コロナ禍の今だからこそ「顧客中心主義」の徹底を

顧客により高い価値をもたらすには何が必要か

新型コロナウイルス感染拡大は、全世界に未曾有の変化をもたらしました。しかも、このウイルスの状況は刻一刻と変化しており、それに伴う消費者のニーズも変化し続けています。たとえば、ウイルスが猛威をふるい始めた当初は、食品や衛生用品のいわゆる「買い占め」が起こり、消費の現場は一種の混乱状態に陥りました。そして数週間が経ち、外出自粛要請による在宅学習や在宅ワークが「当たり前」になると、家の中で快適に過ごすための家具や電化製品、そして家にいながらにして外部と繋がるためのデバイスや通信機器の売上が増え、自宅で食べるためのテイクアウトやデリバリーの需要が伸びています。一方で旅行・レジャー業界、外食業界、航空業界は大幅に売上が減少し、深刻な危機に陥っています。

では、この未曾有の状況を前に、マーケターには何ができるのでしょうか?さまざまなご意見があるとは思いますが、私たちCriteoの出した結論は「顧客中心主義を貫くこと」。マーケターは、新型コロナウイルス感染拡大による消費者ニーズの変化を捉え、場合によっては従来の戦略を一部変更してでも、顧客中心主義をとことん貫いていく必要があります。まずは、「顧客により高い価値をもたらすには何が必要か」を自問してみてください。ごく当たり前の質問のように思うかもしれませんが、今、この危機的状況だからこそ、改めて自問することによって、新たな気づきが得られるはずです。

以下、Criteoからのインサイトを4つ、ご紹介します。

パフォーマンスに優れたチャネルに注力する

各企業が予算編成を見直しつつある中、マーケティング関連の予算はかなり制限されるでしょう。貴重な予算を無駄に使うことは、絶対に避けなくてはなりません。まずは御社が展開しているマーケティングチャネルの中で、現在もっともパフォーマンスに優れたチャネルを把握し、そこに予算を注力しましょう。例えばオムニチャネル戦略をとっている企業なら、今は実店舗ではなくオンラインに注力すべき時です。実店舗の顧客に向けてオンラインでキャンペーンを展開し、御社のECサイトへ誘導してください。

消費者のニーズや不安に応えるメッセージを発信

マーケターは消費トレンドの変化をいち早くキャッチし、消費者のニーズや不安を読み取る必要があります。そして、そのニーズや不安に応えるメッセージを迅速に発信しましょう。例えば需要が急増している商品を扱っている企業であれば、消費者が待ち望んでいる情報、たとえば再入荷の予定や、配送にかかる日数、商品の在庫状況などをこまめにメッセージとして発信することによって、「頼りになる企業」として消費者からの信頼を得ることができるでしょう。

ポジティブなイメージを醸成し、ブランドセイフティを守る

この困難に企業やブランドがどう立ち向かうのか、人々は注目しています。もちろん、どんな困難が起こるかは容易に予測できないので、先回りして予防策を講じることは至難の技です。しかし、すでに起きてしまった問題やトラブルについては、知恵と工夫次第で対処することができます。

例えば、流通が麻痺して商品配送に遅延が起きた場合は、それを放置するのではなく、率直にその原因を消費者に伝え、改善策を示すこと。遅延が解消される見込みがないのであれば、今後起こりうる遅延について明確に伝えることも大切です。混乱した状況下でも平常時と変わらず真摯に消費者と向き合えば、混乱が終わったあとに顧客から高いロイヤルティを勝ち取ることができるでしょう。

また、ブランドセイフティを守ることも忘れないでください。御社のブランドイメージや価値を損なうような内容が含まれているコロナ関連のコンテンツ内に、御社の広告が表示されないように注意しましょう。

さらに、積極的に社会貢献を行うことも大切です。例えば、ニューヨークのフォーシーズンズホテルは、日々最前線で奮闘する医療従事者のために無料で客室を提供しています。こういった企業やブランドの利害抜きの行為は、パンデミックが収まった後も、人々の記憶に刻まれ、高いロイヤルティを勝ち取ることに繋がるはずです。

効率よく機能する体制を整える

リモートワークに対応できる体制を十分に整えられていない企業もあります。その場合、平常時よりもチームの規模を縮小して、事業を継続せざるをえません。少ない人数で迅速かつ適切に機能するために、自動入札ツールなど広告キャンペーンの管理や改善を自動化するソリューションを活用しましょう。自動化によってキャンペーンのパフォーマンスを継続的に向上できるようになると同時に、節約できた時間や労力をその他の優先事項にシフトできるようになるはずです。

ここでご紹介したインサイトは、いずれもCriteoのCEO メーガン・クラーケンによるメッセージから一部抜粋したものです。メーガンのメッセージの全文は以下からお読みいただくことができます。

また、Criteoでは、全世界のオンラインショッピングに関する膨大なデータに基づいて、最新の消費トレンドについてまとめた「新型コロナウイルス(COVID-19)による影響―ダッシュボード」を随時公開しています。コロナ禍においても顧客のニーズに応える顧客中心主義のビジネスを継続するために、そしてこのパンデミックが収束した後も継続する信頼関係を顧客との間で構築するために、ぜひ、Criteoの各種コンテンツをお役立てください。