コロナ禍で思わぬ恩恵も?2022年、花粉症対策のトレンドを紹介

今年もピークを迎えつつある、春の花粉症シーズン。例年と同様に、目のかゆみや鼻水、くしゃみなど花粉症ならではの症状に悩まされる人も多い中、コロナ禍の思わぬ恩恵で「なんだか今年は症状が軽い・・・!」という人もいるようです。まずは、空気清浄機大手・ダイキンが全国の花粉症の男女を対象におこなった「コロナ禍の花粉シーズンの困りごとや花粉対策に関する意識調査」の結果から見ていきましょう。

ステイホームで「花粉症が軽くなった人」が増加

まず、コロナ禍以降(2020年1月以降)、コロナ禍以前(2019年以前)と比べて、花粉症の症状(くしゃみや鼻水、鼻づまりなど)の症状に変化があったかどうかを聞いたところ、

在宅時間の増加が40時間以上の人のうち45.8%が、40時間未満の人のうち26.5%が「軽くなった」と回答。リモートワークや外出自粛で在宅時間が増えた人ほど花粉症の症状が軽くなった人の割合が大きいことがわかりました。在宅時間が長くなって、屋外で花粉を吸いこんだり、衣服に付着した花粉を家に持ち込んだりする確率が減ったことが、花粉症の症状緩和に繋がっているようです。これは、数少ない外出自粛の恩恵の1つと言えそうですね。

出典:ダイキン工業株式会社 ニュースリリース

その一方、同調査ではコロナ禍ならではの悩みも浮き彫りに。同調査で今年の花粉シーズンの困りごとを聞いたところ、最も多かった回答は「仕事や勉強などの効率が下がる、集中力が低下する(34.8%)」でしたが、次いで多かったのが「窓開け換気をしたいがためらう(23.9%)」「症状が新型コロナ感染症と似ているため不安になる(23.2%)」と、コロナ禍特有の困りごとに悩む人が多いことがわかります。くしゃみや鼻水などを電車の中などで連発してしまい、周囲に嫌な目でみられた・・・という人も少なくないかもしれませんね。

人気商品に見る、今年の花粉症対策のトレンドは

では、そんなコロナ禍の今年の花粉症シーズン、どんな対策グッズが注目を集めているのでしょうか?話題の新商品から、今年のトレンドを読み取っていきましょう。

就寝中の花粉症対策

コロナ禍を機に免疫力への注目が高まり、睡眠の質にこだわる人が増えています。ITの分野では「スリープテック」と呼ばれるITやAIの技術を使って、快適な睡眠を追求する商品が次々に登場しています。そして、今年は花粉症対策の分野でも「睡眠」に着目した商品が登場、話題を集めています。その代表格が2021年12月末に発売になったエステーの「MoriLabo ナイトケア 花粉バリアポット」。この商品は寝室に置いておくだけで、ポットに入っているトドマツ成分(花粉症の原因となるアレル物質の働きを低減する効果がある)が室内に拡散、就寝中にくしゃみを連発して起きてしまったり、寝起きと同時にくしゃみや鼻水が激しく出てしまう「モーニングフラッシュ」を解消できるという優れものです。

MoriLabo ナイトケア 花粉バリアポット(エステー)

食べる花粉症対策

かゆみやくしゃみが出てきたら薬で治す・・・という対処療法ではなく、花粉症の根本的な原因の1つである「免疫力の低下」にアプローチする商品も続々と登場しています。中でも話題を集めたのが、花粉、ホコリ、ハウスダストなどによる鼻の不快感を軽減する世界初の機能性表示食品「ビヒダスヨーグルトKF」(2022年1月発売)です。

ビヒダスヨーグルトKF

森永乳業では50年以上にわたって腸内細菌やビフィズス菌の研究に取り組んでおり、2020年までの研究で、同社独自のビフィズス菌「ビフィズス菌BB536」に花粉、ホコリ、ハウスダストなどによる鼻の不快感を軽減する作用があることを発見していました。今回発売されたビヒダスヨーグルトKFは、そのビフィズス菌BB536を配合、花粉、ホコリ、ハウスダストなどによる鼻の不快感を軽減することを謳っています。

程よい甘さに仕上げてあり、100gあたりのエネルギーは90kcal。1年を通じて、自然な形で続けられる花粉症対策として、または腸内環境改善による免疫力UPのために食生活に取り入れる人も多そうですね。

新たな市場が生まれるか?ビッグデータ解析から見えてきた「花粉症がある人の特徴」は?

最後に、順天堂大学が2022年3月に公表した、花粉症の人の特徴に関する興味深い研究結果をご紹介しましょう。順天堂大学の大学院医学研究科 眼科学の猪俣 武範 准教授らの研究グループがスマホアプリ「アレルサーチ®」を用いて 11,284名の医療ビッグデータを検証したところ、次のような結果が得られました。

花粉症のある人の特徴:

  • 若年齢、女性、アトピー性皮膚炎、ドライアイ、花粉症シーズン中のコンタクトレンズ装用の中断、
  • 排便回数が多いこと、短い睡眠時間

花粉症症状の強さと関連する特徴

  • 若年齢、女性、呼吸器疾患、ドライアイ、トマトアレルギー、花粉症シーズン中のコンタクトレンズ装用の中断、
  • 喫煙習慣、ペット飼育

排便回数や睡眠時間といった特徴が、どのように花粉症に関連するのかについては今後の研究成果が待たれますが、これらの特徴を持つ人を「花粉症予備軍」とみなすことで、新しい商品やサービスのアイデアが生まれ、新たなマーケットを生み出すかもしれません。