客単価増の効果も?アップルも参入した「BNPL」とは

オンライン決済の普及が加速するなか、決済の方法も多様化の一途をたどっています。そんな中、今世界中で急速に利用者数を伸ばしているのが、BNPL(Buy Now Pay Later、今買って後で払う)です。アメリカのオンライン決済サービスPayPalは2022年6月にBNPLサービス「Pay Monthly」を導入、アップルも同月に開催したイベントで、BNPLサービス「Apple Pay Late」を導入するなど、大手の参入が世界中で相次いでいます。

ここで、改めて、BNPLの仕組みをおさらいしてみましょう。BNPLはその名のとおり、いわゆる後払いのこと。たとえば、ECサイトで買い物をしてBNPL決済を選ぶと、BNPL業者が商品の代金をECサイト運営者に対して立て替え払い、消費者は商品を受け取った後、一定期間内にBNPL業者に代金を支払います。先に商品を買って、後で支払うという仕組みは、従来のクレジットカードや分割払いと同じですが、BNPLは手数料や利息が無料であることが最大の特徴。また、クレジットカードのように審査もなく、カードを保有しなくても利用できる点でも支持を集めています。BNPL業者への支払いは、現在のところ商品購入後にメールで送られて来るQRコードをコンビニで提示して支払う方法が一般的ですが、最近では、スマホの決済アプリによる支払いができる業者も出てきています。

BNPLの利用者は客単価が高く、リピート購入率も高いことが指摘されており、スウェーデン発の大手BNPL決済サービス「Klarna」は公式ホームページで、同社のBNPLを導入した業者は購入単価が平均41%、コンバージョンレートも30%増加し、新規顧客も増えていることを発表しています。また、アジアでBNPL決済サービスを提供するAtomeのBNPLを導入したアパレル大手SHIENは、客単価が32%、リピート率は2.34倍に増加したと報じられています。BNPLの成長を牽引しているのは若年層で、SHIENのBNPL利用者もそのほとんどが30歳以下でした。

日本でも急拡大するBNPL市場

海外で急速に拡大するBNPLですが、少し遅れて日本でも導入する企業が増えつつあります。矢野経済研究所が行った「EC決済サービス市場に関する調査(2022)」によると、2020年度のBNPLサービス市場は8790億円だったのに対し、翌2021年度には1兆円を突破。同研究所ではBNPLについて「若年層や主婦層等のクレジットカードを利用しない層を中心に利用が広がり、クレジットカードを保有しているユーザーにおいても、クレジットカードと使い分けて後払いを利用するなどの動きがある。宅配業者と対面を避けるため代引きから後払い決済への移行が進むなどして、市場は堅調に拡大」すると分析、さらなる利用環境の整備に伴うユーザーの裾野拡大などを背景に、BNPL市場は2025年には1兆9000億円に達すると予測しています。今後、決済手段の選択肢としてBNPLを求める消費者の声はますます高まっていくことは、間違いないようです。

メリットは多いが、注意点も

EC事業者側にとっても、BNPL導入のメリットは多く、前述した客単価・リピート率向上のほか、取引成立後、BNPLサービス業者が販売額全額をすぐに立て替え払いしてくれるため、客の分割払いを待たずに済み、スムーズな資金繰りが可能になる点も支持を集めています。

とはいえ、EC事業者にとってBNPLは決して「良いことづくめ」ではありません。最も注意しなくてはならないのは、手数料の問題です。従来の後払い・分割払いでは、手数料や利息は消費者側が負担するのが一般的でした。一方、BNPLの場合、後払いの手数料は消費者ではなく、EC事業者側が負担することになります。手数料はBNPLサービス事業者によって異なりますが、概ね販売額の7~12%。BNPLでの売り上げが増えれば増えるほど、手数料の負担が増え、利益を圧迫しかねないことに注意が必要です。また、後払いの安心感から気が大きくなって買い物をし過ぎた消費者が返品をする例も多く、その返品にかかる費用負担への懸念も指摘されています。BNPLを導入する際には、このあたりのリスクを十分考慮し、手数料などの条件をしっかり比較検討した上で業者を決定するようにしたいものです。

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