待ちに待ったゴールデンウィーク。今年は最大11連休も可能なカレンダーの並びも相まって、旅行やレジャー、ショッピングなど、消費意欲が例年以上に高まる兆しを見せています。ポストコロナの消費行動が定着しつつある中、消費者はどんな休暇を過ごそうとしているのでしょうか。Criteoがまとめた「2025年度ゴールデンウィーク消費動向レポート」から、今年のGW商戦の注目ポイントを探ってみましょう。
1. 旅行トレンド~国内旅行・日帰り旅行が人気。予約は遅め
まとまった休暇がとれるGW、旅行を予定している人も多いのではないでしょうか。Criteoが日本人1200人を対象に行った調査では、回答者の約26%が「旅行をする」と回答。旅行を計画している人の大半が国内旅行を予定しており、目的については「レジャー」が最も多く、94%。次いで「家族・友人訪問目的」が82%となっています。
また、旅行先を決定する主な要因について聞いたところ、最も多かったのが「予算」で74%。ついで「日数」が66% という結果に。GW旅行中に検討しているのは「日帰り旅行」と回答した人が23%に上っていることからも、円安や物価高など不透明な経済状況を鑑みて、今年のGWは費用がかさむ長期旅行や海外旅行を控え、国内で短期間の旅行を選択する人が多いことが見て取れます。
一方で、旅行の予約時期については意外とスロースタートの傾向にあり、GWの1か月前に予約した人、2~3か月前に予約した人がそれぞれ34%、半年前に予約した人はわずか9%にとどまっています。レジャー目的の旅行は、直近の天気予報や目的地の混雑状況を見極めてから日程を決めたいという向きの人も多いので、予約時期が遅めなのかもしれません。
2. 購買トレンド①~Z世代の約6割が「推し活」
一説によると、日本国内だけでも市場規模が8,000億円にも上るともいわれる「推し活」(好きなアイドルや俳優、キャラクターなどを応援する活動)。時間に余裕のあるGWには、思い存分「推し活に励みたい!」という人も多いことでしょう。今回の調査でも、「推し活をする」と回答した人の割合は21%、「まだ決めていない」人を含めると38%に上りました。世代別にみると、推し活をすると回答した人が最も多いのは、Z世代(1990年代~2010年代前半生まれ)の人たち。「推し活をしない」と回答したのは全体の42%で、「推し活をする」・「まだ決めていない」と回答した人は58%に上りました。
「推し活」と一口に言っても、その内容は実に様々。代表的な推し活のスタイルには、次のようなものがあります。
- 推しの関連グッズを買う、集める
- 推しのライブや舞台、イベントなどに参加する
- SNSで推しに関する発信をする
- 作品の舞台やロケ地などへ行く(聖地巡礼)
- 推しのグッズを持って写真を撮る(ぬい撮り、アクスタ撮影)
- 推しのイメージカラーの商品を購入する
- 推しの二次創作(イラストや動画制作)を行う
- ファン同士がお金を出し合って推しの応援広告を掲出する
推し活の特徴の一つは、必ずしも外出を伴わないことです。SNSやECサイトを使えば家にいながらにして「活動」ができるので、「人混みが苦手でGWは極力家で過ごしたい」というタイプの人にも支持されているようです。
なお、「推し活をする」と回答した人は他の世代でも3~4割近くを占めており、X世代(1965~80年生)では28%、ミレニアル世代(1980年~90年代半ば生)では36%に上っています。GWの売上増を狙うなら、推し活に紐づけられるサービスや商品を考える価値は十分ありそうです。
3. 購買トレンド②~「おでかけ」を意識した消費が増加傾向
GW前の数週間は例年、GW中のお出かけやイベント、あるいは「巣ごもり」に備えてショッピングが活発になる時期です。しかし、物価高が続くご時世とあって、今年は日本の消費者の購買意欲はやや低め。Criteoの2025年の調査では「ゴールデンウィーク前の数週間は、いつもより多くの買い物をする予定」と答えた人は、2024年の24%から19%にダウンしています。
そんな中でも、昨年に比べて購買意欲が高まっているのは次のアイテムです。
- 【購入する可能性が高いと回答した割合】
- 化粧品/香水:2024年14%→2025年21%
- バッグ/スーツケース:2024年12%→2025年16%
- 衣料品/スポーツウエア/アクセサリー(靴を除く):2024年35%→2025年41%
いずれも、コロナ禍の巣ごもり消費の時期には売れ行きが低迷したアイテムが目立ちます。コロナの影響がほぼ完全になくなり、「おでかけ」前提の消費が復活・定着していることを裏付ける結果となりました。
以上、Criteoの「2025年度ゴールデンウィーク消費動向レポート」からは、「安近短のお出かけ」、「推し活」、「節約志向」など、いくつかのキーワードを読み取ることができました。天気予報によると、今年のGWは一部地域を除いて、概ね好天に恵まれる日本列島。CriteoではGW後に再度、日本の消費者を対象とした調査を行い、実際にどのような購買トレンドが見られたのかを検証する予定です。皆様どうぞ良いGWの休暇をお過ごしください。