Criteoショッパーストーリー2022:世界の消費者のトレンドとコマースの未来

更新日 2022年03月29日

この数年の間に、世界中の人の日常生活は大きな変化に直面し、消費者はそれに適応してきました。転職や引っ越しなどにより、人生の新たなステージに入った人も多いかもしれません。また、外出の機会がぐっと減るなかで、新しいブランドや商品と出会う場所や、商品やサービスをどのように評価し、購入するのかといったショッピングの方法も大きく変化しました。

Criteo はこのほど、こうした最近のコマースの変化を理解すべく、全世界の1万7,000人以上の消費者を対象に実施した複数の調査結果と、Criteoと提携している2万2,000の広告主クライアントからのコマースデータを詳細に分析しました。さらに、2019年に実施した「ショッパーストーリー調査」を再び実施して、2021年と2019年の結果を比較することで、消費者の行動・好みがパンデミックの間にどのように変化したかについても分析しました。

Criteoの最新レポート「ショッパーストーリー2022:消費者のトレンドとコマースの未来」では、他では得られない独自のインサイトをまとめています。ここでは、本日公開された日本版レポートに先立って、先月公開されたグローバル版のレポートの内容を少しご紹介します。

トレンド1:Eコマースの成長が顕著ではあるものの、消費者は依然として実店舗志向

2019年にeMarketerは、翌年のEコマースの成長率は前年比19%になると予測しました。しかしその2年後、2020年のEコマースの実際の成長率は25.7%となり、その額は実に4兆2,100億米ドルに上りました。1

とはいえ、Criteo のデータによると、2021年のオムニチャネル展開する小売業者の実店舗の売上は、パンデミックの規制が解除された地域では成長が見られました。たとえば米国の場合、実店舗におけるその年の売上は20%増加しています。2

出典:Criteoショッパーストーリー、世界(オーストラリア、フランス、ドイツ、日本、韓国、英国、米国)、2021年8月~11月、回答者数:7,282人/2019年7月~10月、回答者数:7,102人

またCriteoの最新のショッパーストーリー調査でも、10人中4人の消費者が実店舗でのショッピングを選ぶ主な理由として、「便利なロケーション」(45%)、「すぐに商品が必要なため」(43%)と回答し、依然として実店舗の存在を高く評価しています。ただし、これらの数字は2019年に同じ調査を行ったときよりも減少しており、すぐに商品が欲しいという理由で実店舗を利用する傾向は弱まりつつあります。3

トレンド2:2022年は社会生活が再開

2019年以降のショッピングの傾向と好みの変化を理解することとは別に、私たちは消費者が2022年にどのようなアクティビティを再開したいと思っているかを質問しました。

その結果、多くの消費者が屋外での活動再開を楽しみにしているのがわかりました。2021年と比較して、2022年には3分の1以上の人が結婚式やパーティーなどドレスアップする機会が増えることを期待しています。また、約半数(49%)の人が友達と集まる機会を増やす予定だと回答しました。4

出典:Criteo「消費者センチメントの指標に関する調査」、世界(オーストラリア、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、韓国、スペイン、英国、米国)、2021年11月、回答者数:3,805人。

Criteoのファッションのカテゴリーのデータを分析しても、同様の傾向が見られます。人々はビデオ通話だけでなく、より多くの人々とリアルにつながり、人生を謳歌したいと考えています。Criteoのデータによれば、多くの買い物客がワンマイルウェアやアスレジャーからおしゃれなファッションに切り替えようとしています。

日本の消費者を対象に実施した調査結果を抜粋し、データとインサイトをまとめた「ショッパーストーリー2022:進化し続ける消費者のショッピング動向に関する調査レポート<日本版>」はこちらからダウンロードいただけます。

米国では2021年の夏にパーティーに関連したファッションアイテムの売上が増加しました:

出典:Criteoのデータ、米国、2020年8月と比較した2021年8月のオンライン総売上に基づく。

ファッションだけではありません。消費者は自分の内面を磨くことも大切にしています。2021年の秋までに、米国の消費者は自分の外見や印象、香りに一層気を配るようになっていました。

出典:Criteoのデータ、米国、2020年9月と比較した2021年9月のオンライン総売上に基づく。

「コロナ明け」への期待と楽しむ準備は万端です。中には結婚を準備している人も少なくありません。結婚披露宴用ドレスの売上は前年比+172%となり、2022年はより多くのカップルが結婚する可能性があることがうかがえます。5

トレンド3:家電製品がウォレットシェアの大部分を獲得

新しい世界のニーズに最も迅速かつシームレスに対応した小売カテゴリーは家電製品です。テクノロジー製品は人々により生産的な生活と楽しみをもたらし、つながりも加速してきました。買い物客は、さらにより良い製品、新しい製品を求めています。

世界中で多くの人々が自宅で仕事や学習をするようになった2020年は、家電製品にとって大きな変革の年となりました。2021年は世界的なチップ不足やサプライチェーン関連の問題が持ち上がりましたが、2021年10月時点のCriteoのコマースデータを見てみると、家電製品カテゴリーのオンライン売上はそれでも2019年の水準を上回り、+28%となっています。

これは2020年に多くの消費者が家電を購入して自宅環境を整えていたものの、2021年はさらに多くの家電製品を買う意欲や余地があったことを示しています。

出典:Criteoのデータ、米国、小売業者、2019年10月と比較した2020年および2021年の家電製品の売上指標。

Criteoの調査によると、消費者の家電製品への支出はファッションのカテゴリーを上回っています。米国では、2021年の半年の間に、以下のことが明らかになりました。6

  • 47%の消費者が200ドル以上の家電製品を実店舗、36%がオンラインで購入したと回答しました。
  • 一方、同時期のファッション&アクセサリーについて見てみると、実店舗で200ドル以上購入した消費者は34%、オンラインでの購入は26%にとどまりました。

数ある家電製品のトレンドの中で、トップに躍り出ているのが電池です。2021年のブラックフライデーまでの2週間、家電製品のカテゴリー全体の売上は11月の第1週と比較して+29%でした。さらに、数百万点に及ぶ商品の商品名に含まれる特定の用語を分析したところ、「cordless(コードレス)」、「battery(電池/バッテリー)」、「wireless(ワイヤレス)」、「rechargeable(充電可能)」などの言葉が含まれる商品ページの閲覧率は、それぞれ+39%、+46%、+67%、+71%であることがわかりました。

電気自動車、自転車、スクーターなどの高額商品の世界的なトレンドと相まって、バッテリー駆動製品への消費者の関心が高まっており、家電製品カテゴリーがエネルギーコンシャスな時代を迎えつつあることが伺えます。

トレンド4:動画がこれからの時代のインフルエンサー

パンデミック中、劇的な増加を見せたのが動画の消費です。というのも、対面式の娯楽に制限がある中、動画の視聴は最も没入感があり、広告を含むコンテンツを体験するのに魅力的な方法だからです。

Criteoショッパーストーリー調査によると、ケーブルテレビ/衛星放送に加入しているインターネットユーザーの割合は過去2年間で減少した一方、ゲーム機やインターネットTV用デバイスなど、コンテンツ配信に対応した製品を所有するインターネットユーザーの割合は増加しています。

出典:Criteoショッパーストーリー、世界(オーストラリア、日本、韓国、フランス、ドイツ、英国、米国)、2021年8月~11月 回答者数:7,330人/2019年7月~10月 回答者数:7,102人割合は掲載されているデバイス/サービスの1つ以上を、週に数回以上利用しているインターネットユーザーです。

Criteoの別の調査で、動画広告を見た後にどのような行動をとるのかを消費者に尋ねたところ、 動画広告が検索や購入を促していることがわかりました。実際、全世界の視聴者の半数が、動画広告で見た商品・サービスを購入すると回答しています。また半数以上が、パソコン(58%)やモバイルデバイス(57%)でその商品・サービスを検索する、あるいは広告主のウェブサイトを訪れる(52%)と回答しています。

出典:Criteo「動画&コネクテッドTVの利用状況に関する調査」、世界(オーストラリア、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、韓国、英国、米国)、2021年4月~6月、回答者数:9,221人アンケートの回答者は、スマートTV/インターネットTV視聴用のデバイスを所有し、有料/無料の動画ストリーミングサービスを視聴している消費者です。

この割合はミレニアル世代とZ世代ではさらに増え、約70%がモバイルデバイスで商品・サービスを検索し、60%が動画広告で見た商品を購入すると回答しています。

また、世界の視聴者の半数以上(58%)が、さまざまなデバイスから動画配信サービスにアクセスする際に、同じメールアドレスを使用しています。さらに同じ視聴者の4分の3(76%)は、オンラインやアプリでショッピングする際にも同じメールアドレスを使用しています。マーケターにとって、これはプライバシー保護されたハッシュ化済みのメールアドレスを使用して、すべてのデバイスとチャネルを横断して動画の視聴とショッピング行動を結びつける貴重なチャンスとなります。

2022年のトレンドについての詳細や、マーケターが広告の未来に向けて準備する上でのヒントなど、グローバルな調査結果は「Shopper Story 2022  – Consumer Trends & the Future of Commerce」でご確認いただけます。(※レポートは英語です)

日本の消費者を対象に実施した調査結果を抜粋し、データとインサイトをまとめた「ショッパーストーリー2022:進化し続ける消費者のショッピング動向に関する調査レポート」はこちらからダウンロードいただけます。