お賽銭もリフト代もQRコード決済で!
2018年は日本における「キャッシュレス元年」とも言える年でした。
特に大きく注目を集めたのが、QRコード決済サービスです。LINEやAmazonなど大手IT企業などが、続々とQR決済事業に参入、導入コストや手数料率の低さを訴求したキャンペーンを展開するなどして、ユーザの獲得競争を繰り広げています。ソフトバンクが運営するQRコード決済サービスPayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」は大きな話題を呼びました。QRコードはマーケティング施策との連携のしやすさにも特徴があり、決済(支払い)と連動したポイント付与など、スマートフォンアプリに組み込む形で導入されるケースが増えています。
QRコード決済は、クレジットカードに比べて導入コストや手数料が低いことから、これまでクレジットカード決済を導入できなかった中小事業者や個人商店での導入が進んでおり、中には商店街ぐるみでQRコードによるキャッシュレス化に取り組む商店街や参拝者の賽銭をQRコード決済で支払える寺院、リフト代をQRコード決済で支払えるスキー場も登場しています。
また、キャッシュレス化先進国である中国人観光客のニーズに応える形で、中国系のQRコード決済サービスであるAlipay(運営会社:アリババ)やWe Chat Pay(運営会社:テンセント)を導入する事業者も増え続けています。
キャッシュレス支払いで最大5%ポイント還元も
日本政府も訪日外国客の利便性向上や消費換気を目的にキャッシュレス化を推進しており、現状20%程度のキャッシュレス決済比率を、2025年までに倍の40%程度まで引き上げる方針を打ち出しており、その一環として2020年までに主要な商業施設や観光スポットなどにおける「100 %のクレジットカード対応化」や「100%の決済端末のIC対応」を目指す取り組みを始めています。
また、政府は2019年10月に実施予定の消費増税対策の一環として、キャッシュレス支払いによるポイント還元キャンペーンを行うことも決定、2019年度の予算案に2798億円を盛り込むことを発表しました。このキャンペーンは中小の店舗で買い物をした際、クレジットカードや電子マネー、スマートフォンで使うQRコードなど現金以外(キャッシュレス)で支払った消費者に、買い物で使えるポイントを提供する仕組みで、最大5%分のポイントは政府が補助するというもの。キャンペーン実施期間は2019年10月1日の消費税率引き上げ後から9カ月間とされており、詳細なサービス内容は今後、カード会社など各決済事業者が公表するとみられています。つまり、2019年10月までにキャッシュレス支払い対応をすれば、政府の導入支援を受けつつポイント還元目当ての買い物客を取り込めるということ。まだキャッシュレス支払い対応をしていない事業者にとっては、サービス向上と顧客獲得の2つを同時に狙える施策として十分検討の価値はありそうです。