AI で広告投資はどう変わるのか? MarkeZine Day Special powered by Criteo イベントレポート   

 Criteo は、2026年5月27日に開催された「MarkeZine Day Special powered by Criteo」に参加しました。
AI の進化により、デジタル広告を取り巻く環境は大きく変化しています。運用の自動化や効率化が進む一方で、獲得競争の激化や顧客接点の複雑化により、広告投資の判断はこれまで以上に難しくなっています。こうした状況を踏まえ、本イベントでは、2026 年の広告業界を見据えながら、 AI  時代に事業成長を最大化するための広告投資のヒントが共有されました。本ブログでは、当日のハイライトをお届けします。

Session1: AI 時代に問われる「投資判断」と「目利き力」 

パネルディスカッションの風景
アタラ株式会社 ファウンダー 杉原剛氏 、株式会社300Bridge代表取締役 藤原 義昭氏 、 株式会社カカクコム HRカンパニー 求人ボックスマーケティング統括部長 小島 塁氏

イベントの冒頭では、以下の登壇者3名によるパネルディスカッションが行われました。

アタラ株式会社 ファウンダー 杉原剛氏
株式会社300 Bridge 代表取締役 藤原 義昭氏
株式会社カカクコム HR カンパニー 求人ボックスマーケティング統括部長 小島 塁氏

このセッションでは、AI の進化によってデジタル広告の前提がどう変わりつつあるのかが、多角的に議論されました。印象的だったのは、単なる運用効率化の話にとどまらず、マーケターに求められる役割そのものが変わり始めているという点です。

まず議論されたのは、広告の「自動化」から「エージェント化」への移行です。入札、クリエイティブ、ターゲティングを AI が自動化することが当たり前になった今、次に訪れるのは、マーケターが設定した KPI に対して AI エージェントが自律的に対応する時代だという見方が示されました。

次に挙がったのは、ユーザーの情報接触経路そのものが変わり始めていることです。検索や比較サイトを起点とする従来型の購買行動に加え、AI との対話を通じて情報収集や比較検討が進む場面が増えつつあり、消費者接点の捉え方にも変化が求められています。

さらに、計測のあり方についても重要な示唆がありました。従来の個人単位のトラッキングに依存するのではなく、インクリメンタリティを含む複数の計測手法を組み合わせながら、事業成長にとって意味のある評価設計を行うことが、今後ますます重要になるという指摘です。

その後の Q&A では、事業責任者・経営者双方の視点から、AI とマーケティングをめぐる実務的な論点が議論されました。セッション全体を通して繰り返し語られていたのは、AI による効率化が進むほどアウトプットは同質化しやすくなり、差を生むのは「何を学習させるか」、「どう判断するか」という人の役割であるという点でした。

Session2: Criteo のエージェンティック・コマースが変える広告投資 

Criteoのプレゼン風景
Criteo アカウント・ストラテジー・マネージャー 池田俊介

このセッションでは、 Criteo のアカウント・ストラテジー・マネージャーの池田俊介が登壇し、ショッピング・ジャーニーの複雑化とエージェンティックAIの台頭によって広告の最適化がどう変わるのかを解説しました。 SNS 、検索、 EC サイト、実店舗など、消費者との接点が広がるなかで、オンラインショッピングも従来のウェブ検索中心から、 AI との対話を通じて条件整理や比較検討を進める行動へと変化しつつあります。一方で、 A Iが購買行動を完全に置き換えるわけではありません。 AI を買い物に活用する人の96%は、引き続き AI 以外のチャネルも併用しており、従来の接点がなくなったのではなく、新たな接点として AI が加わっている状態だと言及しました。だからこそ、複雑化する消費者行動を捉え、チャネル横断で全体の最適化を図る視点が、これまで以上に重要になってきています。

池田は、「 AI 時代に差が出るのは、媒体を運用する技術ではなく、何を学習させるか、そしてその学習をもとに全体をどう最適化するかにある」と説明しました。 Criteo は、コマースデータと AI を掛け合わせることで、新規顧客獲得+37%、売上+22%、 CV +7%、 CTR +20%といった成果を生み出しており、オープンウェブ、リテールメディア、 AI オプティマイゼーションを組み合わせながら、コマース全体を横断して最適化する戦略を推進しています。

Criteo が描く次世代のコマース戦略とは、エージェンティック AI、フルファネル、クロスチャネル、そしてコマースデータを掛け合わせながら、発見から購買までを一貫して最適化していくアプローチです。本セッションでは、その方向性が具体的に示されました。

Session3: 3社の事例から見る Criteo 活用の広がり 

Criteo活用事例をテーマにしたパネルディスカッションの様子
株式会社 LIFULL の金 乗海氏、株式会社カカクコム 求人ボックスの越川恭子氏、株式会社ベルーナの片山和紀氏が登壇し、Criteo の福島幸紀がモデレーターを務めたセッション

最後のセッションでは、 Criteo を活用しているLIFULL、ベルーナ、求人ボックスのマーケティング担当者3名が登壇し、 Criteo のパフォーマンス広告事業責任者である福島幸紀がモデレーターを務めました。

  • 株式会社 LIFULL LIFULL HOME’S 事業本部 コンシューマーマーケティング部 デジタルマーケティンググループ グループ長 金 乗海氏
  • 株式会社カカクコム HRカンパニー 求人ボックス チームリーダー 越川 恭子氏
  • 株式会社ベルーナ EC事業本部 Eマーケティング部 Eマーケティング室 片山 和紀氏

 LIFULL 、ベルーナ、求人ボックスの各社が Criteo 活用の現在地を共有する内容であり、業界や商材、抱えている課題はそれぞれ異なるものの、このセッションを通じて共通していたのは、「 Criteo はリターゲティングだけではない」という点でした。リターゲティングは引き続き重要な土台でありながら、それだけでは事業成長に必要な拡張性を十分に担いきれず、新規顧客の獲得や、より広いオーディエンスへの配信といった領域でも、 Criteo の活用が着実に広がっています。

特に、各社が「守り」だけでなく「攻め」の文脈でも、具体的に活用領域を広げていた点が特徴的でした。 LIFULL では、リターゲティングを土台にしながら、ブロード配信やプロスペクティング配信を活用し、新規顧客獲得へと軸足を移していました。単に配信対象を広げるのではなく、 Criteo  AI の学習を前提に、より検討確度の高いオーディエンスを継続的に見つけていく運用へ進んでいたことが示されていました。リターゲティングだけでは取り切れない成長余地を、 AI を活用した新規向け配信でどう広げていくかという考え方も明確になりました。

ベルーナの事例でも、リターゲティング以外の活用はかなり具体的でした。優良顧客に特化したプレディクティブオーディエンス配信、自社データを活用した54歳以下へのリーチ拡張、さらに新規獲得に向けたルックアライク配信まで、オーディエンス設計そのものを細かく組み立てていました。特に、自社データと Criteo AI による最適化を掛け合わせながら、どの層へ広げるべきかを「人」が判断し、配信設計に反映していた点は、 AI 活用における実務上のポイントを示す内容でした。

求人ボックスの事例では、ダイナミックリターゲティングで成果の土台を築いたうえで、そこからリターゲティング以外の活用を本格化させていました。フィード数の拡張やオーディエンスの検証を進めるなかで、配信対象を広げていっただけでなく、商品画像がないという制約のある中でも、クリエイティブやバナーフォーマット、タグ設計を見直しながら、Criteo AI が最終 KPI に向けて最適化しやすい環境づくりを進めていたことが共有されました。単に配信面を広げるのではなく、成果につながる実装や設計まで丁寧に詰めていたことが伺える事例でした。

また、各社の発言を通じて一貫して重視されていたのがファーストパーティー・データの活用です。 LIFULL 、ベルーナ、求人ボックスのいずれにおいても、自社データをどのように整備し、どのように Criteo AI へ連携させるかが、配信精度を左右する前提として捉えられていました。各社に共通していたのは、単にデータを保有するだけでなく、 AI が学習しやすい形で接続し、オーディエンス設計やクリエイティブ最適化に活用していくことが重要だという点でした。

懇親会とイベント全体を通じた印象 

懇親会の様子
懇親会の様子


セッション後の懇親会では、登壇者と参加者の皆様が直接交流できる時間が設けられ、イベントのテーマについて意見交換が行われる場となりました。

当日は、広告投資や新規獲得、計測、データ活用など、実務につながるテーマが多く取り上げられました。また、イベント後のアンケートでも、業務との関連性があり、有用だったという前向きな反応が多数寄せられました。

AI を活用した広告運用の効率化、新規獲得の最大化、売上成長の実現にご興味をお持ちの方は、ぜひ Criteo までお気軽にお問い合わせください