ビールの美味しい季節到来!飲まれているビールは?

更新日 2022年06月22日

お酒関連の支出の8割が「家飲み」でのお酒

3年近くに及ぶコロナ禍の影響で、日本人の飲酒習慣は大きく変わりました。経済産業省の調査によると、外食での飲酒機会が減少したことにより、家計に占める外食での飲酒費も大きく減少しています。一方、家庭内でのお酒の消費は大きく増え、家計に占めるお酒関連の支出のうち、実に8割超が家庭内の飲酒費となっています。減少した外での飲酒費の一部が、家庭での消費額に回される現象が起きているようです。

出典:総務省\

普段飲むお酒、NO.1は糖質オフ・ゼロのビール

では、家飲みを楽しむ人たちは、どんなお酒を飲んでいるのでしょうか?マーケティングリサーチ会社の株式会社アスマークが週1回以上ビールを飲む人を対象に行った調査で普段飲むお酒の種類を聞いたところ、ダントツで多かったのが「ビール(糖質オフ・ゼロ含む)」で全体の74.4%を占めました。ただし、20~30代の若者世代では69.2%と、全体よりも5ポイント近く低くなっています。

出典:アスマーク

さらに、同調査で、普段ビールを飲む人に飲んでいるビールの種類を聞いたところ、全体の実に88%が週に1回以上「糖質オフ・ゼロ」のビール飲んでいると回答しています。そして、「糖質オフ・ゼロ」のビールを飲み始めたきっかけについては、健康面では「体重を減らす」、性能面では「味が良い」、マーケティング・プロモーション面では「価格が安い」がそれぞれトップに。「コロナ禍の外出自粛による運動不足で増えてしまった体重を減らしたい・・・、でもお酒も飲みたい」という理由で、普通のビールではなく「糖質オフ・ゼロ」のビールを選ぶ人が増えたのかもしれません。

出典:アスマーク

とはいえ、若年層のビール離れの影響もあり、国内のビール市場は縮小傾向が続いています。ビール大手のキリンホールディングスの調査によると、2020年の日本のビール消費量は、441.6万キロリットルと、前年を9.3%も下回りました。

好調!ご当地ビール

そんな中、好調な動きを見せているのが、いわゆる「地ビール」です。地ビールは小規模な事業者が独自の製法で作っているクラフトビールのこと。東京商工リサーチが行った「地ビールメーカー動向調査」によると、主な地ビールメーカー75社の2021年1-8月の総出荷量は6,601.6キロリットルで、前年同期を7.7%上回りました。

出荷量増加の要因としては、75社のうち21社が「巣ごもり需要が伸びた」と回答。出荷量がメーカーでは7割以上が巣ごもり効果を要因に挙げました。

また、2021年の商流の変化について聞いたところ、最も多かった回答は「インターネット通販の売上が伸びた」(36社)。「インターネット通販の販路を拡大した」との回答も21社あり、ECでの販売に注力したメーカーの努力が功を奏してコロナ禍に伴う巣ごもり需要の取り込みに成功、出荷量増加に繋がっていることがわかります。

出典:東京商工リサーチ

今年は新型コロナウイルスの感染拡大も少し落ち着き、飲食店も少しずつ賑わいを取り戻しつつあります。ここ数年休業に追い込まれていたビアガーデンも次々と営業を再開しており、久しぶりに外食でのお酒を楽しむ人も増えるものと見られます。とはいえ、物価高の影響で外食業界でも値上げラッシュが続く中、外飲みよりも家計に優しい家飲みを優先する傾向は、今後しばらくものと見られます。普段の日はヘルシーさを重視して「オフ・ゼロ」のビールを、ちょっと特別な日には美味しさやこだわりを重視する地ビールを自宅で楽しむ・・・。そんなビールの楽しみ方が、コロナ禍後も定着していくのかもしれません。