GW10連休、旅行関連需要が前年比+3,323億円増

更新日 2020年12月21日

10連休効果で海外旅行が好調

皆さん、GWの予定はもう決まりましたか?例年、GWは連休と言っても4月末と5月頭に連休が2分割されているケースが多いのですが、今年は天皇陛下の「退位の礼」が行われる4月30日と皇太子殿下が新天皇に即位する翌5月1日が祝日となることから、なんと10連休に!この「10連休効果」で、例年以上の盛り上がりを見せているのが、旅行・観光市場です。特に海外旅行の人気が高く、ヨーロッパやハワイ行きのツアーは2月の段階でほぼ完売。国内も沖縄や北海道といった人気観光地を中心に、例年以上の混雑が予想されています。

となると、気になるのは、その経済効果です。第一生命経済研究所の試算では、2019年4月27日~5月6日の旅行関連消費は前年の同時期に比べて28.9%増、実額にして約3,323億円増の14,824億円に膨らむと予想しています。10連休効果、おそるべし!しかし、この伸び率、単に連休が長くなって観光旅行の需要が伸びたから・・というわけではないようです。

皇室・日本文化がキーワード

同研究所では、今年のGWの旅行需要を後押しする要素として「改元」を挙げています。つまり、改元に伴って行われる皇室行事が報道されると、皇室やそれに象徴される日本の文化・伝統・歴史への関心が高まり、そのゆかりの地(皇居や京都・奈良)などへの国内旅行の需要の拡大が見込まれているのです。特に、注目されているのは、新天皇即位後初の一般参賀が行われる5月4日。2019年の一般参賀には平成で最多の15万4800人(前年比22.1%)が入場したことからも、皇室への国民の関心が高まっているのは明らか。5月4日、皇居には全国から大勢の人がお祝いに駆けつけるであろうことは、予想に難くありません。「GWしか休めない」という理由で旅行する現役世代だけでなく、「本来なら混雑するGWは避けるけど、今年は改元の年だから」という動機で旅行をするシニア層も多いことでしょう。

年間休日は過去最高の123日、そしてインバウンドも!

そしてもう1点、注目すべきは2019年の休日の多さ。2019年の年間休日は123日(土日、祝日、正月3が日)と過去最高に。もちろん天候や気温などによって出足が左右されるので一概には言えませんが、休日が多いほうがお出かけしやすいのは確か。おそらく、今年はGWだけでなく、年間を通じて旅行業界は活況となりそうです。加えて、インバウンドも引き続き好調!株式会社JTBの予測では、2019年の訪日外国人は3,550万人と過去最高を記録する見込み。9月~11月にかけては国内各地でラグビーワールドカップも開かれることから、インバウンドへの期待はさらに高まりそうです。第一生命経済研究所では、訪日外国人の国内旅行需要も2019年は前年比+3,363億円の48,727億円に達すると予測しています。

GW、活況なのは旅行業界だけ?

とはいえ、GW10連休の恩恵を受けるのは、旅行業界だけではありません。Criteoが2017年に行ったGWの購買行動に関する調査では、GW前には求人活動が活発になることがわかっていますし、GW期間中はモバイル経由の売上が年間最多を記録していたことも判明。GW前に就職先・転職先を決めたいという人が多いこと、GW期間中(特に移動の途中などで)モバイルでネットサーフィンをしている人が多いことを意味しています。そう、業界を問わず、ECサイトを運営する企業にとってGWウィークは一大ビジネスチャンス。さあ、もうあまり時間はありません。万全の体制でGWを迎えられるよう、効果的なキャンペーンの準備を始めましょう。