世界で規制強化進む「ダークパターン」。御社のECサイトは大丈夫ですか?

2021年04月19日

ECサイトで商品を注文したら、いつの間にか「定期購入」や「メルマガ購読」を申し込んでいた・・・という経験のある方も、少なくないのではないでしょうか?

このように消費者のスキをついて余分な注文やメルマガ購読などを促す仕掛け「ダークパターン」が、世界的に問題視されており、欧米では消費者を惑わす危険なサイト設計として規制が強化されつつあります。日本ではまだルールが整備されていないこともあって規制が遅れており、日本経済新聞社の調査によると、国内主要サイトの約6割でダークパターンが確認されています。

そもそもダークパターンとは?

ダークパターンとは約10年前にイギリスのウェブデザイナー、ハリー・ブリヌル氏が作った新しい言葉で、消費者を不利な決定に誘導する表記やサイト設計のことを指します。

<主なダークパターンの手法>

  • 最初から定期購入にチェックが入っている
  • 最初からメルマガ購読にチェックが入っている
  • 第三者の行動を知らせて購入を促す(例:「現在、この商品を〇〇人が閲覧しています」)
  • 在庫の少なさを強調して購入をあおる(例:「残り〇品のみ」)
  • セールの時間制限を強調して購入をあおる(例:「本日15時までの限定価格」)
  • 特定のボタンの色や大きさを変えて会員登録や購入に誘導
  • キャンセルやサービス退会の手続きを必要以上に煩雑にし、キャンセルや退会を阻む

欧米では巨額の罰金が科された例も

ダークパターンは消費者を不利な状況に追い込む悪質なサイト設計として世界的に問題視されており、欧米では次のような規制が進んでいます。

<主な規制の動き>

  • GDPR(EU一般データ保護規制):同意欄の事前チェックが規制に抵触するおそれあり
  • アメリカ連邦取引委員会:退会方法の複雑なサイトの運営者を提訴
  • ワシントン州がダークパターンによる同意取得を規制する法案を提出
  • カリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)が解約手続きを複雑にするダークパターンを禁止

実際に、サイトの表記や設定にダークパターンが認められたとして、サイトの運営者が摘発されたケースも報告されています。

  • 通信教育「ABCマウス」→あえて退会手続きを難しくしていたとして、アメリカ連邦日取引委員会から提訴され、解決金約10億円を支払い。
  • 大手民泊サイト「エアービーアンドビー」→料金総額を予約最終段階まで提示しないサイト設計がダークパターンと批判され、表示を改善

日本では約6割のサイトがダークパターンを採用。対応の遅れが命取りになることも・・・

このように世界的にダークパターンへの規制が強化されるなか、日本では対応が遅れており、日本経済新聞が明治大学とプリンストン大学から助言を受けて行った調査では、調査対象とした100の主要サイト中、62のサイトでダークパターンが確認されました。

日本のサイトで多く見られるのが「誘導」で、日経新聞の調査では100サイト中、58サイトで確認されました。うち、最初からメルマガ購読にチェックが入っていたサイトは51サイト、商品の定期購入にチェックが入っていたサイトも2サイト確認されました。このチェックを外さないで商品を購入してしまうと、知らない間にメルマガの購読や商品の定期購入を申し込んでしまうことになり、消費者は不利益を被ってしまいますが、日本の現行法ではこういった「誘導」タイプのダークパターンは合法の範囲内であり、特に罰則などを科す規制はありません。

しかし、日本企業のサイトであっても、仮にEUやアメリカの消費者に同様の不利益を与えてしまった場合、GDPRやCCPAの規制の適用を受け、巨額の罰金や解決金を科されるおそれもゼロではありません。また、日本でも消費者庁が悪質なダークパターンから消費者を守るために、特定商取引法の改正に向けた取り組みを始めています。

こういった法規制によるリスクを避けるためにも、また消費者とよりフェアで良好な関係を築くためにも、ECサイト運営各社には、自社サイトにダークパターンが認められないかを自主点検し、認められた場合は速やかに改善するなど規制強化に先んじた迅速な対応が求められています。

参考文献:日本経済新聞2021年3月27日日刊

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