Googleの最新ニュースがパーソナライズド広告の未来に与える影響

更新日 2021年03月18日

今月初め、デジャヴ を感じたのは皆さんだけではありません。Googleは最新のブログ記事 で私たちを去年の1月にまで連れ戻し、ChromeでのサードパーティCookieの段階的廃止と、インターネット上で個人を追跡する代替識別子を今後作成しないことを改めて強調しました。そして、サードパーティCookieの廃止後も、Google製品内ではそうした識別子を使用することはないとしています。つまり、Googleが所有・運営するサービスの外では、一対一のパーソナライズド広告の提供を止めるという意味です。

これはビックニュースとして伝えられていましたが、実際はGoogleが1年以上前から伝えてきた内容と一貫性があり、我々の取り組んでいるプライバシーを確保した安全な広告の維持・強化への勢いに影響を与えるものではありません。むしろ、こうした取り組みをオープンなインターネット上で加速させる可能性があると我々は考えます。

また、同社の「プライバシーサンドボックス(Privacy Sandbox)」でも提示されているように、Googleは自社サービス外でCookieの後続として用いるソリューションはFLEDGEやFLoC(コホートの連合学習)など、完全にコホートベースなものになると繰り返し述べています。そして、コホートでの広告配信はCookieを使わない広告にとって重要なソリューションの1つとなりますが、Googleが独自のファーストパーティデータを独自のプロパティ内で使用し、今後もターゲティング広告を追求していくという方向性は変わりません。

これによってGoogle自身のウォールドガーデンの壁はさらに高まりますが、広告エコシステムにとってはオープンインターネットのためのパーソナライズド広告ソリューションに革新をもたらす願ってもない機会であり、消費者、広告主、パブリッシャーは価値交換のバランスを図れるようになります。これこそ、まさにCriteoが目指してきたものです。

新たな広告パラダイムのカギはファーストパーティデータ

おそらく、今回のGoogleの投稿で最も重要な点は、Cookieのない世界ではファーストパーティデータが「支配者」になるということでしょう。その意味では、今回のニュースはCriteoの戦略や製品ロードマップに変更や影響を与えるものではありません。これはむしろ、Criteoのミッションや製品のビジョンを際立たせるものであり、Criteoが運用特権を持つファーストパーティのデータアセットの重要性を浮き彫りにしました。Criteoは今、消費者がパブリッシャーやブランドに託すファーストパーティデータを基盤に、オープンインターネット上での許可ベースの広告配信実現に向け、新たなネットワークを構築しています。Criteoは透明性に優れ、かつプライバシーに配慮した方法でファーストパーティデータを接続・活性化し、広告主、パブリッシャー、消費者の将来のソリューションを開発しています。

ここで、Criteoが「ファースト・パーティ・メディア・ネットワーク 」と呼ぶアプローチを簡単にご紹介します。

そして何よりも、私たちは消費者がコントロールや選択、透明性、高価値な広告を求めていることを知っています。広告主が消費者の許可を得てパーソナライゼーションを強化し、ROIの向上を図りたいことも理解しています。さらに、パブリッシャーには、ファーストパーティデータの保護や消費者との直接的な関係改善を通じて収益を向上させる必要があることも認識しています。そこで、「Criteo ファースト・パーティ・メディア・ネットワーク」では、信頼性のあるファーストパーティデータの管理を通じてステークホルダー間における価値交換のバランスを取り、それぞれのニーズを満たすことを目指しています。

これは、世界中のコマースマーケターやパブリッシャーとファーストパーティデータを直接取引しているCriteoだからこそ、実現できるものです。Criteoは両グループに価値を提供することで「データスチュワード」という特権的なポジションに就くことができ、ネットワーク全体で使用許可済みのファーストパーティデータの保護、監視、活性化を行っています。Criteoがコマースメディアエコシステム全体でクッキーレスのターゲティングやリターゲティングを実行できるのは、このポジションに就いているからです。

また、Criteoはデータスチュワードとして、ファーストパーティデータで運用する代替のIDソリューション(Trade DeskのUnified ID 2.0などのオープンソースのものから、LiveRampのIdentityLinkなどの他社独自の取り組みまで)もサポートしています。Criteoはエコシステム全体の利益に貢献すべく、「シングルサインオン」が可能なソリューションを開発しています。このシステムを使えば、消費者は自分のデータがどのように使用されるかをコントロールすることができ、これらの識別子がオープンなインターネット上でシームレスなパーソナライゼーションを実現できるようになります。

このシステムを機能させるには、広告主とパブリッシャーがファーストパーティデータへのアクセスを強化・拡大できるようにし、同時にパーソナライズド広告を配信するメディア全体でポータブル化しなければなりません。これは2万1,000の広告主と、5,000社のパブリッシャーで構成されるCriteoネットワーク上のファーストパーティデータに接続する「Criteo ショッパーグラフ」を用いることによって実現できます。これらの接続に加え、いずれもがアドレス可能、コホート、コンテキスト、家庭用機器に紐づくデータセットを含め、クッキーレスなオーディエンスの作成・活性化が可能です。

パーソナライズド広告の未来の構築

パブリッシャーと広告主が消費者の権利を保護できるようにするとともに、購入・販売の両サイドでファーストパーティデータを接続する企業が、パーソナライズド広告の未来を形成することになるのは間違いないでしょう。Criteoは、エコシステムの両サイドに膨大なアセットを有する数少ない真のプラットフォームの1つであることを誇りとし、今後もこれらの接続と運用を積極的に展開していきます。

原則として、Criteoは消費者、マーケター、パブリッシャー、エコシステム全体にとってより良い広告配信を可能にする、透明性に優れた取り組みサポートしています。Criteoは今後もファースト・パーティ・メディア・ネットワークの継続的な成長を支えるとともに、シングルサインオンやUID 2.0などのオープンソースの代替手段を通じて、サードパーティCookieの次の広告の進化に投資していきます。そして、プライバシーサンドボックスの方向性をリードする存在となることを目指します。私たちの未来は明るいので、もうデジャヴを体験する必要はありません。

クッキーレスの世界の広告に関するCriteoのインサイトについてさらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。