危険な暑さで関心高まる熱中症対策グッズ、今年は日傘や帽子に注目

更新日 2023年11月01日

熱中症死亡者数は30年前の10倍に

今年も暑い夏がやってきました。6月には早くも各地で猛暑日(最高気温35℃超)を記録、「昔はこんなに暑くなかった」「暑くなるの早過ぎ」と思っている人も多いのではないでしょうか。実際、気象庁の発表によると、全国の猛暑日の年間日数は年を追うごとに増加しています。最近30年間(1993~2022年)の猛暑日の平均年間日数(約2.7日)は、統計期間の最初の30年間(1910~1939年)の平均年間日数(約0.8日)と比べて、約3.5倍に増加しています。

出典:気象庁HP

猛暑日の増加を背景に、近年、急増しているのが熱中症の死亡者数です。厚生労働省によると熱中症による死亡数は、1993年以前は年平均67人ですが、1994年以降は年平均663人と約10倍に増加しています。これは、気候変動に伴う夏季の気温の上昇や、熱中症リスクの高い高齢者人口の増加が原因と考えられています。記録的な

猛暑で熱中症による死亡者が最も多かった2010年は1,745人(男 940人、女 805人)にも上りました。また、総務省によると2022年は熱中症による救急搬送者数は7万人を超えています。今年2023年はコロナが第5類に移行して初めての夏。公私ともに外出の機会が増え、通勤中や仕事中、旅先などで熱中症になる人が増えるのではないかとの懸念の声も聞かれます。

日傘や帽子の需要が増加見込み

こうした背景から、注目を集めているのが熱中症対策です。株式会社mitorizが2023年5月に約3000人を対象に行った調査によると、回答者のうち約93.9%が「熱中症対策を意識して行っている」と回答。具体的にどんな対策をとっているのかを聞いたところ、次のような回答が上位を占めました。水分や塩分を積極的に摂取したり、食事や睡眠時間に気を遣ったりする人が多く、体調管理=熱中症対策と考えている人が多いことがわかります。

  1. 位 水分を取る 86.5%
  2. 位 エアコンを使用する 51.9%
  3. 位 喉が渇く前に水分をとる 41.3%
  4. 位 塩分をほどよくとる 38.2%
  5. 位 体調(食事や睡眠時間)を整える 36.8%

また、「熱中症予防として購入・利用している商品」について【従来、購入・利用しているもの】と【今年、購入を検討しているもの】を尋ねたところ、どちらも「スポーツドリンク」が最も高い結果となりましたが、【今年、購入を検討しているもの】についてみてみると、「帽子(38.0%)」、「日傘(36.9%)」、「飴・タブレット(35.5%)」が「スポーツドリンク」に続く結果に。このうち、前年に比べて特に回答が増えたのが「日傘(+26.5%)」、「帽子(+25.9%)」、「扇子やうちわ(+23.4%)」で、今年は新型コロナによる規制が緩和されたため、屋外で過ごす時間が増えることを前提とした熱中症対策を検討している人が増えていることが見て取れます。

見出し:熱中症対策、高齢者の気がかりは?

続いて、熱中症のリスクが高い高齢者の皆さんはどんな対策をとっているのか、日本気象協会の調査結果をみてみましょう。

同協会の「熱中症ゼロへ」プロジェクトが60代以上の100名を対象に行った調査で、熱中症の予防や対策として実践していることを聞いたところ、次のような結果になりました。

  1. 位 こまめに水分を補給する 88.7%
  2. 位 エアコンをつける 65.1%
  3. 位 帽子をかぶる 61.3%
  4. 位 窓を開けて室内の風通しをよくする・十分に睡眠をとる(規則正しい生活を心がける)54.7%
  5. 位 天気予報などで気温や湿度の情報を把握する 52.8%

年代別にみると、60代と70代は「エアコンを利用する」が7割前後で2位に入っていますが、80代・90代では「エアコンを利用する」(53.8%)よりも「窓を開けて室内の風通しをよくする」(73.1%)と回答した人の割合が高く予防・対策のためのアクションの違いが見受けられました。

高齢になるほどエアコンを敬遠する理由としては、体の冷えを気にする方が多いことが考えられます。実際、同調査で「熱中症の予防や対策として気がかりなこと」を聞いたところ、60代~80代まですべての年代で「エアコンを使用すると体が冷えること」が5割前後で1位に。そのほか「エアコンや扇風機を使うことで電気代がかかること」や「水分をとりすぎるとトイレが近くなること」も共通して上位となったほか、外出時に水分や日傘、帽子などを持ち歩くと荷物が多くなることや、忘れ物につながりそうという心配の声も。熱中症対策をしたいが、経済的・体力的な理由で敬遠しがちなお年寄りの心理が浮き彫りになる結果となりました。

とはいえ、ここ数年は気象庁等の呼びかけ等が功を奏し、エアコンを適切に使うことの大切さが高齢世代にも浸透しつつあり、エアコンを使うことを躊躇する傾向は以前に比べて低くなっていると言われています。電気代の高騰が家計を圧迫する中、エアコン代捻出のために他の支出を絞る動きも顕著になっていくかもしれません。