Audience Targeting (オーディエンスターゲティング)

オーディエンスターゲティングとは?

オーディエンスターゲティングは、消費者を条件の違いによってグループ分けする手法です。通常、このグループのことをセグメントと呼びます。たとえばオフラインのオーディエンスの場合、視聴しているテレビ番組、購読している新聞など、さまざまな条件でグループ分けすることができます。オンラインのオーディエンスの場合には、興味・関心の他にも購入パターンといったシグナルによって、類似するユーザーをさらに見つけやすくなります。よく用いられる条件としては、人口統計、興味・関心、オンラインの行動傾向、購入意欲などがあります。

オーディエンスターゲティングで重視なのは、対象となるオーディエンスに適切なメッセージでリーチすることです。ユニークセグメントを作成すると、セグメントごとに異なるメッセージでアプローチするユニーク広告を作成することもできます。また、オーディエンスターゲティングは、御社のオファーに興味のない人に無駄なコストをかけないようにする手段としても有効です。

オーディエンスターゲティングには、大きく分けて4つのタイプがあります。

人口統計ターゲティング

次のようなデータに基づいてオーディエンスを分類します。

  • 年齢
  • 性別
  • 収入
  • 学歴

たとえば、スキンケア用品のブランドが35~65歳の女性を選んで広告を配信する場合などがこの例です。

地域別ターゲティング

位置情報に基づいてグループを特定する手法です。例えば、次のような条件を用います。

  • 市区町村
  • 郵便番号

例えばスキンケア用品を実店舗で販売しているのなら、店舗に近い地域の郵便番号に的を絞ってターゲティングすることができます。

興味・関心ベースのターゲティング(心理統計的ターゲティング)

共通の興味・関心や傾向をもとにオーディエンスをグループ分けする手法です。例えば御社がオーガニックのスキンケアシリーズを展開しているのなら、自然派ブランドや環境保護意識の高い企業に関心を示す女性にターゲティングしたいと考えるでしょう。

行動ターゲティング

個別に観測したオンラインの行動データに基づいてオーディエンスを構築する手法です。よく用いられるものとして、次のような条件が挙げられます。

  • 閲覧したカテゴリーと商品
  • カートに追加された商品
  • 購入履歴のある商品
  • オンライン広告へのエンゲージメント

例えば、最近スキンケア製品を閲覧したり、購入した人をターゲットにすることができます。

オーディエンスを分類する元になるデータは? 

ターゲットオーディエンスの特定は、データから始まります。企業がオーディエンスの構築に最もよく利用するデータは次の2つのタイプです。

ファーストパーティデータ

企業が直接所有している独自のデータです。顧客リスト(オンラインとオフラインの両方)、ウェブサイトの訪問者、ソーシャルメディアのフォロワーなどが含まれますが、これもほんの一部にすぎません。これらは主に顧客関係管理(CRM)やPOSシステムのデータですが、そのメリットは精度が高い上に無償で入手できること、そしてすでに広告主を認知していて、興味・関心が高く、エンゲージしているオーディエンスのデータだということです。ただし、今はまだ、多くの企業が大規模なキャンペーンを展開するのに十分なファーストパーティデータを収集できていないのが現実です。

サードパーティデータ

主にデータ管理プラットフォーム(DMP)やデマンドサイドプラットフォーム(DSP)などのデータプロバイダーによって集約され、企業に販売されるデータです。サードパーティデータのメリットはその量の豊富さであり、企業はこのデータを購入することでキャンペーンのリーチを大幅に拡大できるようになります。しかし、近年では消費者のプライバシー保護意識の高まりに対処するため、AppleやGoogleなどの大企業の多くがサードパーティデータの追跡と収集を可能にするサードパーティクッキーを廃止する方針を示しています。

アドテク業界は現在、Cookie廃止後の環境でも広告主が効率的にオーディエンスにリーチできる仕組みを見いだすべく奮闘しているところです。可能性の1つとして、コホート(共通する因子を持つ集団)ベースの広告が挙げられます。これは共通する閲覧行動をもとに、匿名性を保持できる(つまり個人を特定できない)ほどに十分な規模のグループに消費者を分類するという手法です。

オーディエンスの主なタイプ

広告キャンペーンを作成するにあたって、大半のプラットドームでは、あらかじめ用意されているオーディエンスの中から好きなタイプのオーディエンスを選べるようになっています。ここでは最もよく用いられるタイプをまとめて、それぞれの役割を解説していきます。

親和性オーディエンス:このタイプは、先ほど説明した、興味・関心ベース/心理統計的ターゲティングのカテゴリーに入ります。親和性オーディエンスは、特定のトピック、主義・主張、ライフスタイルに興味・関心やこだわりを示す消費者グループで、たとえば野球ファン、料理愛好家、映画館好きなどのグループが挙げられます。

インマーケットオーディエンス:このオーディエンスタイプは行動ターゲティングの一部に分類され、商品・サービスを実際に検索している消費者のグループです。 

類似オーディエンス:機械学習を活用し、顧客とウェブサイト/アプリの訪問者の行動・特徴を分析することで共通性を特定し、これらの特徴に一致する消費者を見つけ出すために作成されたオーディエンスです。この手法は興味・関心を持つ可能性が高い新規顧客へのリーチに用いられます。

顧客マッチ:オフラインまたはオンラインの既存顧客から構築されるオーディエンスです。通常は顧客や販売リストをオンボーディングし、オンライン上で顧客をマッチングさせ、実店舗とウェブサイトの利用者にオンライン広告を配信します。

リターゲティング:最近ウェブサイトを訪問したりアプリを利用してはいるものの、まだ取引を完了していないユーザーを対象に構築するオーディエンスです。