金を提供するようになり、世界各地で高額賞金をかけた国際大会が開催されるようになりました。

自身が選手として競技に参加するだけでなく、プロが観戦する様子を観て楽しむ娯楽性の大きさもeスポーツの特徴の1つ。

eスポーツの観戦には、主に以下のような観戦方法があります。

  • テレビや動画配信で選手が競技・対戦する様子を観る
  • 競技会場で選手が競技・対戦する様子を観客席から観る
  • 選手が対戦する様子を解説者の説明を聞きながらオンラインで観る
  • 選手が自身の競技の様子を配信するライブ配信を観る

2020年にはコロナの影響による外出自粛で在宅時間が増えたこともあり、世界中でオンラインゲームの需要が拡大、特にオンラインでのeスポーツ観戦やeスポーツ選手によるライブ配信を楽しむ人が大幅に増えました。また、テニスやバスケットボールなどリアルなスポーツとの融合も進み、2020年4月にはテニスの大阪なおみ選手や錦織圭選手がテニスゲーム「マリオテニスエース」に出場、バスケでもNBAの公式ソフト「NBA2K20」を利用したゲームに八村塁選手が出場して話題を呼びました。外出自粛による「スポーツロス」とおうち時間の増加による「オンライン時間の増加」が相まって、eスポーツは、コロナ禍に着実にファンを増やしつつあるのです。

ストリーミング、デジタルによる収益が急拡大

そして競技人口とファンの増加により、eスポーツの市場は急速に拡大を続けています。株式会社KADOKAWA Game Linkageの「グローバルeスポーツマーケットレポート2020」によると、2020年の世界のeスポーツの市場規模は約9億7390万ドル(前年比+1.7%)。同レポートでは、eスポーツ市場は今後も拡大を続け、2023年には15億9820万ドルに達するとの予想を発表しています。

拡大し続けるeスポーツ市場を支えているのは、現在のところスポンサーシップによる収益源です。同じくKADOKAWA Game Linkageの調査によると、2020年の世界のeスポーツの収益源のうち、最も大きいのが「スポンサーシップ」の5億8410万ドル(前年比+7.5%)と全体の約7割を占めました。

<参考>世界のeスポーツ収入源の内訳(2020年)

  • スポンサーシップ:5億8410万ドル(前年比+7.5%)
  • メディア権:1億6330万ドル(同+3.3%)
  • パブリッシャー提供資金:1億890万ドル(同-11.6%)
  • グッズ&チケット:7620万ドル(同-27.9%)
  • デジタル:2150万ドル(同+60.9万ドル)
  • ストリーミング:1990万ドル(同+44.9%)

コロナの影響で、リアルな観戦の場が減ったことから、グッズ&チケットによる収益が大きく減った一方で、デジタルやストリーミングによる収益が急増していることがわかります。オンラインで気軽に楽しめるようになったことで、今後、eスポーツはスポンサーによる収益に依存せず、自らも稼ぐコンテンツへと変貌を遂げていくものと考えられています。

こういった市場の拡大を受けて、日本でもその経済波及効果への期待が高まっています。経済産業省では「eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会」を開催、2020年3月に報告書を取りまとめました。同報告書では、2025年の日本におけるeスポーツの直接市場規模の目標を600~700億円、波及領域を含めた市場規模では2850億円~3250億円が目標値とし、今後はIPの利用・許諾に関するガイドラインの整備や、eスポーツの教育的価値の検証などを通じて、eスポーツの振興に積極的に取り組んでいく方針が示されました。

こういった国の後押しもあり、今後、ますますの成長が見込まれるeスポーツ市場。企業からのスポンサーシップに依存してきたリアルのプロスポーツとは明らかに違う、自ら稼ぎだす力をこれからどのように進化させていくのか、今後の動向が注目されます。

参考:

KADOKAWA Game Linkageプレスリリース

経済産業省「eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会」報告書

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