Criteo FLOW: 【インタビュー】 Criteoマーケティング担当上級副社長 ジェン・ウェラン

更新日 2020年12月21日

S&P 500に名を連ねる多くの企業において、全従業員に占める女性の割合は50%近くに達しています。しかし、その一方で、経営幹部やシニアレベル、管理職クラスでの割合は依然として25%程度にとどまっています。この数字を見るかぎり、ジェンダー面におけるダイバーシティを高め、女性活躍の場を広げる取り組みは、今後ますます重要度を増してくるものと考えられます。

性別に関係なく誰もが活躍できる未来の実現に向けて、Criteoではこのほど、「Criteo FLOW(Future Leaders of the World:未来のグローバルリーダー )」プロジェクトをスタートしました。Criteoのエミリー・ジンスハイマー(Emily Sinsheimer)とドリーナ・ベンチュラ(Dhoreena Ventura)のアイディアから生まれたこのプロジェクトは、Criteoにおけるリーダーシップの育成を目標に、今後、さまざまな企画を展開していく予定です。

2018年8月20日には、初の企画となる「Hot Seat」シリーズがスタートしました。「Hot Seat」の狙いは、毎回Criteoの社員1人を取り上げてインタビューし、その社員が持つ経験や知恵を皆でシェアすること。記念すべきインタビュー第1弾には、Criteoのマーケティング担当上級副社長、ジェン・ウェラン(Jen Whelan)が登場しました。インタビュアーは、米国クリエイティブサービスアートディレクターのデニス・データ(Denise Data)。以下にインタビューのハイライトをご紹介します(要点を簡潔にお伝えするために、内容は一部編集しています)。

ウェイトレスから上級副社長へ

アラスカ出身のジェンは、世界でもトップクラスのテクノロジー企業(Intel、Microsoft、T-Mobile、Qualcommなど)で20数年間のキャリアを積んだ後、Criteoに入社しました。しかし、彼女にキャリアにおける最も重要な学びを与えてくれたのは、これらの大企業ではなく、その前に働いていたレストランでの経験だったと言います。

「あのレストランで、私はこれまでのキャリアの中で最も多くのことを学びました。”トランスファラブルスキル(いろいろな職場に応用できるスキル)”が持つ力の大切さに気づいたのです」。

彼女の初めての職場 は、アラスカにあるジュノー国際空港のレストランでした。時給2.1ドルとチップが彼女の稼ぎのすべてでしたが、そこでは「同僚同士がコミュニティを作り上げ、ポジションに関係なく、誰もがお互いを助け合っていました」と、ジェンは当時を振り返ります。

後に大学生になってウェイトレスやバーテンダーのアルバイトをした際も、彼女は常にトランスファラブルスキルを意識して学び、身につけるようにしていました。そのおかげで、大学卒業後にIntelでキャリアをスタートさせた頃には、すでに仕事と人生における自分のスタンスをしっかりと確立できていたそうです。

「マーケティングを通じて販売部門をサポートすればするほど、企業全体の業績はますます良い状態になります。このことを学んだのは、最初のレストランで働いていたときのこと。テーブルを早く片付ければ片付けるほど、次のお客さんを早くテーブルに通すことができ、ウェイトレスやウェイターの収入も上がってチップも沢山もらえるようになることを学んだのです」

最悪のアドバイスと共感する力

Jen Whelan Criteo SVP Marketing

ジェンは以前の上司から、こんな風に注意されたことがあるそうです。彼曰く「君は優しすぎる。部下を意のままに従わせることができなければ、彼らに望むような働きは期待できないし、思い描く成果を実現することもできない」と。

もちろんジェンは、「それは私のスタイルではありません。そうしたスキルは持ち合わせていないし、そうなりたいとも思っていません」と反論しました。

ジェンの最高の持ち味は、「共感力の高さ」。彼女はCriteoに入社して6か月経った今、これまでに率いてきたどのチームよりも大きなチームを率いています。彼女の役割は販売、製品、マーケティングの各チームをまとめることですが、その第一歩は「耳を傾けること」から始まります。

「場合によっては口を出さない方が良いこともあります。相手に時間を与え、考えてもらい、それから返事をもらうことも非常に良い方法です。また、異なる視点からの意見を聞くことで、自身のずれを認識し、軌道修正できることもあります」

そして、ジェンがとりわけ重要だと考えていることは、相手を思いやること。仕事と生活を両立し成功させるためには、誰もが思いやりを大切にするべきだと彼女は考えています。自分の仕事をしつつ、チームとのコミュニケーションを図る場合のバランスを保つ方法について、彼女は次の点を強調しました。

「相手の立場になって考え、相手の視点から理解しようとしてみてください。相手にはどんな背景があるのだろう?と自問してみてください。このフィードバックはどのように受け取られるだろうか?と」。

これに対してインタビュアーであるデニス・データは、自分がこれまでの業務の中で受けたフィードバックは、あまりダイレクトなものではなかったと述べました。ジェンは微笑み、「時にはダイレクトに言うことも必要です。でも、そうする前に信用を築き上げ、心から相手のことを気にかけていると分かってもらうことが大切」だと答えました。

足りないものを補い合い、競争を生き延びる

素晴らしいチームを構築するにあたって、ジェンは「リーダーが自身に欠けているものに目を向け、その溝を埋めること」の大切さを提唱しています。

もちろん、まだまだ改善の余地はあるものの、ジェンが女性マーケターとしてキャリアをスタートさせたころと比べると、現在は性別に関係なく、公平な職場環境が整ってきています。

では、ジェンはどうやって職場に必要な人材・最適な人材を探しているのでしょうか?

「求めているのは、私にインスピレーションを与えてくれる人材です。そして、なぜその人が私にインスピレーションを与えてくれるのか、その理由を明らかにしたいと考えています。彼らが働く親として活躍しているからなのか?彼らの情報の提示方法がスマートであり、気遣いに溢れているものだからか?あるいは、特定の分野の専門知識があるからか?共感力があるからなのかを考え、彼らが与えてくれるインスピレーションを私生活や仕事に取り入れるためには、どうすればよいのか考えています」

また、ジェンは次のような貴重なアドバイスをしてくれました。

「自分とは異なる人と付き合うようにしましょう。自分に欠けているものがわかるまで自分についての理解を深め、素晴らしい人材の力を借りながら、自分に足りない部分を補っていくのです。そして、できれば、お互いに補い合いましょう。そうすれば、1人の時よりも早く成果を出せるようになります。これが同じ部署、会社、社会における競争で生き抜いていくための最良の方法だと、私は思っています」。

交渉することの大切さについて

「仕事を始めた頃、私は交渉がとても苦手でした」と、ジェンは言います。「経験を積むごとに上達してはきたものの、キャリアの中盤に在籍していたMicrosoft時代でさえ、交渉したことと言えば、仕事のオファーを受けた時の勤務開始日だけでした」

その後、Microsoftを退職する際、ジェンは上司から記憶に残るアドバイスをもらったといいます。

「ジェン、あなたが同じ過ちを繰り返さないように、敢えてアドバイスしておきましょう。あなたがMicrosoftで犯した最大の過ちは、そもそもこの仕事のオファーをすんなりと受け入れたことです」。

それを聞いたジェンは困惑し、「Microsoftからのオファーは嬉しかった」と答えました。

上司は「オファーをもらってすぐにそれを受けてしまうと、会社側は提示した額が高すぎたと感じてしまいます。もっと安くてもオファーを受けたのではないか?と。問題なのは報酬の額ではなく、交渉の術を持っているかどうかです」と、アドバイスをくれたのです。

交渉の術を持たない人は、より高額な報酬を求めればオファーを取り下げられてしまうのではないかと危惧するものですが、ジェンはそうはならないと指摘します。

「あなたに仕事をオファーしているということは、その企業は、あなたがその仕事に責任が持てる人物だと判断しているということです。くれぐれも、自分の価値を低く見積もらないようにしてください」。

よき「問い手」になる

Jen Whelan SVP Marketing

「尊敬を集めている人やスマートだと感じる人たちが、私に与えてくれるのは“答え”ではなく、“良い質問”です」とジェンは話します。

「感覚的には逆だと思われるかもしれませんが、彼らの思慮に富んだ質問は、さまざまなシナリオや障壁を考慮して導き出されたものであり、それを他の人々と共有しているということです。逆に言うと、最初から“答え”を口にしてしまうのは、さまざまな可能性を考慮していないことの裏返しだと思われてしまう可能性があります」。

FLOW:互いに支え合うネットワークの構築

Criteo FLOWでは、メンバーはお互いがインスピレーションの源泉となり、サポートし合い、安心しながら成長できる環境づくりを目指して活動しています。これからのCriteo FLOWの活動に、どうぞご期待ください。
なお、Criteoでは女性社員の活躍の推進に向けて、次のような環境も提供しています。

  • 自分と真摯に向き合うためのリラックススペース
  • コンフォートゾーンの外での挑戦を支援する、社員向け定期セッションやディスカッショングループ
  • 未来のリーダー同士をつなぐネットワーク
  • 業務に関する重要なフィードバックやトレーニングへのアクセス

FLOWシリーズは今後も随時、更新していきますので、お楽しみに!また、Criteoの企業文化や取り組みについては、こちらのページでもご紹介しています。ぜひご覧ください。