コロナ禍を機に急成長する和食器EC市場に注目

更新日 2023年01月24日

自粛期間後も「自炊頻度変わらない」が9割

コロナ禍で外食の機会が減った分、おうちごはんを楽しむ機会が増えた人も多いのではないでしょうか。2022年に入って行動制限が緩和されて以降も、外食よりも自宅での食事を楽しむ人が増えています。国内最大級のレシピ動画プラットフォーム「クラシル」が10~60代の約4000名を対象に行った調査で、外出制限が解禁された2022年4月以降のユーザーの調理頻度を聞いたところ、「減った」は平日・休日共に10%程度にとどまり、「増えた」「変わらない」が90%と、自炊の頻度に大きな変化は見られませんでした。3年にもおよぶコロナ禍で、自炊が生活に定着した人が多いことが伺えます。

2022年4月以降の調理頻度の変化。出典:クラシルプレスリリース

好調!食器・キッチンアイテム市場

こういった食生活の変化を背景に、世界的に売上を伸ばしているのが食器・キッチン小物・調理器具です。特に「外食に行けない分、いつもの食事を豊かな気持ちで楽しみたい」という願いの表れか、クックパッドとARUHIが行った調査で「2020年4以降に新しく買ったもの、買い替えたもの」について聞いたところ、「調理器具・食器」(12.7%)は「調理家電」(15.2%)に次いで2番目に多い結果となりました。

2020年4月以降に新しく購入したもの、もしくは買い替えたものは?出典:クックパッドプレスリリース

また、食器への需要の高まりは越境EC市場でも顕著に表れています。BtoBの越境ECサイト「SD export」を運営する(株)ラクーンコマースが行った調査で、売上上位国である香港、台湾、アメリカの売れ筋商品を、コロナ前後で比較したところ、コロナ前後で売上が最も増えた商品は「食器・キッチンアイテム」で、2020年の香港、台湾、アメリカの売上合計が前年比5倍に増えたことが明らかになりました。

和食器をECで~「おうちで楽しむ陶器市」をコンセプトに成長を続ける「うちる」

食器の中でも、特に注目を集めているのが和食器です。和食器とは、和食に用いる食器の総称で、日本には全国各地に和食器を焼く窯元が存在しています。萩焼や波佐見焼、有田焼など全国的に知られている焼き物ブランドの他、独自の作風を追求して和食器を作る個人作家も多く活躍しています。コロナ前、そういった窯元や作家と消費者の「出会いの場」は、主に各地で開催される「陶器市」でした。しかし、コロナ禍による外出自粛・イベント自粛により、それまで当たり前だった「陶器市に足を運んでお気に入りの窯元や作家と出会う」というチャンスは失われてしまいました。

「ECで売ればいいじゃないか」という声も聞こえてきそうですが、ITに関する一定の知識が必要で、しかも割れやすい陶器を発送しなくてはならないEC市場への参入は、一般的な窯元や作家には、かなりハードルが高いものです。和食器を買いたい消費者が増えている、でもリアルでの買い物場はコロナのせいで制限されている・・・・・、このジレンマを解消する画期的なサービスを打ち出したのが、「おうちで楽しむ陶器市」をコンセプトに成長を続ける和食器ECサイト「うちる」です。

独自の視点でセレクトした全国の窯元や陶芸作家の作品を販売する「うちる」は、単なるECショップとしてだけでなく、作家との出会いの場としての評価も高く、30~50代の女性を中心に支持を集め、特に2020年以降はコロナ禍による「すごもり需要」の追風もあってユーザー数・売り上げともに拡大が加速、開業10周年にあたる2022年には月間アクティブユーザー20万人を超える人気サイトへと成長を遂げています。「うちる」の魅力は、なんといっても商品選びや情報収集が楽しめる上質で豊富なコンテンツ。コンテンツや商品ページを見ていると、まさにコンセプトのとおり、陶器市を巡っているような楽しい気分を味わうことができます。

また、うちるはデジタル広告戦略にも優れ、コロナによる行動制限解除後も、新規アクセス数やリピート数向上を目的とした施策を実施、売上を安定して伸ばし続けています。Criteoでは今回、うちるを運営する株式会社ユーチルの竹澤秀明・代表取締役社長にインタビュー。Criteoのソリューションを活用した広告戦略とその成果、今後の展望などをお聞きしました。この機会に、ぜひこちらからお読みください