新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界的に大きな打撃を受けている旅行・観光業界。日本ももちろん例外ではなく、流行前まで好調だったインバウンド需要もすっかり落ち込み、残念ながら廃業に追い込まれたホテルや旅館も少なくありません。

6月19日にようやく県をまたぐ移動の自粛要請が解除されたことから、本格的に国内旅行の再開が期待されるところですが、感染への懸念から「3密」を避ける傾向がますます高まっている中、従来と同じ戦略では旅行客の心を捉え、消費を促すことは難しいだろうと指摘されています。確かに不特定多数の人が密集する飛行機や新幹線での移動、バイキング形式の食事、大勢の人で賑わう観光地・・・といった、従来どおりの旅のスタイルがそのまま戻って来るとは、考えにくいと言わざるをえません。

では、ここから先、旅行・観光業界は、どのようなアプローチをすれば、国内需要を回復させることができるのでしょうか?どうすれば、しぼんでしまった人々の旅行意欲を掻き立てることができるのでしょうか?

「感染拡大予防と地域経済活性化の両立」を目指す「マイクロツーリズム」とは

この難題を解決するためのヒントとして、注目を集めているキーワードが「マイクロツーリズム」です。マイクロツーリズムは

2020年5月に星野リゾートの星野佳路代表が提唱した、これまでにない新たな旅のスタイルのこと。星野代表は「(With Coronaの状況下では)旅を目的とした遠出や都道府県をまたぐ遠距離移動は得策ではない」という判断のもと、車で30分~1時間程度で行ける地元エリア内の観光を推進することによって「ウイルス感染拡大予防と地域経済の活性化を両立する観光を目指すべき」とし、その旅のスタイル、すなわちマイクロツーリズム(小さな旅)を、日本の国内旅行・観光業復活の第一歩にしようと呼びかけたのです。

たしかに自家用車で30分~1時間の距離なら、感染が懸念される公共交通期間を利用しなくても自家用車またはレンタカーなどで容易に移動ができます。また、県外からの観光客に対して敏感になっている地域住民の不安を刺激するおそれもありません。

さらに、これまで身近であるがゆえにかえって行ったことがなかった地元の観光地やイベントを訪れることにより、地域の歴史や文化をより深く知ることができ、文字通り「地域再発見の旅」を楽しむことができるというメリットも。

移動の時間や負担が少ない分、目的地で余裕をもって過ごすことができ、「心身ともにリフレッシュして、明日への活力とする」という旅本来の醍醐味を存分に味わえるのも、マイクロツーリズムの醍醐味と言えるでしょう。

マイクロツーリズムの提唱は、いきなりコロナ前の状況に戻るのではなく、まずは近場の小さな旅から再開し、感染の状況を見ながら、少しずつ多彩な旅の楽しみ方を取り戻していこうという提唱でもあるのです。

マイクロツーリズムに適した情報発信とは?

もっとも、近い・移動距離が短いことだけでは、旅行客を呼び戻すには不十分。旅行客を受け入れる施設・観光地側には感染予防のための「3密」を回避する工夫と配慮が欠かせません。

たとえば、今までレストランや広間で提供していた食事を各客室での提供に変更する、共同浴場の使い方を見直す(時間帯別にするなど)、混雑が予想されるイベントや施設は事前予約制にするなど、新しいスタイルの楽しみ方を提案し、利用客の理解を得ながら実践していく必要があります。

ここで重要になるのは、こういった感染予防の取り組みを実施するだけでなく、広く周知すること。ちゃんと対策がしてあることが事前に確認できれば、「行ってみたい」「行ってみようかな」と思う人も多いはずです。

また、旅行のあり方が変化するに伴って、旅行客の情報収集の手段にも変化があらわれていることを見逃さないようにしてください。

これまでは、大手ポータルサイトで宿泊施設やツアーを探す方法が一般的でしたが、マイクロツーリズムでは、旅先が近隣地域に限定されているため、目的地よりもむしろ「その場所でどんな経験ができるのか」を重視する人が増えるはずです。こういった情報は大手ポータルサイトで検索するのではなく、個々の施設やローカルメディアのHPやSNS,あるいは実際にそこを訪れたユーザーのSNSなどから集めようとする人が多いのが特徴です。

各施設はポータルサイトに頼るだけでなく、これまで以上に自社発信のコンテンツマーケティングに力を入れること、単なる施設や食事の紹介ではなく、マイクロツーリズム客の心をとらえるキーワード(例えば 3密回避、部屋食、貸切風呂、少人数、短距離など)を駆使した情報発信をすることが求められるでしょう。

新型コロナウイルス感染の状況によって、消費者の意識や行動は目まぐるしく変化します。今後の感染状況によっては、いつまた外出自粛に戻る可能性もあり、逆に一気に旅行熱が再燃する可能性もゼロではありません。消費者の変化をいち早く察知し、柔軟に対応できることが、With Corona時代の勝者の条件であることは間違いなさそうです。

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