ソーシャルディスタンシング・エコノミーで役立つ広告戦略とは?

新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が解除されて、3か月あまり。まだ終息の兆しは見えないものの、少しずつ経済活動が再開され、人々も新しいwithコロナ時代の暮らしに順応しつつあります。Criteoでは、たとえコロナウイルスの感染拡大が終息したとしても、すっかり変わってしまった私たちの生活は、もはやコロナ以前の生活スタイルに戻ることはないだろうと考えています。もちろん、デジタルマーケティング業界も例外でなく、外出自粛により加速した消費行動の変化も基に戻ることはないと考えて良いでしょう。では、これから始まるまったく新しい世界で消費者のニーズをつかむには、どのような広告戦略が有効なのでしょうか?

Criteoでは、世界中のマーケターが頭を悩ませるこの問題に応えるべく、このほど、クイックガイド「経済再開2020ソーシャルディスタンシング・エコノミーで役立つ広告戦略とは?」を作成しました。本ブログでは、その中で重点的に取り上げた7つの課題とその解決のためのヒントについて、かいつまんでご紹介します。

課題1:広告予算の縮小

解決策:① リターゲターを1社にしぼる

複数のリターゲターを使うと費用がかさむだけでなく、リターゲター同士の入札競争に陥ってしまいます。

リターゲターを1社に絞り、こういったリスクを回避しましょう。

② 自動入札方式に切り替える

Criteoの自動入札システム「Adaptive Optimizer」を使えば、常に入札を最適化することによって収益の最大化を図ることができます。

③ ブランドクリエイティブを活用する

消費者がソーシャルディスタンシングな生活を送る上で役立つ商品やサービス、情報を伝える画像や動画を配信しましょう。非対面の配達や返品可能期間の延長といった企業努力を伝えることも大切です。

課題2:実店舗の営業自粛

解決策:① ファーストパーティデータを使って実店舗の顧客をオンラインに誘導する

実店舗のロイヤルカスタマーにオンラインでリーチするために、オフラインの取引データを活用してオンラインでの広告キャンペーンを活用しましょう。

② 実店舗の再開にあわせてプロモーションを展開する

実店舗の再開を知らせる際には、顧客の購入意欲に応じたメッセージングを行いましょう。外出自粛期間中に競合他社に乗り換えられるおそれがある顧客には、インセンティブによって呼び戻すのが効果的です。

③  位置データを活用する

位置データを活用して、実店舗の近くにいる顧客をECサイトに誘導しましょう。

課題3:変化し続ける小売パートナー

解決策:①小売業者のウェブサイトに広告を配信する

オンラインでの検索と購入が急増している今は、各ブランドにとって絶好のチャンスです。小売業者のウェブサイトをはじめ、検索ページ、商品の詳細ページなど至るところで自社の商品をアピールするとよいでしょう。

②SKUの幅を広げる

めまぐるしく変化する消費者のニーズに迅速に対応するために、SKU(在庫管理単位)の幅を広げ、消費者のニーズに即座に応える商品を紹介する広告プロモーションを展開しましょう。

③あらゆる時間帯に広告を配信できるようにする

在宅ワークをする人が増えるに伴い、以前よりも多くの時間をオンラインで過ごす人が増えています。標準的な勤務時間にとらわれず、1日のどの時間帯にも広告を配信できる体制を整えましょう。

④インプレッションの阻害要因を取り除く

どのECサイトを利用するか迷っているロイヤルカスタマーが選びやすいように、複数の広告を配信するなどして、インプレッションの阻害要因をできる限り取り除いておきましょう。

課題4:新規顧客の獲得

解決策:① 売上が伸びているカテゴリーを追跡する

潜在顧客にエンゲージする最初のステップは、売上が伸びている商品カテゴリーを週単位で追跡することです。前の週に売上が伸びているカテゴリーを見て、その中に御社が扱っている商品が含まれているかを確認してください。週単位のデータはCriteoがHP上で公開しているダッシュボード「COVID-19による影響」で確認できます。https://www.criteo.com/jp/

②「インマーケットな」オーディエンスを構築する

購買意欲に関するデータを適切に分析し、購買意欲の高まっているユーザーを見極め、キャンペーンの対象オーディエンスに設定しましょう。

③バイヤーペルソナを構成する

今回のパンデミックで生まれた新たなペルソナを構成しましょう。たとえば在宅ワーク用に机やパソコンを購入した人たちは、今後それに関連する商品を買い足す可能性があり、新たなペルソナになり得ます。

課題5:アプリのリテンション率

解決策:①アプリならではの機能をアピールするアプリリターゲティングキャンペーンを展開する

現在ニーズが高まっているサービスや商品(ビデオ通話やデジタルエンターテインメントなど)をアプリで利用できることをアピールするためのキャンペーンを展開しましょう。

②ロイヤルティプログラムを用意する

御社のアプリを利用している顧客の中で、特に価値の高い顧客を対象にロイヤルティプログラムを提供しましょう。例えばショッピングアプリなら優良顧客に特別なロイヤルティプログラムを提供すれば、今後も他サイトではなく御社のアプリから購入し続けてくれる可能性が高まります。

③休眠中のユーザーとリエンゲージする

プッシュ通知やメール、アプリ内広告を用いて新商品の入荷状況、割引オファー、送料無料のプロモーション、定期アップデートなどを案内して、休眠中のユーザーにアプリの利用率を向上させましょう。

課題6:クリエイティブとメッセージング

解決策:①消費者の日常と強く関連する商品やサービスを提案する

ソーシャル・ディスタンシングな生活にふさわしい商品やサービスをレコメンドする広告を作成しましょう。

②消費者をサポートしている姿勢を示す

消費者の安全を守るサービス、例えば送料無料や非接触の配送スタイルなどを提供し、消費者をサポートする姿勢を示しましょう。

③広告をネガティブなコンテンツ内に表示しない

ネガティブな感情を喚起するようなコンテンツ内に御社の広告が表示されないようにしましょう。現在の困難な状況において、不適切な広告メッセージや不適切な場所への広告配信は、御社のブランドイメージを損なうおそれがあります。

課題7:需要の落ち込み

解決策:①上位ファネル向けブランディングキャンペーンに注力する

ブランドからメッセージを発する際には、ブランドが消費者に提供できる価値を際立たせるとともに、「レジリエンス(回復力)」や消費者との「一体感」を重視してください。また、消費者が今必要としている商品・サービスをこれから提供し始める企業の場合は、上位ファネル向けのキャンペーンを展開して新たなサービスへの認知度を高め、それらの商品を検索している消費者を自社のウェブサイトに呼び込みましょう。

②購入を押し付けない

消費者が強い関心や購入意欲を持っていない限り、下位ファネル向けソリューションを押し付けないようにしましょう。購入を急かしていない姿勢を見せることが大切です。

③必要に応じて地域固有のターゲティングルールを適用する

外出自粛や店舗営業の自粛が求められた場合や、商品の配送センターで問題が発生したりした場合には、影響を受けた地域をブラックリスト化した上でオンラインキャンペーンを行い、顧客体験を最適化するように努めましょう。

以上、クイックガイド「経済再開2020ソーシャルディスタンシング・エコノミーで役立つ広告戦略とは?」の概要を簡単にご紹介しました。本編をお読みになりたい方は、お気軽にお問い合わせください。