参加者3億人超!Plastic Free July

お弁当容器、ペットボトル、生鮮食品のトレイ・・・・、気が付くと毎日たくさん使っているプラスチック製品。しかも、その多くが使い捨てです。海洋プラスチックなど、プラスチックごみが環境に及ぼす問題のことを考えると使わないほうが良いとは思いつつも、プラスチック製品が溢れている今の日本では、普通に生活しているだけでは、「プラスチック断ち」は難しいのが現実ですよね。では、一定期間だけでも意識してプラスチックを使わない生活をしてみるのはいかがですか?

実は7月は全世界で3億人超が参加する「Plastic Free July」が行われる月なのです。

Plastic Free Julyは2011年にオーストラリアに住む女性レベッカ・プリンスルイズさんが始めた、参加型の「脱プラ」チャレンジのこと。2011年の6月に地元のリサイクル施設を訪れ、圧倒的な量のプラスチック廃棄物に衝撃を受けたというレベッカさん。さらに、リサイクルできるプラスチック廃棄物は全体のごく1部だということを知ったレベッカさんは「廃棄物をリサイクルすることも大切だけど、それよりもプラスチックを使わないようにすることが大事なのでは」と気づいたのだそう。そこで、翌7月から1か月間、知人らに呼び掛けて使い捨てのプラスチックを使わないで暮らす実験「Plastic Free July」を始めました。

当初40名ほどの仲間で始めた実験は話題を呼び、参加者が徐々に増加。10年経った今では全世界130か国以上、3億人以上が参加する一大ムーブメントへと成長しています。日本でもFacebookで公開グループ「プラスチックフリーJuly Japan」が立ち上げられるなどして活動の輪が広がっており、生徒の体験学習の一環として取り組む学校も出てきています。

とはいえ、「1か月間もプラスチックを使わないなんて無理・・・」、「すごく不便な生活になってしまうのでは?」と不安を感じる人や、「いつも使っているプラスチックの代わりに何を使えばいいのかわからない」という人も多いことでしょう。

そんな人は、Plastic Free Julyの公式ホームページをチェック。世界中の参加者から寄せられた様々な「脱プラ」アイデアがシーン別に紹介されています。いくつか例をご紹介しましょう。

At school

  • 脱プラ委員会を作る
  • プラスチック不使用を呼び掛けるポスターを貼ったり、イベントを企画したりして、脱プラ意識を啓発する活動を行う
  • 「プラスチックを使わないランチの日」を設ける。
  • プラスチックを使わない容器でランチを持参する、学生食堂や給食でプラスチック容器や包装を使わない。
  •  学校で出るごみを点検・計量する日を設ける
  • 自分たちが出している廃棄物の量の多さを確認し、ゴミを減らす意識を育む
  • 文房具や教材を見直し、プラスチックが使われていない製品に換える

At work

  • 職場の給湯室(にあるプラスチック用品(使い捨てカップ、ストロー、ゴミ袋、カトラリー、サランラップなど)を洗い出す
  • リユース可能な代替品に換える。この際、例えば紙コップや竹ストローなど同じく使い捨ての製品に換えないこと。洗って繰り返し使える陶器やガラスのコップなどを使ってゴミの量をふやさないようにしましょう。
  • 脱プラに職場全体で取り組む
  • 脱プラ意識を高めるために、朝食会やランチミーティングなどを開き、参加者意識を育む。
  • ワークショップを開催する
  • 「プラスチックを使わない美容とスキンケア」「クリーニングにエッセンシャルオイルを使う方法」「初心者のためのプラスチックフリー生活ガイド」「蜜蝋を使ったラップのDIY」などをテーマに社員参加型のワークショップを開催する企業も増えています。

At event

  • 風船やプラスチック製の装飾品の使用を避ける
  • 参加者に非プラスチックの容器の持参を促す、もしくは会場に用意する
  • 飲み物や食べ物のために使い捨て容器を使わないために、コップや皿、水筒などを洗ったり水を補充したりできる「洗浄ステーション」を設ける

また、1か月まるごと脱プラ期間とすることが難しければ、「1週間」「10日」など、より短い期間を「Plastic Free」で過ごすのでも十分です。「プラスチックトレイに入った生鮮食品を買わない」「レジ袋を受け取らない」「コーヒーショップにマイカップを持参する」など、できることは意外とたくさんあります。Plastic Free Julyという取り組みを友人や家族にシェアすることも、立派なアクションの1つですよね。一人ひとりが生活を見直し、環境に優しい持続可能な社会の実現を目指しましょう!