2022年のブラックフライデーとサイバー月間:広まりつつある一大イベントに向けたマーケティング戦略

ブラックフライデーとサイバー月間が目前に迫っています。消費者はこれまで以上に早い時期からホリデーショッピングを始めるようになってきているので、今すぐにでも準備を始めるべきです。Criteoの調査によると、米国の消費者の77%は、Amazonプライムデーや、それに対抗する小売業者が7月に行うセールの期間中に、早くもホリデーシーズンのギフト購入を開始しています。これは、「ブラックフライデーは、もはやショッピングシーズンの始まりを告げる日ではなくなっている」という大きな変化の表れと言えるでしょう。

労働者不足、配送の遅延、サプライチェーンの混乱などの問題を背景に、今年はブラックフライデーよりも前からショッピングをする傾向が一層高まるものと予測されます。つまり、ブランドは より一層 ベストを尽くし、迅速かつシームレスなショッピング体験を提供する必要があるということです。

世界中で変化しつつあるブラックフライデーのニーズにマーケターがどう対応すべきかを理解すべく、Criteoは各国の小売業者から収集したコマースデータセットを分析しました。この重要なショッピングイベント期間において、今回は御社の広告キャンペーンを強化するのに役立つ主なマーケティング戦略をご紹介します。

1.サイバー月間を通じてプロモーションを行う

今月初め、Criteoは皆様に「消費者は1日だけのお買い得品のショッピングよりも、1カ月続くプロモーションを好むようになっており、サイバー月間がブラックフライデーに取って代わりつつある」とお伝えしました

Criteoのデータから、このトレンドが世界的なものであることがわかります。昨年のブラックフライデー期間における全世界のオーガニックセールスが前年比16%増にとどまったのに対し、サイバー月間全体のオーガニックセールスは前年比33%の増加となっているのです。

この事実からマーケターが読み取るべき教訓は、すべてをブラックフライデーに投じない方が賢明だということです。なぜなら、サイバー月間は、長期間にわたって買い物客とエンゲージできる絶好の機会だからです。

2.世界中で盛り上がりを見せる「サイバー月間」を活用する

Criteoのデータによると、ブラックフライデーの売上が鈍化傾向にある一方、サイバー月間が世界中で浸透しつつあります。また、サイバー月間はこれまでブラックフライデーが浸透していなかった国にも広がりを見せており、世界中で重要なイベントになりつつあることがわかります。

たとえば、ラテンアメリカでは、昨年11月の売上はパンデミック前の2019年11月の売上を55%も上回りました。2021年のブラジルにおけるサイバー月間の売上は、パンデミック前の売上と比較して48%増加しました。

そして、アジア太平洋地域の昨年11月の売上は、2019年の同月から31%増加しています。2019年と2021年の11月の売上比では、オーストラリア(+52%)とインド(+58%)が特に著しい増加を見せています。

つまり、サイバー月間は中南米やアジア太平洋をはじめ、あらゆる市場で拡大し続けています。グローバル展開しているブランドは、マーケティング予算の調整を検討してください。

3.実店舗でのショッピングを考慮したオムニチャネル戦略を策定する 

2021年に新型コロナウイルス関連の規制が緩和されたことを受け、ブラックフライデーとサイバー月間のセールでは、実店舗でのショッピングに回帰する人が増えています。昨年のブラックフライデー期間(11月26~30日)、米国のオムニチャネルの小売業者*の実店舗での売上は前年比10%増加しましたが、オンラインでの売上は17%も減少しました。

ヨーロッパでは、実店舗でのショッピングがさらに大きな回復を見せています。昨年の実店舗の売上は、前年比で146%と大幅に増加しましたが、オンラインでの売上は横ばいとなりました。(このトレンドに2020年11月末にロックダウン下にあったフランスは含まれていません。)

1年前に比べて実店舗の利用が増えていますが、Criteoが今年実施した消費者調査によると、商品との出会いの場としてのオンライン広告の人気が、昨年より高まっていることも明らかになりました。1 さらに、Criteoがまとめた売上データによると、実店舗を利用する買い物客が小売業者のウェブサイトも訪問している場合、購入頻度がほぼ2倍になっています。

Criteo「消費者センチメントの指標に関する調査」、世界、2021年4月~2022年6月、回答者数:5万9,725人。回答者:カテゴリー別の購入者(過去30日間に1回以上オンラインで購入)。

ブラックフライデーの期間中、顧客の多くはオンラインで商品を購入しますが、実店舗とオンラインのショッピングをつなぐシームレスなオムニチャネル体験を生み出せば、ショッピングジャーニーをより充実させることができます。

*期間内に実店舗とオンラインの両方で売上が向上した小売業者。

4.新規顧客の獲得を最優先して成長を促す

新規顧客獲得の狙い目は ホリデーシーズンの開始直後です。Criteoのデータによると、特に米国とブラジル、欧州の大半の国では、新規購入者が占める割合が11月初旬に増え始め、ブラックフライデーにピークを迎えます。

この期間を最大限に活用するために、データドリブンの新規顧客獲得戦術 にフォーカスしながら、関連性の高い新規顧客の興味・関心を喚起して、エンゲージメントを構築しましょう。

早い段階で新規顧客を獲得しておけば、ホリデーシーズンの残りの期間に、買い物客にリピーターになってもらうための顧客維持戦略も展開できるでしょう。

Elizabeth Kim

Elizabethは、 マーケティング分野のライターで、文化、テクノロジー、コマースが、どのように新しい方法で消費者の行動を常に形作っているかを見出すことに熱心に取り組んでいます。 ...

グローバルコンテンツ ストラテジスト