今年のイースターは4月17日!日本の市場規模はどのくらい?

そもそもイースターとは?

ハロウィーンやクリスマス、バレンタインデーなど、海外の年中行事がすっかり定着している日本ですが、なぜか海外ほど盛り上がらないのが、「イースター」です。

イースターとは、イエス・キリストが処刑されてから3日後に復活したことを祝うキリスト教徒のお祭り「復活祭」のこと。イースターという呼び名は、ゲルマン神話に出てくる春の女神に由来しており、このお祭りが復活祭であると同時に、春の訪れを祝うイベントとしての意味合いも併せ持っていることがわかります。

イースターは毎年「春分の日の後の最初の満月の後の次の日曜日」と決められているため、イースターの日付は年によって異なります。ちなみに、2022年は4月17日がイースターです。

イースターはキリスト教徒にとっては、1年の中でもクリスマスと並んで非常に重要な行事の1つで、毎年盛大に祝われます。祝い方は国や地域によってさまざまですが、クリスマス同様に休暇を取って、家族皆でごちそうを食べるのが定番。イエスの復活を祝う祭りということで、誕生の象徴である玉子や多産の象徴であるウサギの料理、もしくはそれらをかたどったお菓子を食べることが多いようです。子どものいる家庭ではイースターエッグ(殻にカラフルな絵や模様を描いた玉子)を庭に隠し、子どもに探させるゲームをしたり、スプーンに卵を載せて走るエッグレースをして遊んで盛り上がるのだとか。特にキリスト教徒の多いアメリカではイースターの市場規模は大きく、全米小売協会のデータによると、2021年のアメリカの消費者1人当たりのイースター関連支出は平均179.70ドル(約19,400円)と過去最高に。その消費支出の総額は216億ドル(2兆3328億円)にも上っています。

日本であまり盛り上がらない理由は?

一方、日本では今のところ、イースターはクリスマスやハロウィーンほど盛り上がっていません。たとえば、「今年のイースターっていつ?」とか「イースターって何のお祭り?」と聞かれて、即答できる人はまだ少ないのではないでしょうか。実際、生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なう株式会社ネオマーケティングが2022年1月におこなった調査でも、イースターを知っていると答えたZ世代は全体の15.2%、ミレニアル世代では16%に留まっています。

日本でイースターが盛り上がらない理由については、次のような点が指摘されています。

毎年日付が固定されていない

イースターは「春分の日の後の最初の満月の後の次の日曜日」というルールがわかりにくい上に、毎年日付がバラバラで3月になる年もあれば4月に当たる年も。クリスマスやバレンタインデーのように明確な日付で記憶されないので、ワクワクと心待ちにする気分が生まれにくいのかもしれません。

何かと気ぜわしい時期

3月末から4月にかけては、日本は年度末・年度初めで何かと忙しい時期。進学や就職で新生活を始める人も多く、送別会・歓迎会、お花見などのイベントも目白押しなので、なじみのない海外のお祭りまで楽しむ余裕がないとの意見も。

大人が楽しむ要素が少ない

クリスマスはパーティやプレゼント交換、ハロウィーンは仮装、バレンタイン・ホワイトデーは男女間のプレゼント交換・・・といった具合に、大人でも楽しめる要素がありますが、イースターはエッグハントやエッグレースといった子ども向けのイベントがメイン。大人が楽しめる要素がすくないのも、市場が広がらない理由の1つかもしれません。

Z世代の43.8%がイースターを「SNSで共有したい」

しかし、前述のネオマーケティングの調査では、イースターについて「SNS等で共有したい」と回答したのはZ世代で43.8%、ミレニアル世代で31.7%、「イベントがあれば参加したい」と回答したZ世代は46.9%、ミレニアル世代は39.0%に上っています。

普段とは違う非日常感をSNSでシェアしたい欲求が強い若者世代。彼らに響く商品やイベントがSNS上でバズれば、一気にイースターの認知度が上がり、数年後にはハロウィーンのように年中行事として定着するかもしれません。