発表!Z世代トレンドアワード2021 ~位置情報までアプリでシェアする世代の実態とは?

更新日 2021年12月07日

このほどバイドゥ株式会社による「Z世代トレンドアワード2021」が発表されました。バイドゥでは例年、運営するキーボードアプリ「Simeji」の「今年の顔文字大賞」を開催していましたが、今年は規模を拡大、ヒト・モノ・コト・総合の4部門を設け、計14項目についてZ世代7,723名を対象にアンケート調査を実施しました。今回のブログでは、この調査結果から浮き彫りになったZ世代のトレンドやその実態について詳しく見ていきましょう。

(1) ヒト部門~1位は「すとぷり」

出典:株式会社バイドゥプレスリリース

「推し活」(推し=好きなアイドルやキャラクターなどを応援する活動のこと)を行う若者が増えた2021年。今年最も活躍したと思う人を聞いたところ、YouTubeチャンネル登録者数160 万人(2021年12月現在)を誇る6人組エンタメユニット「すとぷり」が圧倒的1位にランクイン。ファンからは、「ティーンに大人気!もう若者で知らない人いませんよ!!!!」「リスナーさんの喜ぶことを分かっていて一緒に作っている感じが好き!」など熱い想いが寄せられたそうです。ちなみに「すとぷり」は生ライブと握手会を除くWeb・メディア出演においては、各メンバーの姿がイラストキャラクターで表現されているのが特徴。2次元キャラになじんで育ったZ世代らしいアイドルですね!2位以下も48(フォーエイト)やHIKAKINなど人気のYouTuberやTikTokerが続々とランクイン。Z世代の流行の発信地がテレビやラジオではなく、SNSとなっていることがよくわかる結果となりました。

(2) モノ部門~1位は「地球グミ」

続いてモノ部門を見ていきましょう。今年流行ったグルメ大賞には、モノ部門全体の流行大賞にも輝いた「地球グミ」がランクイン。地球グミは正式名称「トロ―リ プラネットグミ」というドイツの製菓メーカー・メダラー社の商品。その名のとおり地球を模した青い球体のグミで、中にマグマを表現する赤いベリーソースが入っているのが特徴です。以前から日本でも販売されていましたが、2018年ごろに韓国の著名YouTuberが「かわいい」と紹介したことから人気に火が付き、今年は日本でも品切れが相次ぎ、入手困難になるほどの大人気に。SNSで紹介・拡散されたことで生まれた、デジタルネイティブなZ世代らしい人気商品だと言えそうです。

出典:株式会社バイドゥプレスリリース

次に「今年流行ったアプリ」を聞いたところ、大切な友達と位置情報をシェアできる「Zenly」が5位にランクイン。「お互いの位置情報がわかるから、友達と待ち合わせがしやすい」というメリットが、多くの若者たちに支持されました。「5時に●●駅で」などとあらかじめ約束することなく、アプリを使って相手の位置を確認した上で集合場所や時間を決めるのが、今どきのZ世代の待ち合わせスタイルとなりつつあるようです。

「今年一番聴いた曲」では、音楽プロジェクト「MAISONdes」(=架空の6畳半のアパートに住むアーティストやクリエイターがコラボレーションして作品を発表するという設定のプロジェクト)から生まれた楽曲「ヨワネハキ feat. 和ぬか, asmi/MAISONdes」が1位となりました。アンケートでは「TikTokで沢山流れてきて、ハマってしまって何度も聴いていた」「1回聞いただけで頭に染み付いた」などの声が多く寄せられ、YouTubeで公開されたMVの再生回数は2,700万回を超えています(2021年12月時点)。アンケートを行ったバイドゥでは「『マニュアル通りな生活を来る日も淡々と過ごしていた』という平凡な日常を描いた歌詞も、Z世代の共感を得る理由なのかもしれない」と分析しています。

(3) コト部門~1位は「はにゃ(੭ ᐕ))?」

コト部門では、Z世代によく使われた顔文字やギャル語などを調査。第1位に輝いたのは、ワタナベエンターテインメント所属のお笑いタレント丸山礼さんが火付け役となった「はにゃ?」を顔文字化した(੭ ᐕ))?でした。「はて、どうしたものか、よくわからない…」、そんな不安な気持ちをたった三文字で小首をかしげて「かわいらしさ」を表現、その使いやすさから多くのZ世代に支持され、愛用されているようです。キーボードアプリ「Simeji」の運営スタッフは「今年の顔文字のキーワードは『未来への希望』ではないでしょうか。社会への不安、人間関係の不満。そんなネガティブな気持ちを抱きながらも顔文字に込める願いは「かわいらしさ」や「面白さ」が詰まっています。手探りの状況でも「はにゃ?」とかわいく笑って吹き飛ばす。そんな明るいコミュニケ―ションが笑顔で交わされる明るい時代を作っていきたいというZ世代の気持ちが表れているようです」と分析しています。

一方、「これを使っていたら古い!顔文字大賞」には(^_−)−☆【読み方:ウインク】が堂々1位にランクイン。「『ウインク』という行動自体に古さを感じる!」「今時ウインクなんて誰もしない」「かなり昔から見るが、そういえば今誰も使ってない」「星(☆)の圧倒的ダサさよ…」といった声が寄せられたそうです。続く2位には \(^o^)/【読み方:おわた】 がランクイン。「『オワタ』は死語」「『\/』この線を手に見立てる時点でもう古い」「お母さん、お父さんが使っている…」という声が多数寄せられたそうです。(^_-)-☆や\(^o^)/を愛用してきた大人世代の皆さんの中には「え、今も普通に使っているけど・・・」と、ギクッとした方も多いのではないでしょうか・・・。

(4) 総合部門~Z世代のトレンドはSNSが発信地

出典:株式会社バイドゥプレスリリース

そして、ヒト・モノ・コトの3部門を合わせた総合部門にあたる「年間トレンド大賞」で栄えある第1位に輝いたのは、モノ部門でも1位を獲得した「地球グミ」。人気の理由をバイドゥでは「映える見た目」×「SNSで拡散」という点がトレンドになるポイントだったと分析しています。

年間トレンド大賞の2位には、現在Netflixで放送中の韓国の人気サバイバルドラマ「イカゲーム」がランクイン。ドラマそのものだけでなく、ドラマの中に登場する食べ物や人物も人気を集め、レシピを再現する人や登場人物の服装をまねる人が続出。マネする→SNSに投稿する→拡散される→視聴者が増える、という循環が生まれているようです。

このように、Z世代に人気のコト・ヒト・モノのトレンドは、その多くがSNSを発信地としています。アンケートにも、そのモノやヒトを知ったきっかけについて「TikTokで流れてきた」「YouTubeで観た」などのコメントが多く寄せられたそうです。物心ついたころから高速インターネットやスマートフォン、SNSが当たり前のように存在しており、それらを違和感なく使いこなすZ世代の間では、トレンドが生まれる速さもこれまでの世代とは比べ物になりません。「良い!」「好き!」「面白い!」と思ったものは、瞬時にシェアされ、世界中に拡散されていきます。2022年は果たして何が彼らの心の琴線に触れるのか、そして何がトレンドとなるのか、引き続きSNSから生まれる流行がZ世代の消費を牽引していくことは間違いなさそうです。