2020年、福袋も「体験」の時代に

 

トレンドは体験型福袋と・・・?

2020年がいよいよスタートしました。日本のお正月の風物詩といえば、デパートの初売りと福袋。皆さん、今年は福袋を買いましたか?
今年は令和最初のお正月とあって、福袋商戦は例年にも増して盛り上がりを見せました。例えば、東京・池袋の西武百貨店池袋本店では、福袋目当てに元旦から2万人もが店頭に詰めかけたのだとか!消費増税のあおりで消費縮小が懸念される中でも、福袋の人気は衰えていないようです。

では、今年はどんな福袋が話題と人気を集めたのか、トレンドをおさらいしてみましょう。

トレンド1:体験型福袋

今年の福袋のトレンドは何と言っても、「体験型」であること。たとえば、松屋銀座店では「紳士雑貨1500gまで のせ放題福袋」(7,700円)や指定の袋に好きなだけ缶詰を詰め込める「缶詰ノックオン福袋」(3,001円)など、店頭で何らかの体験をしながら買い物が楽しめる福袋が話題に。

また、東武百貨店池袋本店では、マグロの寿司や海鮮丼が2020秒間食べ放題になる「2020秒限定イートインメニュー食べ放題」や、プロのユーチューバーに動画の撮影・編集のコツが学べる「未来のYouTuber育成福袋YouTuberと一緒に動画を作ろう!」(1万円)などが話題を集めました。

トレンド2:カスタマイズ型福袋

そして、もう1つのトレンドは、カスタマイズ型であること。たとえば、東武百貨店池袋本店では、好きな果物20種類、野菜20種類が選び放題の福袋(2,020円)が登場。松屋銀座では、「選べる3点!自分だけのとっておきジュエリー福袋」(3万3,000円)や好きな香りが選べる「選べるルームスプレー3点入り福袋」(3,300円)が登場し、人気を博しました。以前は、福袋といえば「何が入っているのかわからない」のが楽しみでも有り、不安でもあったのですが、カスタマイズ型福袋は当然中身が事前に確認できるので、「自分好みではないものは、要らない!」という人にも安心して購入できますね。

トレンド3:記念型福袋

令和初のお正月という節目を記念した福袋も発売されました。西武百貨店池袋本店では、「令和」と書かれた純金製の小判と尾長鶏の置物がセットになった福袋(222万2,000円)が話題に。また、高島屋では、新元号「令和」を発表するにあたって菅官房長官が掲げていた「令和」の書を揮毫した著名書家・茂住菁邨(もずみ せいそん)氏が好きな文字を書いてくれる福袋の抽選販売が注目を集めました。

狙いは「買い物の楽しさ」の実体験

以上、2020年の福袋のトレンドを振り返ってみましたが、これら3つのトレンドには、ある共通点があります。何でしょうか?

そう、いずれも「福袋を店頭で見る・買う」ことを前提としていることです。体験型はもちろん、デパートに来て何かを体験してもらうことが狙い。例えば上に紹介した「紳士雑貨1,500gまで のせ放題」や「缶詰ノックオン」は「あといくつのせられるかな?/詰められるかな?」と楽しみながら買い物ができます。「これなら、もう1つ入るのでは?」「こちらの方が軽いのでは?」などと、店のスタッフや他のお客さんとの会話も弾むかもしれません。

カスタマイズも同じく店頭で実際に自分の好みの商品を選び、自分だけの組み合わせを作る喜びを味わいながらショッピングを楽しむことができます。上で紹介したルームフレグランスなら、テスターの香りを1つひとつ嗅ぎながら好みの香りを選べますし、ジュエリーなら1つひとつ指にはめてみながら、自分に似合う組み合わせを選ぶ楽しみがあります。

純金の小判と尾長鳥の置物についてはどうでしょうか?実際にこういった高価な記念品を買う人・買える人はあまり多くはないでしょう。でも、豪華で縁起が良さそうなアイテムを見てみたいという人は多いものです。話題の品を見に行って、ついでに他の福袋や初売りのセール品を買って帰る・・・という人もいるにちがいありません。

また、「令和」の揮毫のように抽選式の福袋では、抽選の申込みをオンラインではなく店頭でできるようにすることによって、店頭に顧客を誘導する効果も期待できます。

日常の買い物でデパートを訪れる機会が少ない人であっても、お正月の華やかなデパートで福袋を買うことによって、デパートでの買い物ならではの「ワクワク感」を思い出してほしい・・・デパート側のそんな願いを伺い知ることができそうです。

もちろん、店頭に行くのが好きな人ばかりではないので、最近では、オンラインで予約して買える福袋も増えています。

いずれにせよ、福袋の人気は年々高まるばかり。オンライン・オフラインの境目が曖昧になりつつある今、マーケティングツールとしての福袋の可能性はますます大きくなっていくと言えるのではないでしょうか。