「エコ・フレンドリー」は、購買意欲にどう影響する?

更新日 2023年03月14日

売れ残りの恵方巻の損失額は約12億224万円

クリスマスのチキン、大みそかの年越しそば、お正月のおせち料理、節分の恵方巻、バレンタインのチョコレート・・・・・・。季節のイベントは、そのイベントならではの食べ物を食べたり贈ったりして楽しむのが定番です。その一方で、問題視されているのが、いわゆるフードロス問題です。数年前には、売れ残った恵方巻が大量廃棄されている様子が報道され、大きな社会問題となりました。生ものを使う恵方巻は日持ちしないため、基本的に作った日に売れなければ廃棄せざるを得ませんが、売り場を華やかに盛り上げるために、大量に製造・陳列する店が多く、これが大量廃棄に繋がっていると考えられています。

関西大学の宮本勝浩名誉教授によると、2022年の恵方巻きをはじめとする「節分の寿司」の経済効果は約649億2,096万円(「節分の寿司」の売上高は推定300億5,600万円)。一方、売れ残りによって廃棄処分される恵方巻きの損失額は、約12億224万円と算出しています。経済効果を考えると廃棄量は許容範囲とする声もありますが、世界的に食品価格高騰・食糧不足への懸念が高まる中、大量生産⇒大量廃棄の悪しき商習慣を改めるべきだという声は年々高まっています。

近年はこういった声を受け、恵方巻の販売方針を変更する企業が相次いでいます。たとえばコンビニ大手のローソンやファミリーマートは、期限までに予約すると割引料金で恵方巻を購入できる早期予約キャンペーンを展開、同様に大手スーパー・イオンも、ネット予約するとWAONポイントが通常の5倍付与されるキャンペーンを行うなど、事前に予約数を把握することで供給過剰を防ぐ対策を講じました。

また、店頭に並べた商品が売れ残るのを防ぐために、従来よりもサイズを小さくして価格を下げ、より気軽に買いやすい恵方巻を販売する店舗も増えています。

「環境や社会に悪い影響を与える企業の商品は買わない」が全世代で半数超え

こういった社会問題の解決に取り組む企業の姿勢は、消費者の購買行動にどのような影響を与えているのでしょうか?

Criteoが 日本の消費者1,200人以上を対象に実施した調査では、31%の人が「地球環境への配慮」は購入するブランドや小売店を決定する際に重要だと回答しました。

共感できるブランド価値や、ポイントやマイレージなどのロイヤルティプログラムは、買い物の意思決定を後押しする動機となっています。(調査レポート「賢くショッピングする消費者たち~インフレ下の買い物客の最新動向」より)

博報堂が2022年に行った「生活者のサステナブル購買行動調査」でも、「買い物の際に環境・社会に与える影響をどの程度意識しているか」を10点満点で聞いたところ、最も高かったのはシニア層で、70代が平均5.84点、60代が5.26点。10代(16~19歳)も平均5.05点と高めでしたが、「まったく意識していない」割合も高く、環境・社会意識が高い層と低い層で両極化の傾向が見られました。一方、全世代の中で最も意識が低いのは、ミドル層で、30代は4.74点、40代は4.79点でした。

また、同調査で「普段の買い物の際にどのようなことを意識するか」を聞いたところ、「環境や社会に悪い影響を与える商品は買わない」、「環境や社会に悪い影響を与える企業の商品は買わない」と回答した人が、それぞれ55%と53%に上りました。特に、70代ではサステナブル購買行動の実施率は全般的に高く、特に「環境や社会に悪い影響を与える商品は買わない」(75.3%)、「環境や社会に悪い影響を与える企業の商品は買わない」(70.4%)など、全体より20pt近く高い結果に。異常気象やそれに伴う値上げラッシュが続き、環境問題・社会問題を身近な自分事として捉える消費者が増えているのは間違いなさそうです。商品を供給する企業側にとっては、環境や社会に悪い影響を与えない商品やサービスの拡充と、社会問題解決に向けた取組をしっかり消費者に伝えていくことが、喫緊の課題と言えるでしょう。

2023年最新調査レポート「賢くショッピングする消費者たち~インフレ下の買い物客の最新動向」公開中: