旅行は、多くの人にとって毎年まとまったお金をかける楽しみのひとつです。
しかし、日用品の買い物とは違い、旅行の計画が一度の検索で完結することはほとんどありません。行き先や旅行会社、価格、日程、現地での体験、口コミなど、さまざまな情報を比較しながら、時間をかけて決めていくものです。
実は、この旅行予約に至るまでのプロセスには、消費者の購買意欲を読み解くヒントが数多く隠されています。
Criteo の「旅行トレンドレポート2026年7月版」によると、初めて商品詳細ページを閲覧してから予約に至るまでの平均日数は、航空券で13.9日、ホテルで18.8日でした。ただし、予約までの期間には大きなばらつきがあり、数分で予約を完了する人もいれば、1カ月以上かけてじっくり検討する人もいます。また、日本では旅行の情報収集や比較・検討をできるだけ効率よく進めたいと考える傾向が見られます。
このように、旅行の検討期間や行動パターンは人によってさまざまです。だからこそ、旅行を計画する過程で生まれる一つひとつの行動は、消費者の関心や購買意欲を理解するための重要なシグナルとなります。
本記事では、こうした旅行者の行動データから新たな購買ニーズを捉える方法と、Criteo の「トラベル・オーディエンス」の新機能を活用して広告パフォーマンスを高める方法をご紹介します。
旅行予約までの道のりは、複数のチャネルにまたがる
旅行者は旅の計画を立てる際、さまざまなチャネルやデバイスを行き来しています。
旅行者はコネクテッドTV(CTV)*やSNSの動画を見て旅先のアイデアを得た後、パソコンで旅行会社を比較し、スマートフォンで口コミをチェック。そして、予約する準備が整った段階で、再び旅行サイトを訪れることもあります。
最近では、 AI も旅行計画をサポートするツールとして存在感を高めています。 Criteo の「旅行トレンドレポート2026年7月版」では、日本の旅行者が AI を搭載したチャットアプリやウェブサイトを役立つと考える場面は、「旅行先のアイデア探し」が48%、「旅行全体の計画」が45%、「レストランなどの食事の検討」が39%、「宿泊施設の提案」が38%でした。
AI は、旅行の予約や手配そのものよりも、旅先の候補を探したり、旅行プランを考えたりする段階で活用が期待されていることがわかります。
こうした一つひとつの行動から、旅行者のニーズをより深く理解することができます。
旅行先の検索からは好みの気候や環境が、ホテルの比較からは予算や旅行の目的が見えてきます。また、現地のアクティビティを調べる行動からは、誰と旅行するのか、どのような体験に価値を感じているのかを推測できます。
マーケターにとって重要なのは、これらのシグナルを個別に捉えるのではなく、組み合わせて読み解くことです。
一つの行動だけでは把握できる情報に限りがありますが、複数の行動パターンを分析することで、消費者が旅行計画のどの段階にいるのか、何を比較・検討しているのか、そして次に何を必要としているのかが見えてきます。
Criteo はこれまで、消費者の購買行動に関するデータを活用し、マーケターが具体的な成果につなげられるよう支援してきました。コマースメディアの活用領域が従来のリテールの枠を超えて広がる中、 Criteo が培ってきた知見は、複雑化する購買プロセスをブランドが理解するうえでも大きな力になります。
*コネクテッドTV(CTV)とは、インターネットに接続し、動画配信サービスなどを視聴できるテレビのことを指します。
旅行の計画から、その先の購買行動が見えてくる
航空券の検索、ホテルの比較、クルーズ旅行の問い合わせ、パッケージツアーの口コミチェック。こうした行動は、一見するとリテール商品の購入とは無関係に思えるかもしれません。
しかし、これらも消費者の購買意欲を示す重要なコマースシグナルです。購入を検討するタイミングや好み、予算、家族のニーズ、さらには今後の購買可能性まで読み解く手がかりになります。
そもそも、旅行の予約は旅に関連する消費の始まりにすぎません。
Expedia Group Advertising が実施した調査では、旅行者の62%が最近の旅行に関連して、航空券や宿泊施設などの予約以外にも商品を購入した経験があると回答しています。
旅行の目的によって、次のような購買ニーズが生まれます。
- 家族でビーチリゾートへ旅行する場合:
水着や日焼け止め、スーツケース、スナック、子どもが移動中に楽しめるエンターテインメント用品などが必要になります。一方、スキー旅行なら、防寒着やゴーグル、スポーツ用品、乾燥や寒さに対応したスキンケア商品などが購入候補に挙がるでしょう。 - 海外出張を予定している場合:
高品質なスーツケースや空港ラウンジの利用サービス、ノイズキャンセリング・イヤホン、海外ローミングプラン、シワになりにくい衣類、マイルが貯まるクレジットカードなどに関心が高まる可能性があります。 - 直前に週末旅行を予約した場合:
トラベルサイズの衛生用品やモバイルバッテリー、機内持ち込み用の必需品、スナック、美容・パーソナルケア商品などを、出発に間に合うよう当日配送で購入するニーズが生まれるかもしれません。
さらに、旅行の予約や検討に関する行動からは、旅行以外の日常生活における好みや価値観、消費傾向を知ることもできます。
- 高級リゾートを探している旅行者:
プレミアムな美容商品やファッション、高級レストラン、金融サービスなどへの関心も高い可能性があります。 - 頻繁に海外旅行をする旅行者:
海外ローミングプランや空港ラウンジの利用サービス、旅行保険、旅行特典付きクレジットカードなどを必要としているかもしれません。 - アウトドアや冒険を好む旅行者:
アウトドア用品やアクションカメラ、ヘルスケア商品、高機能ウェアなどに興味を持つ可能性があります。
こうした旅行と購買行動のつながりによって、旅行への関心はマーケターにとって価値の高いデータになります。
年齢や性別などの属性情報や推測に基づく興味・関心だけに頼るのではなく、実際に観測された行動を活用することで、消費者が旅行を計画し、予算を検討しているタイミングに合わせたアプローチが可能になるのです。
Criteo の「トラベル・オーディエンス」で広がる活用の可能性
Criteo は昨年、旅行者の予約行動や閲覧行動、コマースシグナルを活用して、広告主が見込み顧客にリーチできる「トラベル・オーディエンス」を導入しました。
そして今回、マーケターがこのオーディエンスをさらに幅広く活用できるよう、機能を拡充しました。
トラベル・オーディエンスは、 Criteo の Commerce Growth から直接利用できます。また、60以上のサードパーティDSPと接続するCommerce Gridや、Index Exchange、Magnite、 PubMatic を通じて、旅行者の行動データに基づいて設定された広告配信パッケージを普段利用しているDSPから購入することも可能です。
こうした柔軟な利用方法により、旅行関連のブランドはもちろん、旅行以外の商品やサービスを扱うブランドも自社に適した広告配信環境を使いながら、旅行への関心をパフォーマンス・マーケティングに取り入れられます。
Commerce Growthでは、旅行への関心や予約行動、旅行の目的などに基づいて、さまざまな旅行者セグメントを選択できます。

例えば、一人旅を計画している人、ロマンチックな旅行を検討しているカップル、学校の休暇に合わせて家族旅行を手配している人、出張先で観光も楽しみたいビジネストラベラーなどです。

また、新たに追加された目的地別セグメントによって、より精度の高いターゲティングが可能になりました。
広告主は、出発地と目的地を組み合わせた独自のセグメントを作成できます。国から国、または国から都市という単位で指定できるため、観光局や観光施設、ホテル、航空会社など、幅広い旅行関連企業のマーケティングに活用できます。

ここで力を発揮するのが、 Criteo のコマースメディアです。
Criteo は、オープンインターネット上で得られる購買意欲の高い消費者の行動シグナルを活用し、広告主が最も効果的なタイミングで消費者とつながれるよう支援します。
Criteo のプラットフォームは、幅広いコマースエコシステムにおける消費者の行動を把握し、そのシグナルを広告配信に活用できるオーディエンスへと変換します。さらに、広告のパーソナライズから成果の測定までをサポートします。
トラベル・オーディエンスを活用すれば、旅行への関心を、旅行業界に限らない幅広いコマース領域のマーケティングに生かすことができます。
リアルタイムの行動シグナルをもとに、旅行の計画をきっかけとして新たな購買ニーズが生まれそうな消費者へ、適切なタイミングでアプローチできるのです。
旅行関連ブランドがトラベル・オーディエンスを活用するメリット
旅行関連の広告主にとって、トラベル・オーディエンスは、購買意欲が高まるタイミングで見込み顧客にリーチするための有効な手段となります。
例えば、現地で楽しめるアクティビティを調べているときや、航空券・宿泊施設の予約を本格的に検討しているときなど、旅行計画の重要な段階で消費者にアプローチできます。
具体的には、次のような活用方法が考えられます。
- 航空会社: 米国からパリへのフライトを検討している旅行者など、特定の路線の航空券を比較している消費者にリーチできます。
- ホテル: 家族旅行やカップルでの旅行など、特定の目的に合った宿泊施設を探している消費者にアプローチできます。
- クルーズ会社: 複数の目的地を巡る旅行に興味を示している消費者にリーチできます。
- レンタカー会社: ロードトリップを計画している旅行者や、現地で車での移動が必要となる目的地を訪れる旅行者にアプローチできます。
また、観光局など、旅行先の魅力を発信するマーケターにとっても大きなチャンスがあります。
なぜなら、多くの消費者は最初から具体的な目的地や旅行会社を決めているわけではないからです。「家族でどこかに出かけたい」「ロマンチックな週末を過ごしたい」「一生に一度の特別な体験をしたい」といった漠然としたアイデアから、旅行の計画を始めることも少なくありません。
こうした検討初期の段階には、すでに存在する需要を取り込むだけでなく、新たな需要を生み出すチャンスもあります。
旅行者の興味や関心に合った広告を届けることで、旅先選びのヒントや意思決定に必要な情報を提供し、安心感や期待感を高めながら予約へと後押しできるのです。
実際に、以下の旅行関連ブランドは、 Criteo のソリューションを活用して旅行者との接点を増やし、広告パフォーマンスの向上につなげています。
旅行業界以外のブランドにも広がる活用機会
トラベル・オーディエンスの可能性は、旅行予約に関連するマーケティングだけにとどまりません。
リテールやその他の業界のマーケターにとっても、旅行をきっかけに購買意欲が高まっている消費者にリーチする絶好の機会となります。
Expedia Group Advertising の調査によると、旅行予約以外に旅行関連の商品を購入した人のうち、70%が旅行前に衣料品・靴・アクセサリーを購入していました。また、63%が美容・パーソナルケア商品を、39%が家電製品や最新のデジタルデバイスを購入しています。
例えば、ニューヨーク在住の消費者が1月にカリブ海クルーズへ出かける予定なら、暖かい地域に適した衣類や日焼け止め、サンダル、スーツケースなどを近いうちに購入する可能性があります。
また、数か月後に長期の海外旅行を予定している人なら、語学学習アプリや海外ローミングプラン、旅行用サイズの美容商品などを検討しているかもしれません。
こうした購買ニーズは、従来の旅行用品に限らず、さまざまなカテゴリーに広がっています。
- 金融サービス:海外旅行を予定している消費者に、旅行特典付きクレジットカードや旅行保険、空港ラウンジの利用特典、海外利用手数料のかからない金融商品などを訴求できます。
- 飲食・デリバリーサービス:旅行先で手軽に食事を済ませたい人や、ロードトリップ中に食事を探している旅行者に向けて、関連するサービスを提案できます。
- 美容・ヘルスケアブランド:バケーションや海外挙式、イベント、季節に合わせた旅行などに向けて準備を進めている消費者にリーチできます。
- 日用消費財(CPG)ブランド:ロードトリップやビーチリゾートへの旅行、学校の休暇中の家族旅行などに備えて、日用品や食品をまとめ買いする消費者にアプローチできます。
- アパレルブランド:旅行先の気候や予定しているアクティビティ、旅行の目的に合わせて、関連性の高い商品やメッセージを届けられます。
- 動画配信・エンターテインメントサービス:長時間のフライトやホテルでの自由時間、家族旅行などを予定している消費者に、移動中や滞在先で楽しめるコンテンツを提案できます。
- 通信事業者: 海外旅行を計画している消費者に、海外ローミングプランやデバイスのアップグレード、その他の通信サービスを訴求できます。
たった一度の旅行予約がその後の数十件もの購買行動につながる可能性があります。
トラベル・オーディエンスを活用すれば、マーケターはこうした消費者の購買意欲を捉え、具体的なマーケティング施策につなげることができます。
旅行への関心をコマースメディアの成果につなげる
旅行の計画には、長期間にわたる情報収集や期待感の高まり、そして比較的大きな支出が伴います。
だからこそ、旅行を計画する際の行動からは、消費者が何を大切にしているのか、何を必要としているのか、そして次に何を購入する可能性があるのかが見えてきます。
Criteo のトラベル・オーディエンスは、旅行先を探し始めた段階から予約、出発前の買い物に至るまで、購買プロセス全体を通じてこれらのシグナルをマーケティングに生かせます。
消費者の属性や推測に頼るのではなく、実際に観測された行動をもとに、購入のタイミングや好み、ニーズに合わせた広告戦略を展開できるのです。
Criteo は、 AI を活用した最適化機能、複数のチャネルを横断した広告配信、パフォーマンス測定を通じて、旅行に関する行動シグナルとコマースデータを結びつけます。
これにより、マーケターは消費者の旅行への関心を具体的な成果へとつなげ、購買意欲が高まる重要なタイミングでアプローチできるようになります。
旅行者がどこへ向かおうとしているのか。その情報は、次に何を購入する可能性があるのかを知るための大きなヒントになります。
Criteo の夏の旅行トレンドレポートはこちらからダウンロードできます。
出典
- Criteo「旅行トレンドレポート2026年7月版」。
- Criteo「消費者の旅行に関する嗜好調査」(2026年2月実施、世界各国の消費者6,379人を対象)。
- 3. Expedia Group Advertising「非旅行商品の購入:ブランドが旅行者を顧客に変えるには」(2026年2月24~25日実施、米国、英国、カナダ、フランス、日本、メキシコ、オーストラリアの消費者2,166人を対象)。




