Criteo担当者に聞く! 「リテールメディア」の波に乗り遅れてはいけない理由(6)

Criteoの日本におけるリテールメディア事業の事業開発部長を務める神武秀一郎が、Criteoのリテールメディア戦略を解説するシリーズ。最終回は、リテールメディアを巡る今後の展望についてご紹介します。

さらなる成長が期待されるリテールメディア市場

―今後、リテールメディア市場はさらなる拡大を続けるのでしょうか?

神武:はい、そう考えて先ず間違いないでしょう。コロナ禍を契機としたEC市場の拡大は、今後も緩やかならも継続すると見られており、メディアとしてのECサイトの価値は、今後ますます向上していくものと見られています。実際、Amazonは2021年だけで実に311億ドルの広告を発売し、YouTubeを超える広告プラットフォーマーに成長、Walmartも同年、21億ドルの広告収入を得たことを発表しています。ECの競争激化とともに小売業者のデジタル市場におけるマージンが縮小の一途をたどっている中にあって、リテールメディアは小売事業よりもはるかに収益性の高い広告事業は、願ってもない魅力的な収入源ですから、今後は規模の大小を問わず小売業者が積極的にリテールメディア市場に参入、市場規模拡大も拡大するものと見られています。実際、eMarketerによると、今年2022年に米国のリテールメディアは前年比の31.4%増の成長率を記録し、2023年には、米国における全てのデジタル広告費用の約20%をリテールメディアが占めると予測されています。日本でも2022年3月に大手総合ショッピングサイトauPAYマーケットがCriteoリテールメディアプラットフォームの利用を開始するなど、ようやく大手リテーラーを中心にリテールメディア参入が本格的に始まろうとしています。

ポスト・クッキー時代のデジタル広告の柱に

―EC市場の拡大以外に、リテールメディア成長を促す要素はありますか?

神武:あります。最も大きいのは、世界的にますます強まりつつある個人情報保護強化の流れです。ターゲティングにサードパーティ・クッキーを使わないリテールメディアは、クッキーに依存しないアドレッサビリティが求められる、これからのデジタル広告業界において、今後ますます大きな役割を果たすことになるでしょう。

―これから参入するリテーラーがリテールメディアで成功するためには、何が必要なのでしょうか?

神武:リテールメディアのトラフィックを増やすことです。すでにサイトトラフィックが安定しているECサイトはすぐにでも導入できますが、立ち上げたばかりでまだメディアとして機能するのに十分なサイトトラフィックが獲得できていないECサイト、もしくは古すぎてシステムやデザインの刷新が必要なサイトは、リテールメディアを導入しても、期待通りの効果を挙げられない可能性が高いでしょう。

あとは、リテールメディアというビジネスモデルを正しく理解することも必要です。日本では一部で「リテールメディア=デジタルサイネージ」という誤った認識があり、リテールメディアの本質が正しく理解されていない懸念があります。すでにグローバルでは競争が激化しているリテールメディアですが、日本ではまだ黎明期。今、このタイミングで他に先駆けてリテールメディアを導入すれば、アーリーアダプターとして業界の先駆者的存在になれることは間違いありません。リテールメディアの波に乗り遅れるということは、ポスト・クッキー時代のデジタル広告の潮流に乗り遅れるということを意味します。リテーラー、ブランド、消費者それぞれにメリットがある、文字通り「三方よし」のソリューション、リテールメディアをぜひ、皆さんのデジタル広告戦略に活用してください。

―Criteoリテールメディアプラットフォームを利用したい場合は、どのようにすればよいですか?

神武:リテールメディア事業の立ち上げをサポートするサービスも提供していますし、小売業者様ご自身が主導するリテールメディアキャンペーンの一部だけをお手伝いすることもできます。リテーラーさん側のご要望に合わせて、規模の大小を問わず柔軟にサポートできますので、ぜひ一度お問合せください。担当者がしっかりご要望をヒアリングして、御社に最適なリテールメディア戦略をご提案させていただきます。