小売店舗の未来が明るい理由:日本のオムニショッパーの視点 – パート1

重要なのはオムニショッパーに対する理解の深化

オンラインの小売ビジネスが急速に発展する今、小売店舗の将来を懸念する声が多く聞かれるようになっています。こうした意見の中には、たしかに小売店舗が乗り越えなければならない大きな変化や、深刻な課題があることも事実です。しかし、オムニチャネルの動向やその将来性を深く理解することで、逆にビジネスチャンスに変換することもできるのです。市場の動向や課題をさらに深く知るべく、オムニショッパー(複数のチャネルやデバイスにまたがり買い物する人たち)を対象に、彼らの買物行動や動向などについての調査を実施しました。 Criteoの『オンライン ショッピング 顧客調査 2017』は、買物客の購入方法や購入に影響を与える要素について解説しています。この調査結果をご覧頂くことで、今まで想定していたことと、実情が異なると感じる方もいらっしゃるかもしれません。オムにショッパーを理解することで、時代、そして顧客に適したアプローチをすることができるでしょう。

「小売店舗の時代は終わりを迎えた」という誤った考え方
買物客の多くは、オンラインショッピングと店舗では異なるニーズがあると考えています。グローバルの大半の国のデータを見ると、ショッピングの大半をオンラインで行うのが好きと回答したオムニショッパーの割合は、時間があれば実店舗でショッピングを楽しみたいと回答した人の割合とほぼ同じです。実店舗は新しい商品の種類について知る、あるいは慌ただしい生活の合間を縫った娯楽の場としてみなされています。

引用:
「日本のオムニショッパーの72%は『買い物はオンラインで行うことが多い』とする一方で、72%が『時間があるときに、実店舗で買い物をすることを楽しみにしている』と回答しています」
オンライン ショッピング 顧客調査 2017

また、オムニショッパーは店舗に再び訪れたくなる要因について、人工知能やチャットボットの時代となりつつある中で、知識や経験豊富な営業スタッフの存在が今まで以上に重要になっていると回答しています。さらに買物客は、実店舗は商品を実際に体験できる場所と考え、商品の「体験コーナー」あるいは「ショールーム」など新しい店舗のスタイルも気に入っており、これらが今実店舗に求められる新しいトレンドとも言えるでしょう。

「ショッピングジャーニーの出発点は商品検索から始まる」訳ではありません。
一般的に、情報の収集には検索エンジンが使われることが多いです。しかし、最終的にオンラインで商品を購入する人の中で、彼らのショッピングジャーニーが商品の検索から始まった人の割合は、わずか3分の1程度です。大手ショッピングサイトなどは商品検索や比較などを容易にすることができますが、小売店舗のオンラインサイトは、購入意思を持つ買物客がある程度のリサーチをした後に訪問する傾向が高く、買物客と商品を繋げることができるのです。

オムニショッパーは、小売店舗のサイトを最も多く閲覧するのは、欲しいと思っている特定の商品、あるいは欲しい商品の種類が明確なときだと回答しています。小売店舗が長年育んできた顧客との関係は、このような状況において効果を発揮します。買物客は実際にどこで商品を購入するかに関係なく、買物のメカニズムの一環としてオンラインを選択しているだけなのかもしれません。多くの小売店舗では、オンラインで注文した商品を実店舖でピックアップできる「クリック&コレクト」、あるいは「クリック&シップ」などのサービスを提供しています。店頭販売とオンライン販売の両方を行う小売店舗は、そのサービス領域が広範囲に分布するため、大手ショッピングサイトよりも優位と言えるでしょう。

次回は「日本のオムニショッパーの視点」パート2をお届けします。

本トピックの詳細は、Criteoのレポート『オンライン ショッピング 顧客調査 2017』をダウンロードしてご覧ください