Criteoでは、これまでもHarry’sやAway、Glossierなどのデジタルネイティブのスタートアップ企業が、コンテンツマーケティングを利用して、どのように顧客ロイヤルティを高めているのかについて調査を行ってきました。しかし、残念ながら、インターネット上のEコマースサイトが放棄されたショッピングカートや訪問客のアクセスログで溢れかえっている状況は、今も変わっていません。
買い物客のほとんどは、購入に至る前にサイトから離脱してしまい、その結果、ショッピングカートの放棄率の平均は約77%にも達しています。いったい、どうすれば多くの買い物客を最後まで誘導し、「購入」ボタンのクリックに至らせることができるのでしょうか?Criteoは、その方法について買い物客自身に尋ねてみることにしました。
Criteoは「ショッパーストーリー2017」で、全世界の買い物客1万人以上を対象に彼らのショッピング傾向を調査しました。調査の結果、買い物客の72%が「新しい小売店舗を訪れてみたい」と回答する一方で、75%は「できる限りオンラインでショッピングしたい」と考えていることが明らかになりました。
本ブログでは、ショッピングジャーニーの各段階で買物客を自社サイトに留まらせるための3つの方法を紹介していきます。
1. 商品ページの最適化
1万人を超える調査回答者のうち、67%は送料無料、64%は割引、48%は魅力的な写真、48%は関連性の高いレビュー、20%はオンラインチャットによるサポートが、それぞれ必要だと回答しています。
言い換えれば、これらのサービスがオンラインショップの商品ページで提供されていない場合には、彼らがページを閲覧して商品を調べ、最終的に購入に至る可能性が低くなるということです。
美容関連の小売業者であるSephoraでは、実店舗だけでなくオンラインの販売でも成功を収めています。操作性に優れた同社の商品ページには、商品レビューの他にも原材料や使用方法がわかりやすく表示されています。また、買い物客が商品に対して抱くであろう疑問や懸念に対する回答も掲載されており、簡単に確認することができます。
さらにSephoraでは、ユーザが実際に商品を使用した写真をシェアできるユーザ生成コンテンツも掲載しています。Sephoraのサイトを参考にすれば、ユーザにとって有益で、エンゲージメント効果の高いサイトを作ることができるはずです。
2. ユーザ体験
Criteoの「ショッパーストーリー2017」では、平均的なショッピングジャーニーで使用されるチャネルの数についても調査しました。その結果、買物客のおよそ3分の1(32%)は、複数のウェブサイトを検索して、有力な商品の候補を絞り込んでいることがわかりました。彼らが複数のEコマースサイトを渡り歩くのは、よりよい候補や商品情報の詳細、配送オプション、商品のレビューを求めているからです。
どの小売業者やブランドも、買物客が購入に至るまでのプロセスをなるべく簡単なものにするために、常に自社のサイトを検証しながら改善を図ることが重要です。ファッション小売大手のZaraのウェブサイトは、シンプルなサイトデザインの好例と言えます。同社の昨年のEコマースでの収益が41%も増加したのも、このシンプルなデザインが少なからず貢献していると考えられます。
Zaraの狙いは、洗練されたトップページとシンプルなナビゲーション機能によって、買物客が最新のベストセラー商品や新しいキャンペーンの発見、商品の検索をスムーズに行えるようにすること。各カテゴリーをクリックすると高級ファッション雑誌のようなページが現れ、そこには多くのアーティスティックな写真が掲載されています。また、各商品ページには「類似商品を見る」というオプションや、消費者データをもとに各自が最適なサイズを見つけられる「自分のサイズを見つける」という機能も表示されます。
とはいえ、操作性に優れたウェブサイトやアプリを構築するだけでは十分ではありません。買物客が自社のサイトを離脱した後に、再度訪問してもらうための方法を用意しておく必要があります。
3. オムニチャネルジャーニーの構築
昨年10月、Sephoraは実店舗の担当チームとEコマースの担当チームを統合し、オムニショッピングのEVPを担当させることにしました。Sephoraは米国で実店舗を400店以上展開していますが、アプリやウェブサイト、店舗内のデジタルディスプレイ、買物客を呼び戻すロイヤルティプログラムなど、テクノロジーへの投資にも力を入れています。
この投資は明確な成果につながっています。2016年以降、Sephoraのオンライン売上は2倍以上になり、美容系小売のオンライン市場シェアは13%を記録しました。さらに、テクノロジーに長けたSephoraの店舗販売チームは、顧客の買物をサポートするだけでなく、精算時に重要な顧客データを獲得して将来の関係構築に役立てているのです。
自社のオフラインマーケティング戦略を策定する
どの小売業者も、実店舗を利用する顧客をオンラインサイトのトラフィックに移行させたい、あるいは逆にオンラインの顧客を実店舗に誘導したいと考えているはずです。例えば、実店舗では購入に至らなかった買物客とオンライン上でリエンゲージできるとしたら、どうでしょうか?あるいは、買物客の購入履歴に関するパーソナライズされたデータをもとに、特別なロイヤルティプログラムを構築できるとしたらどうでしょうか?
事実、サイトを初めて訪問した買物客のほとんど(98%)は、何も購入することなくサイトから離脱しています。またはオンラインで購入する前に実店舗を訪れて、商品を見ることもあります。買物客を呼び戻したいと考えている美容系のブランドや小売業者にとって、リターゲティングは買物客とリエンゲージし、オムニチャネルなショッピングジャーニーを完結させるのに有効な方法です。買物客に関する強力なデータセットを有するリターゲティングパートナーと協力すれば、自社のサイトを離脱した買物客にリエンゲージし、サイトや実店舗を再訪問する動機を与えることができるのです。
SNSやアプリ、動画で買物客を呼び戻す方法について詳しく知りたい方は、「リターゲティング201」をダウンロードしてご覧ください。