消費者のショッピング・ジャーニーは変化し続けています。購買プロセスが単純で直線的ものから、より複雑でダイナミックなものへと変化したことに対応しようと、多くのマーケティング担当者は、認知からコンバージョンまで一直線のコンセプトに別れを告げ、より複雑なアプローチを模索し、実践しています。 世界中の広告主たちは「広告が本当に買う気のある人に届いているのか?」という問いに直面しています。そんな中で注目されているのが「コマースメディア」という新しいアプローチです。
Criteoでは、膨大なショッピングデータとAIを活用して、消費者が「何を探しているか」「何を買おうとしているか」という“購買意向”を読み取り、それに基づいて広告配信を行う仕組みを提供しています。この仕組みを支えているのが、私たちの独自SSP(サプライサイドプラットフォーム)である Commerce Grid です。 Commerce Grid を通じて配信される「購買意向の高い広告在庫」こそが、Criteoが提唱する「コマースサプライ」です。
「コマースサプライ」とは?
コマースサプライは、商品やサービスの購入や予約といったコマースエコシステム内の広範なショッピングジャーニーをつなげるコマースシグナルを反映したインベントリの収益化を指します。 従来、こうした広告インベントリは主にリテーラーのECサイト内(いわゆるリテールメディア)に限られていましたが、Criteo ではその対象をオープンウェブにも拡大。ニュースサイトやレビューサイト、比較メディアなど、消費者が“買う前に調べている場所”にも購買意向が現れることに着目し、それらの広告在庫を「コマースサプライ」として統合管理・提供しています。
つまり、コマースサプライとは「購買意向の高い行動が観測されるあらゆるWeb上の接点において、広告主がスケール感をもって成果を出せる新たなサプライ」なのです。
コマースサプライでは多様なクリエイティブ・フォーマットが利用できます。以下の例をご覧ください。
- ユーザーが商品の検索や閲覧を行っているプラットフォームに配信されるネイティブ広告
- 買い物に関する検索結果内での広告配信
- 購入前にユーザーが商品の事前検索を行う場所でのアフィリエイトリンク
こういった様々なフォーマットに共通するカギは、ユーザーが事前に商品やカテゴリーを検索、閲覧、調査していることです。つまりユーザーは主体的に購入に向けて行動しています。このような購入意欲に基づく行動は、マーケターにとって非常に価値の高いコマースシグナル(購買意向データ)を生み出します。このシグナルを活用することで、メディアバイヤーは広告キャンペーンのターゲティングをより高精度に最適化することが可能になります。
プログラマティック広告の新興勢力
リテールメディア・ネットワークの急速な拡大はとどまることを知らず、2025年のデジタルリテール広告に対する支出は約1660億ドルに届くと予想されています。 1 コマースサプライはリテールメディア戦術を補完するアプローチを提供します。オープンウェブのリーチや規模、柔軟性といったメリットを享受しながら、同レベルの購入意欲を搔き立てます。こうしたコマースサプライの特性により、ブランドは、小売店のウェブサイトにたどり着く前など、ショッピングジャーニーの早い段階、つまり「インスピレーションの段階」でのエンゲージメントを可能にします。このことにより、早めに消費者にリーチする上で重要なシナジーを生み出すことができます。
その結果、コマースサプライは、プログラマティックなエコシステム内のコマースメディアやリテールメディアにおいてますます欠かせないものになっていきます。
また、事前の商品検索などの「購入意向シグナル」の力により、ユーザー識別子が取得できない環境でもパフォーマンスの向上が可能になります。コマースサプライはユーザー識別が困難な環境においてもキャンペーン効果を高めることができ、ブランドが消費者にリーチする方法の多様化にも寄与します。 高まるプライバシー規制により、世界中でユーザー識別子(例:サードパーティCookie)が使えなくなる「ポストクッキー時代」への対応が急務となっています。コマースサプライは、こうした制限のある環境でも効果的な広告配信が可能なテクノロジーとして注目されています。
広告主とパブリッシャー、双方に利益をもたらすスマートな広告
Criteo の SSP は、ブランドと代理店にシームレスなコマースサプライへのアクセスを提供します。普段はリテールメディア環境でしか手に入らない購入意欲の高い広告在庫を、プログラマティック広告並みの規模と柔軟性のもとで活用することができます。 コマースサプライは、ショッピングジャーニーのあらゆる段階で消費者にリーチする手段としても理想的です。インスピレーションを求めて閲覧しているプラットフォームや、贈り物のアイデアを調べるために読んでいる記事、口コミや比較サイトで価格を比較したりしている消費者にリーチしましょう。
- パブリッシャーにとってのメリット:コマースサプライは、パブリッシャーやメディアオーナーが所有するウェブサイトやアプリ、コンテンツの広告枠を効果的に収益化するためのツール群を提供します。また、質の高いデマンドソース、購買意向など従来にない消費者のシグナルを活用した高度なターゲティング機能、ユーザーエクスペリエンスを損なわない広告フォーマットなど、安定した収益化をサポートするさまざまな機能を活用できます。
- ブランド・代理店にとってのメリット:コマースサプライを活用すると、大手パブリッシャーやメディアオーナーから得たプレミアムな広告在庫に直接アクセスできるようになります。マーケティング担当者は、大規模でリアルタイム、かつ関連性の高い広告で消費者にアプローチし、コンバージョンを促進して広告対効果を最大化できます。また、消費者の検索・閲覧・比較といった豊富なコマースシグナルを活用できることで、より精度の高いターゲティングが可能になり、広告の効果と効率を高めることができます。
このように、コマースサプライは、パブリッシャーと広告主の双方にとって価値の高い新たな広告流通の形を提供します。どちらにとっても有益な関係を育てることで、ビジネス成長を支える健全なエコシステムを築きます。
こうした革新的な取り組みにより、Criteoの本機能は、世界をリードする SSP 上位10社の主な特徴に関するレポート「Frost Radar」の Frost & Sullivan’s Innovation Index において、ハイパフォーマーとして高い評価を獲得しています。
Criteo コマースサプライを活用して、キャンペーンをスケールアップさせましょう
Criteo の Commerce Grid は、ブランドや代理店がこのコマースサプライを簡単に活用できるプラットフォームです。既存のャンペーンを設定しなおしたり、複雑なセットアップをする必要はありません。Commerce Grid はメディアオーナーと直接統合されているため、マーケティング担当者は Criteo を通じてシームレスにキャンペーンを運用できるほか、Deal ID(取引ID)を通じて他のDSP経由でもコマースサプライにアクセスできます。
- Commerce Growth をご利用の場合: Commerce Growth をご利用の広告主は、ネイティブ広告が有効になっていれば、追加のサプライソースとしてコマースサプライのインベントリに自動的にアクセスできるようになります。このインベントリは、コマースファネル全体(認知~コンバージョン)で有意義な成果を促進します。広告リンクの遷移先に関する制約はありませんが、Commerce Growth の広告主はネイティブ広告のクリエイティブフォーマットを有効にし、カタログに商品単位でのID(カタログ情報)を提供する必要があります。
- Commerce Grid 経由でサードパーティ DSP をご利用の場合: 希望する DSP のディール ID を経由することで、代理店のバイヤーはコマースサプライを活用してカスタマイズされたプログラマティック・パッケージを作成することができます。Criteo のコマース・オーディエンスのシグナルと共にパッケージ化することも可能です。
また、Criteo の SSP は、Criteo 独自のコマースオーディエンスとコマースサプライの両方をネイティブに統合しています。この組み合わせによって、インテント・シグナルに基づく高精度なターゲティングと成果最大化の両立が可能になります。
ぜひ、Commerce Grid が提供するデータとパフォーマンスすべてをお試しいただき、そのメリットを実感してみてください。 利用を開始する方法について詳しくは、Criteo の担当営業にお問い合わせいただくか、弊社エキスパートにご相談ください。
1出典:eMarketer、Retail media will make up one-fifth of worldwide digital ad spend this year(今年のデジタル広告支出の5分の1をリテールメディアが占める見通し)