「脱キレイ目」が増加!コロナで変わる女性の生活とファッション観

コロナによって大きく変わった私たちの生活。リモートワークでオフィスに通勤する日が減ったり、友達とランチや飲み会に繰り出したり、パーティやイベントに参加したり・・・という「ハレ」の場が減ったことで、「あれ、最近おしゃれしていないかも!?」という人も多いのではないでしょうか?

そこで今回はコロナ禍における女性の生活やファッション観の変化についてのアンケート結果をご紹介します。

平日、休日ともに半数以上が生活の変化を実感

通販大手フェリシモが2021年2月~3月に女性約1000人を対象に行ったアンケート調査によると、ここ1年で平日の生活に変化があったと回答した人は全体の53%、休日の生活に変化があったと答えた人は62%にのぼりました。

平日については、「基本的に、職場と自宅との往復のみの生活に。寄り道をしなくなりました」、「家族が在宅になり会話が増えたり楽しい面と主婦にはやはり食事の面や家事の負担は増えたように思う」、「平日は毎日出勤だったのが80~50%の出勤になり、外に出る事が極端に減った」といった声が。休日については、「人出が多いだろう休日はなるべく買い物にも行かないようにすることが多くなった」、「休日を家で過ごす事が多くなった為、料理や手芸的な事で時間をつぶす事が多くなった」、「週末や祝祭日は、ライブハウスやイベントに行っていたが、イベント自体がなくなり、出かける頻度がかなり減った」と言う声が寄せられました。

では、こういった生活の変化に伴って、ファッションはどう変わったのでしょうか?同じくフェリシモの調査で「在宅勤務時の服装」についてきいたところ、在宅勤務をしていると回答した117人のうち過半数を超える69人が「通勤時よりリラックスした服装」、27人が「上下とも動きやすい服装」と回答。「スウェットやパジャマ」と回答した人も12人いました。

出典:株式会社フェリシモ プレスリリース

「脱キレイ目」で進むカジュアル化

続いて、ここ1年間のファッションへの意識の変化について聞いたところ、最も多かったのは、「ネットでのお買い物が増えた」(65%)、次いで「手持ちの洋服の整理(処分)をした」(49%)、「リラックスしたファッションを好む傾向に」(46%)、「より素材にこだわるようになった」(34%)でした。

では、具体的にどのようなアイテムやポイントが重視されるようになったのでしょうか?アンケート回答者の声を聴いてみましょう。

「友達と会う機会が減ったので外で着る服よりも家でのんびりするための服を買うことが増えた。逆に置物や時計などの小物などに興味が出てネットで買うことが増えた」

「通勤服は手を抜くようになったが、家でのリラックスウェアには逆にお金をかけるようになった」

「服の数を減らして、少ないものを着回すようにしたいと考え始めた」

「外出しなくなったので、家で着る服や下着を意識するようになりました。肌触りのいい綿やシルクにこだわるようになりました」

仕事やおでかけ用のおしゃれな服は買わずに断捨離を進め、代わりに着心地が良く上質な「リラックス着」や家に飾るインテリアにお金をかける・・・という人が多いようです。

では、具体的にどんなファッションアイテムが売れているのでしょうか?

フェリシモのアンケートでは、1年前と比べて、「購入がかなり増えた」「やや増えた」と答えた人が最も多かったのは「スウェット・パーカー」。そのほか上位には「靴下・ルームソックス」、「スニーカー・スリッポン」、「パンツ・キュロット」、「部屋着上下セット」、「ロングT・Tシャツ」、「ワンピース(カジュアル)」、「インナー」といった、カジュアルでリラックスできるスタイルのアイテムがずらりと並びました。

逆に「購入がかなり減った」「やや減った」と回答した人が最も多かったのは、「アクセサリー(ネックレス・ペンダント)、次いで「アクセサリー(イヤリング・ピアス)」や「ヒールのある靴」「スカート」「ワンピース(きれいめ)」「バッグ」などが続き、いわゆる「きれいめ」ファッションに欠かせないアイテムの売れ行きが落ちていることがよくわかる結果となっています。

アンケート回答者からは、「きれいめな服装をしなくなった分、ヒール靴やアクセサリー、バッグの購入をしなくなった」、「自家用車を運転する機会が増えスニーカーを履くようになり、スニーカーと靴下の購入が増えた」といったリアルな声が。たしかに、街をあるく女性を見ていると、以前に比べてローヒールの靴&ゆったりとしたパンツやロングスカート姿の人が圧倒的に増えているのがわかります。生活様式や働き方の変化で日常の行動が変わり、行動の変化によって「欲しい」と思うファッションにも大きな変化が起きているようです。

こういったファッション意識の変化は、当然ながらアパレル業界に大きな影響を与えています。アパレル大手の2021年2月期連結決算によると、百貨店を主な販路とする三陽商会は、コロナ禍による外出自粛や臨時休業の影響で、最終赤字が49億円に。オンワードホールディングスもインターネット通販の売り上げは前期比で3割程度増えたものの、店舗の臨時休業の影響が大きく、全体の売上高が3割近く減って、231億円の最終赤字を計上、不採算店舗約1700店舗の閉鎖を発表しています。緊急事態宣言の延長が決まる中、コロナ禍で迎える2度目の夏も、アパレル業界にとっては試練の夏となりそうです。